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討伐のためのあれこれ

「お爺ちゃん、お爺ちゃん起きて!」

「ぐぬぅぅ」

「お爺ちゃん!!」


 これでもかというほどばしばし叩きながらお爺ちゃんに声をかけ続ける。後ろでシン兄ちゃん達がドン引きしてるよ。


「む?ぅう?トール?・・トール!?」

「お爺ちゃん、ようやく目が覚めたんだね!」


 やっと起きてくれたよ。いい加減手が痛かったから助かった。普段ならある程度試して起きなかったら上から水ぶっかけるんだけど今はそんなことしてられないもんね。びしょ濡れになったら討伐隊にすぐに合流できなくなっちゃうもん。


「トール?大丈夫なのか?ドラゴンは・・・」

「お爺ちゃんが現実逃避している間に討伐隊の参加要請が来てるよ!詳しくは向かいながらシン兄ちゃんに教えてもらってね!はいこれ荷物、じゃあいってらっしゃい!」


 にっこり笑って有無を言わさずさっさと荷物を持たせて家から放り出す。ついでに僕も家からでてかぎをかけたら準備完了~


「じゃあ僕はこれからグレンさんとロードさんのところに行くから!お爺ちゃんはドラゴン退治がんばってね?帰ってきたらお爺ちゃんの活躍話を聞かせてもらうの楽しみにしてるから」

「任せなさい!」


 正気を取り戻す前に要件とついでにちょっとおだててやる気を引き出す。グレンさんのいれ知恵ですが何か?お爺ちゃんのところによるということで時間とるから討伐隊に合流する組みは城に行かずそのまま向かうことになった。1番隊は討伐組と残ってもしもに備える守備組に分かれたらしい。


 ちょっと離れたところでは避難誘導に従って一般人が城に向かう姿や実力者が討伐隊や王都の守護に向かう人の姿が見える。定期的な避難訓練とかやってるからパニックにならず比較的スムーズに事が進む。まあ今はドラゴンが見つかったってだけだしね。念の為の避難だからそこまであわてなくてもいい。


「それじゃあね」

「うむ、ドラゴン討伐後、戻ったら元気な姿を見せておくれ」


お爺ちゃんそれフラg・・・セーフ?セーフ判定でいいかな?


「どっちだと思う?」

「・・・セーフでいいのでは?」

「いや、ちょっと危なくねぇか?」

「でもあからさまじゃないよね?」

「しかし判定に困る。用心はしておくべきだろう」

「OK」

「なんじゃこそこそと・・・」

「「「なんでもないよ(ありません)」」」


セウトということで監視付となりました。



 城に着いたらまっすぐにロードさんの元へ。妖精種の血を引くとは知られてないけどお爺ちゃんの身内?みたいなものとは知られているから顔パスです。何か伝言があるとか思われているらしい。敬礼されてしまった。申し訳ない。ここからは公だから宰相様って呼ばないとなぁ。まあ敬語は勘弁してくれ。僕自身はともかく周囲の人が見た目5歳児の敬語に違和感持ちすぎるから。


「宰相様」

パタパタと忙しそうな宰相様のもとへ駆け寄る。来たことの報告だけでいい?なんていったら睨まれてしまった。なんか打ち合わせがあるらしい。


「トールか・・・。お前にはすまないと思う。つらい思いをさせることに・・」

「ごめん僕詳細何も知らないんだけど何がつらいこと?」

「・・・何も聞いていないのか?」

「お爺ちゃん向こうの世界逝ってました。たたき起こしてそのまま来たから何も聞いてません」

「はぁ。ドラゴンの数は聞いておるか?「10」ああ、そうじゃ。それでな、討伐している間に数頭こちらに来る可能性が高い。もちろん守護するものも残してあるが戦力としては討伐にほとんど持っていかれておる」

「つまり守りはできても討伐はできないと?」

「ああ、それで、最悪の場合討伐隊の方に向かわせることとなる。その役目が・・・」

「あぁ囮?それならシン兄ちゃんに可能性としてはあげられたよ。餌にはしないってさ」


 なんだもっとシリアスな内容かと思っちゃったよ。平気平気。僕は兄ちゃん達のこと信じてるからね。餌にはしないっていうんだから餌にはならないさ。怖い思いはするだろうけどそれなら昨日十分した。今さらだね。


 あっけらかんと答える僕に宰相様は何か言いたそうにしているがそれ以上は藪蛇になると判断したらしい。何やら近くにいた兵士・・・騎士様に地図を持って来いって命令してた。


 書類のたまった机に地図を広げて覗き込む、すでにドラゴンの見つかった地点にはいろいろな書き込みがされていて、王都に飛来すると予測されるルートや討伐隊が最短で戻ってこられるルートがいくつも書き込まれている。そして、一か所。どのルートでもドラゴンをおびき寄せられて、討伐隊も戻ってきやすいだろう場所に印がされていた。僕が待機する場所だ。


「トール、お前には今から魔導1番隊所属グレン符術士と共にここに向かってもらうことになる」



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