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最上級冒険者は美人さんです

地球の月を思い出させる白金の長い髪を後ろで軽く結いあげ、翡翠色の瞳でこちらを見る美丈夫・・・あ、髪止めの輪っか魔道具だ・・・・って違う!今はお礼、お礼いうとこ!ごめんなさいとありがとうは人生における対人関係の基本だよ!挨拶もね!


「あ、あの・・・」

恐怖をごまかすため攻撃されるたびに叫びまくってたから声がかすれてしまってる・・・たぶん他のメンバーもそうなんだろうなぁ。


 僕の声を聞いて美丈夫は眉をひそめ、腰に下げたウエストバックをあさり始める。何してるんだろ?相手の行動は理解不能だがかすれた声じゃ近付かないと聞こえにくいだろう、メンバーとアイコンタクト、どうやら全員同じ考えのようでそろって近づくことに。


「あの、助けていただいてありがとうございました」


 最年長のフーリーの声に従って全員で頭を下げる。まだちょっと膝とかがくがくしてるけどなんとか踏ん張る。だって、相手に近づくってことは側にあるドラゴン(の死骸)にも近づくってことだからね。死んでるけど頭はこっち向いててでかい牙をのぞかせてる・・・。やばい、こわい。


 僕がふるえているのに気付いたのかグリフォン君がすり寄ってきてくれた。ふかふかの羽毛に触れると漸くほっと息をつけた。どうやら今まで緊張状態が続いていたらしい。呼吸も細く浅くって感じだった。


「・・・これを」


 (たぶん)最上級冒険者さんが僕たちに何か差し出してきた・・・飴?

「恐怖がやわらぐ、喉にもいい」

僕たちの喉の状態とか精神状態を察してかばんの中をあさっていたらしい。アフターケアもばっちりですね!全員でありがたくもらいうけしばらく無言で飴をなめ続ける。その間冒険者さんはドラゴンの完全な解体とか必要部位以外の火葬とかの処理を行っていた。


 普通モンスターの火葬なんてしないから不思議に思って見ていたら僕らの視線に気づいたみたいで説明してくれた。ドラゴンは魔力の塊だからほおっておくと周囲のモンスターが食い散らかして凶暴なモンスターが増えてしまうらしい。なのでドラゴンの討伐を行った際は可能な限り火葬処理を施すのが決まりだとか。上級冒険者になったら教えられるみたい。なんで中級以下に教えられないか、答えは身をもって知ってます。中級じゃあまず生き残れないからですね。火葬する側じゃなくてされる側になっちゃうからだ。


 飴をなめ終わり、火葬処理も終わったところで移動することになった。その際自己紹介もしたよ。冒険者さんの名前はアル。魔族の人種、『夜叉』の種族らしい。話を聞く限りどうやら魔族の人種は僕の知っているところの『鬼』、『エルフ』に分類される人たちみたいだ。魔族の獣人種は『悪魔』や『天使』、『妖怪』に該当するみたいだね。要するに地球の幻想や神話に出てくる種族が魔族、癒しのけもみみが人族の獣人種だと覚えておこう。


「アルさん、ドラゴンの咆哮は王都まで届いたと思うのですが他の救援の方々はどうしたのでしょうか?せっかく救援に来ていただいたのにすれ違いになるのは申し訳ないので僕らの無事やドラゴン討伐を知らせたいのですが」


 緊急討伐達成を知らせる発煙筒を出しながらライがアルさんに尋ねる。王都には発煙筒で知らせることが出来るが森に入ってしまうと討伐達成の発煙筒は見えにくくなってしまう。助けを求める奴はすごくよく見えるんだけどね。これも改良申請(お爺ちゃんにチクるだけ)出しておこうかな?


「救援隊なら俺がこちら向かう際すれ違った。隊長とは知り合いだったので俺がこっちに向かっていったのを見ておそらく王都に待機しているはずだ」


 俺は大規模魔法も使うからな、人がいすぎても邪魔なだけだ。そういってアルさんは森を抜けたところで王都を指差した。王都からは討伐完了の知らせに対する了解の返事ののろしが上がっていた。




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