表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/136

小話5 ユーリッツのトラウマの真実

題名通り、ユーリッツのトラウマの真実話です。若干残酷描写も含まれますので苦手な方はご注意ください。本編とは全く関係ない話なので読み飛ばしても大丈夫なようにできています。

 ユーリッツの夢ねぇ・・・夢は夢なんだよ。そんな幻想的な風景でもなければ僕は白いローブも着てなかったし。

うん、ご想像のとおり、過去に起きたこと・・・と言っていいのかはちょっと疑問なんだけど。

当時僕が6歳・ユーリッツは8歳だったかな?僕らの保護者組にちょっとした問題が起きてね。僕らはそれに巻き込まれたんだ。


 僕のお爺ちゃんは王宮でそれなりの地位についているのは知ってるよね?

その政敵って言っていいのか今でも疑問なんだけど、目の敵にしてくる人がいたんだって。で、その人は冒険者時代のレイヴェさんたちの商売敵でもあった。まあ、どっちも相手にしてなかったらしいんだけど、その態度が余計相手に気に障ったんだろうね。事あるごとに突っかかって来たんだって。


 お爺ちゃんたちの知り合いや友人はみんな実力者で危害を加えることなんてできなかったんだけど、15年前にそれが崩れた。いや、正しくは17年前かも。でも表に出たのが15年前っていうか・・・とにかくお爺ちゃんが僕を拾って育てることにしたのがきっかけになったんだよ。


 自分で自分の身を守れない幼子が2人セットでいるんだ。相手にとって格好の餌だったみたい。

僕らが本当に幼いころは常に誰か大人がついてて手を出せなかった。でもある程度育ってくると自由時間もあるわけだ。で、年上のユーリッツの方がその機会は多かった。僕は結構家の中で大人しくしているタイプだったしね。


 それで、ある日ユーリッツがさらわれた。何があったのか大人は話してくれなかったけど、攫われて、何かがあって戻ってきた。それしか僕は分からなかったけど、ユーリッツはすごく怯えてたんだ。だからなるべく一緒にいることにした。ユーリッツもその方が安心したみたいだったから。それが間違えだったんだけど。


 暗示をね・・・掛けられていたんだ。発動条件は僕と二人っきりで周囲に大人がいないこと。だから大人は誰も気付けなかったし僕も分からなかった。


 逃げろって叫ばれたよ。悪質でしょ?ユーリッツの意識はそのまま残してたんだ。身体が自由にならない、勝手に動く、そう泣きながらユーリッツは僕の首を絞めようとしてきた。僕だって殺されたくないし、何よりユーリッツにそんなことさせたくないから必死に逃げたよ。でも悲しいかな体格差は埋められなかった。


 なんで魔法を使わなかったか?当時確かに僕は魔法を使えた。でも、手加減とかの微調整なんてできなかったんだ。使えばユーリッツが確実に死ぬってわかってるのに使えなかったよ。


 壁に立てかけてあった剣で僕は切られたんだ。結構重傷。動けなくなってさ。で、とどめを刺されそうになった時に大人が駆け込んできた。かなり騒いだからね。なんとか家の外まで声が聞こえたみたい。


 でも・・・ちょっと遅かった。僕を切った時、ユーリッツは精神的に限界だったんだ。発狂してた。泣き叫んで僕を殺し続ける幻覚に囚われてた。だからね、記憶を消したんだ。攫われてから僕を切りつけたとこまでの記憶全部。でも深層心理で覚えているんだろうね、ある日僕を殺す夢を見たって大泣きながら家に来て、それから定期的に来るようになったね。


「結局ユーリッツのトラウマになっちゃったんだよね」


玄関で突然倒れちゃうのは記憶を消した時の保護魔法が働くからみたい


「・・・・・」


話し終えたらメリルが蒼白になってた。まぁそうなるよねぇ、ちょっと重たすぎる。


「ユーリッツが僕に対して異常なまでに過保護なのもその辺が原因だと思うんだよね、僕らとしても今の状況は不本意だから何とかしたいんだけど」


「トールは・・・」

「ん?」

「トールは平気なの?その・・・ユーリッツに殺されかけたんでしょ?」

「あ~、そっちは平気。ていうかあのユーリッツ見てたらそんなこと考えられないし。むしろ僕は・・・グレンさんがトラウマ」


意外な名前が出てきたって顔された。でもメリルさん、よく考えてみてくれ。


「僕らに手を出したというかこんな悪質なことした人に僕らの保護者が何もしなかったと思う?」


その言葉でピンと来たらしい。別の意味で蒼白になった。そうなるよね。


「とらえた犯人に対してグレンさんは素晴らしい頬笑みを浮かべながら緑というか紫というかピンクというか・・・とても言葉にできない色の液体を差し出し・・・」

「やめて!それ以上言わないで!!お願いだから!!!!」


「次にとりだしたのは重犯罪者専門に開発した新しい魔道具で・・・ちょうど実験台がほしかったんだとささやきながら・・・・」


「いやぁぁ!!もうやめて、トラウマが、トラウマがぁ」


うずくまって震えだしたメリルに新しいお茶を差し出して一息つく


「とりあえず、話を聞いたんだからユーリッツのトラウマ克服に協力してね?」

「そこは彼女として当然だと思うけど・・・どうするの?」

「本当は僕がもう少し成長したら、事件は過去のことでもうユーリッツに傷つけられることはないよって安心させて、記憶の封印を段階的に解いていく予定だったんだけど・・・予想以上に僕の成長が遅くてね。魔法学校にも入学してユーリッツをぶっ飛ばせるようにもなったし?計画前倒ししようかなぁと」


普段の僕らのやり取りを思い出したんだろう、首を縦に振った。


「ユーリッツが言っていた感情を映さない目っていうのは?」

「だからね?僕にとってその話はグレンさんがセットなんだよ」

「・・・理解した」


そう、あの事件はユーリッツ以外にはグレンさんのはっちゃけトラウマ事件として認識されているという裏話があったりする。恐ろしいことに。


「・・・ユーリッツにとってどっちのトラウマがましか迷うところね」

「もう判断はメリルに任せるよ。僕らじゃ今の方がマシじゃね?ってなってるから」


別名グレン無双話。主人公が不満なのはユーリッツの過保護、トラウマに関しては本当にどっちの方がマシかと悩んでいる状態。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ