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ユーリッツが大人になっちゃった

予定ではとっくに入学していたはずなのに・・・どうしてこうなった?

 ユーリッツに説得されて普通に店を出た。僕は二度とここで買い物はしない、でも他の人に悪評を伝えるのはやめることにしたら店主はホッとしていた。でもなんか無駄な気がするんだよなぁ?


「ねぇ、ユーリッツ。僕、お爺ちゃんたちに店の場所聞いてここに来たからここの杖買っていかなきゃたぶんばれるよ?加工の仕方とか、付属魔法と買って個人で微妙に変わるんでしょ?フレイアちゃんが言ってたし」

「フレイアさんをちゃんづけするお前の度胸に憧れるわ。いいんだよ、あそこ前から俺らの間でも評判悪かったんだ。先代は気難しいけどすごく腕利きで見た目で判断するような人じゃなかったらしいんだけどな。老師たちは先代が今もやってるって思ってたんじゃないか?」

「そうなの?ならもっとやればよかったかな?」

「やめとけって、老師たちに知られることが確定してるんだ、これ以上脅して余計な恨みは買うな」

「・・・ユーリッツが大人な発言してるっ!大丈夫?頭打った!?」

「お前何気に失礼だよな。俺はもう17だぜ?肉体も精神もゆっくりなお前と違ってもう大人の仲間入りなの」

「大人は見当違いな挑発は・・・するか」

「あ、あれはお前が別に困ってないしとか言っていつまでたっても入学してこなかったからであって・・・ごにょごにょ」

「・・・ツンデレかっ。やめろ、17の男のツンデレとか気持ち悪い。あれは女子供がやってこそ価値があるものだ」

「ツンデレ?お前たまに不思議な言葉使うよな」


 なんてことだ。知りたくない事実を知ってしまった。現実はかくも厳しいものなのか。


「それより、杖買うんだろ?ほかの店知ってるからついてこいよ。最近生徒間じゃ評判のいいところがあるんだ」

「?いいところ知ってるんならなんであそこに行ったの?最初からそっちに行けばいいじゃないか」

「あそこ先代の恩恵で品ぞろえだけはいいんだ。店員最悪だけど。だからまあその辺我慢できればまだあそこの方がいいんだよ。それももうぬかされるだろうけどな。老師たちに知られたら終わりだ」


 子供だからって接客態度が悪いとそれが親に伝わって客足が遠のく。遠のいた客はほかの店に流れてもう戻ってこない。学生だって大事な客だということを理解してないと将来のお客を取り逃がす結果になることをあの店主は分かっていないんだ。


 ユーリッツに連れられて行った武器屋は先ほどの武器屋と比べてかなり小さかった。でもこじんまりとした中に温かみのある雰囲気が漂っている。なかなかに気に入った。中に入ると人でごった返していた。みな若い。学生に人気というのは本当らしい。


「所為い低価格が結構良心的でな?それに売り子の子が可愛いんだ」

「ああ、それで・・・」


客層は学生にプラスして男とつく。まあ女も何人かいるが、ほとんどは前者だ。

「あっ、ユーリッツ君」

カウンターにいた売り子の女の子がユーリッツに気付いて華やいだ笑顔を見せた。これは・・・

「こんにちは、エリー。紹介するよ、こいつはトール。俺の幼馴染で今度学校に入学することが決まったんだ。今日はその準備。何本か杖を見せてくれないか?」

「そ、そうなんだ、こんにちはトール君。あたしはエリーっていうのよろしくね?」


ユーリッツの幼馴染としてですね?ふーん?ユーリッツてばモテモテじゃん。さすがに美男子に成長しているだけありますねぇ?だがしかし、僕は見逃さなかった。この女、密かに僕を値踏みしやがった。男が多い理由は顔のかわいさじゃなくて女が寄り付かないことが理由っぽいな。女子ってこういう表裏のある女に厳しいし。そして僕も厳しいのですよ?かわいい僕の幼馴染(笑)に悪い虫がつかないように見張れってユーリッツの彼女ちゃん(ラーファさん公認)に頼まれていますからぁ。まあ店自体は気に入ったのでこれからも来ますけどね?


「はいっ、僕、武器屋は初めてなので楽しみにしていたんです。杖の他に短剣とナイフも見せてもらっていいですか?薬草採集とか護身用に一本持っておきたいので」


 にこにこ猫かぶりスマイルでエリーに注文する。隣でユーリッツが僕の盛大な猫かぶりにギョッとした顔をしているが今は黙れ、後で説明してやるから。

 自分に対して男が良いところを見せようとすることが多いのだろう。明らかなユーリッツの動揺もスルーしてエリーは店の奥に杖と短剣を取りに行った。


「おい?トール?」

「ねぇ、ユーリッツはあの子のことどう思っているの?」


直球で聞く。答えなんてわかりきっているが。そしてエリーさん、とっさに壁に隠れたの見えてますよ~?


「エリー?顔はかわいいとは思うけど?」

「そうじゃなくて、彼女にしたい感じ?」

「は?お前俺に彼女いること知ってるだろ?なんでそんなこと聞くんだよ」


牽制のためです。


 奥の方でエリーさんが動揺している気配が伝わってくる。彼女いること知らなかったんだろうなぁ。ユーリッツの答えはまさしく揚げて落とすのお手本のようだった。



むしろユーリッツの性格がどうしてこうなった?な結果に。おかしいなラーファに似たしっかりものの美男子になる予定だったのに。間違ってもハーレム主人公的な鈍感属性なんてなかったはずなのに。でもハーレムになる予定はありません、母親、主人公、彼女ちゃんががっちり周りをガードしております。

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