見た目で判断したら痛い目見るよ?
あれから防具屋のおじさんのアドバイスを受けて何着か服も購入し、僕は店を出た。おじさんも商売上手だなぁ。サイズ直しがあるからやっぱり手ぶらだ。さて次は、・・・僕はお爺さんに渡された道具袋を見降ろしてから、目の前にある店を見た。『武具 不死鳥』そう書いてある。ここまで言えばわかるね?そう、自分専用の武器をもつ時が来たのさ!
ファンタジーといえば魔法と剣!そう!『剣』。魔法は結構身近だったけど剣は今まで数回しか見ていないのだ。だって周りみんな魔導士。剣持たない。レイヴェさんも冒険者辞めちゃってるから身につけていることがない。「俺の武器は包丁だぜ」とかいってたし。家に来た衛兵さんが持ってたのとか、夫婦げんかでラーファさんが持ちだしてきたのしか見たことないがないのが実情だ。ちなみに夫婦喧嘩の時ユ―リッツはいつも家にいた。お爺ちゃんが結界はってくれるから。
まあ実際僕が持つのは杖なんだけど。肉体5歳児が重たい剣持てるわけないし。まして僕妖精。亜種だけど妖精。魔法適正バカ高い種族なのに剣持ってどうするって感じ。でも武器屋でじぃーっくりと剣を見ることは許されると思うんだ。今までは危ないから近づいちゃだめって言われてたからね、ホント楽しみ。剣は男のロマンなのだ。
「カランッ」、ドアに取り付けられているベルが店に鳴り響く。店内には何人かの冒険者と思われる人が既にいて、そちらには近づくことはできない。だって槍とか持って振り回してるし、使い心地の確認かな?
僕はとりあえず店長を探すことにした。何処に何があるか分からないし(見えているけども)、店内のルールも知らない。初見で下手に動くのは危ないだろう。武器が所狭しと置いてある店内を見回していると、他の客とは雰囲気が違う、しかし筋肉質な肉体を持つまさに『親父』と呼ぶにふさわしいと目があった。親父は一瞬目を見張った後、今度は目を据わらせてこちらに歩いてきた。
「ガキこんなところで何してやがる!ここはガキの遊び場じゃねーぞ!」
そばに来た途端これである。この親父は商売をする気がないのだろうか?まず年齢と種族確認をすべきだろうに。親父の怒鳴り声で他の客もこちらに気づいたらしくなぜか僕は注目の的となった。
何人かはニヤニヤと明らかに面白がっている。場違いなお子様が親父に怒鳴られて泣きだすのでも期待しているのだろうか?残念、僕はお子様ではない。見た目がお子様なだけで15歳だ・・・あれ?15歳はお子様かもしれない、ユ―リッツはお子様だと思うし。一般基準はどうなんだろう?後でお爺ちゃん・・・はダメだな、僕に関していろいろ基準がおかしい。ラーファさんに聞いてみよう。
まあ基準については後回しだ。今はこの親父の相手をしないとね。
「何って買い物ですけど?」
しれっと答えてやったぜ。やったねトール君カッコイー。
「あぁん!?買い物だと?ここはガキが持てるようなおもちゃは売ってねーぞ?さっさと帰りな!」
はぁ、ずいぶんと高圧的な人だなぁ。ここで買うのやめようかなぁ・・・
ビビったわけじゃない。イラついただけだ。さてどうしようか?別にここである必要はないからほかに行ってもいい。でもそれだとビビったと思われる。それは嫌だ。でもここで買いたくないし・・・・
嫌みを言って帰るのも大人げない、迷っていたら親父じゃなくて冒険者が騒ぎ始めた。
「ぼくぅ?怖くて声も出なくなっちゃいましたかぁ?あははは、さっさと帰ってママのおっぱいでも飲んでな!」
「おいおい、子供相手にそれはひどいだろ(笑)、まあここにおもちゃはないから、あきらめて帰った方が身のためだね(笑)」
「そうそう、親にももうここにはいきませんって言わないとなぁ?店の迷惑になっちまうよ」
「(わいわいがやがや)」
よし有罪決定。ここに容赦は必要ない!
「わかりました。お爺ちゃんに伝えておきます。ああ、他にも知り合いには言わなくちゃいけないかな?ここは15歳以下はお断りだって」
「・・・15?」
僕の言葉に笑っていた周りが静まり返った。それはそうだよね、5歳の見た目で15歳なんて人族じゃないことが明らかだ。この店にいるものは皆、僕の種族に喧嘩を売ったことになる。ふふふふ、何人かは顔色が真っ青だよ。
「おまえ、15さ・・い・・・なのか?種族は・・・・」
「何に見えたのかな?まあ関係ないですよね?僕が何歳だろうと、どの種族だろうと、姿の小さい客はすべてお断りなんでしょう?」
「あ・・・いや・・・」
おやおや、言葉も出なくなっちゃった?でも僕を侮辱したのはお前たちだ!
「じゃあ「カランッ」」
帰ります宣言しようとしたら誰か店に入ってきた。タイミングがいいのか悪いのか
「・・・ってユーリッツじゃん」
「あれ?トール?なんでここにいるんだよ、お前ここには用事なんてないだろ?」
「用があったから来たんだけどね、もう帰るところ。ここ、15歳以下お断りらしいから」
「は?」
今来たばかりのユーリッツは事情が分からず頭上にはてなマークを飛ばしている。軽く説明してあげたら今度は目を見張った。
「お前、入学するのか!?」
「そこかよっ!?」
こいつらの僕に対する侮辱の言葉についてじゃないんかいっ!!




