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While resolving

 空しさが込み上げた。いくら小説を書こうが本質的に現実は変わらないと、私は小説で宣言してしまう事になる。なら私の目的からすればこの行為は本当に無駄で、ただの時間の浪費なんじゃないのだろうか。

 あの、初めて風景が描けた時の、あの高揚はなんだったのだろうか。人が笑って、泣いて、私も同調して過ごした日々は。私の世界は。初めて長編を完結させた時の達成感は。

 私は、本来の目的とは違う理由にただ満足していただけだった。だから、小説を書く事に満足しているかどうかには戸惑う。問われれば、きっと沈黙する。

 行けない世界を夢みて、現実にも自分の世界にも生きられない私は、なんと置き替えられるのだろうか。

 私はなんだったのか。自分でも訳がわからなくなるこの問いを、解く事はできない。だから私は、そのまま私なんだ。あなたは現実に閉じ込められた私の心。

 いつか再びこの問いには向き合わなければいけない。なんとなくそんな気がする。その時は、また小説を書こう。

 “solve”それが私の使命だったのだろう。私は今日この日、この問いに敗れた。

 だから次は“re-solve”私の使命であるこの言葉が、私がいつもやっている事の逆で『解いて元に戻す』を意味するのだから、まこと皮肉かもしれない。

 きっと、置き替えるうちに解るのかもしれない。今はそう思って、ただ書くしかない。

 さあ、ものがたりを仕上げよう。

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