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入学前

俺は小学一年生から空手の道場へ通い、現在に至るまで稽古に励んでいる。そんなおれが中学三年生の時の話、全国中学空手道選手権大会の県予選で早々に敗退し、実質道場へ行く理由がなくなり仮引退状態にあった。そんな中の俺はというと、学校で居眠りをし、放課後神社に行ってはタバコを吹かし友達とだべって家に帰る、そんなのんべんだらりとした生活を毎日送っていた。なので高校などどこでもよく、近所の定員割れしている工業高校への進学を決めた。季節は冬になり、気晴らしに道場へ顔を出しに行ったときのこと、大会会場でよく見かける髭の生えた先生が自分たちが練習している場所の隣の柔道場で空手の稽古をしていた。すると髭の先生がすたすたとこっちに寄り「キミは高校どこに行くの?よかったら工業高校においで、空手道部があるから」と言うのである。思わず「ハイ!工業高校で空手をします!」と、調子の良いことを抜かしてしまった。しかしその日から何故か空手に対する思いが強くなり、せっかく続けてきた唯一のことと言い聞かせ、入部することを決意した。


入試の日、定員割れしていると言うこともあり全く緊張せず工業高校の門をくぐった。受験生は体育館へと誘導され、そこで待機するよう言われ、同じ中学の友達と面接の練習をかるくしてみたり、持ってきたおにぎりを食べたりとリラックスした状態だった。そんな中トイレ休憩の時間が与えられたので友達と用をたしに行った時のこと、人生で出会ったことのない体のサイズの男がトイレから出てくるのである。見た感じは某毒舌オネエタレントのような、いやそれ以上の巨漢っぷり、「あー・・・俺は三年間こいつとだけは絡むこともねえな。」そんな決意をしていた。その大男はその地域では超有名人で妥協や孤独のエピソードは伝説的と入試で仲が良くなった奴が言った。ちなみにその大男、その中学では「ジャンビー」と呼ばれ、なんだかんだで愛されキャラだと言うが・・・俺は更に関わるまいと胸に強く誓ったのである。

トイレから体育館へと戻ると、地元で有名なヤンキー中学の生徒達が一つのストーブの周りを囲い、暖を取っているのが目に入った。俺も違うストーブへ暖を取りに行こうとしたその時、「熱っちい!!ズボンが溶けた!!」と、ヤンキー校の一人が叫んでいた。叫んだ本人のルックスはまさに「ジャイアン」と言うべき、坊主頭でがたいがよく、喧嘩も強いとの評判で隣町の俺の中学までそいつの名前は轟いていた。

よほど寒かったのか?あのがたいで寒がり?いろいろ考える打ちに可笑しくなり、印象に強く残った。

その日は無事に乗り越え入試の結果は合格。いよいよ高校生活が始まるのであった。

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