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王宮に上がり2ヶ月後

「ほぼ覚えたな」

隣に座るサジタリーが嬉しそうにお茶を飲んだ。

「そう?サジタリーはそう思ってくれるの?」

嬉しい言葉だ。

王宮に来てもうすぐ2ヶ月が経つ。作法や礼儀、王族に関係ある方々の名前や肩書きなどは、ザカリ家にいたおかげで重なる部分があった為差程苦労せず覚えることが出来た。

「俺だけじゃない。父上や母上も宰相も口を揃えて褒めていた」

ほっとした。

「それなら嬉しいな」

頑張った甲斐がある。

私もお茶を飲んだ。

「父上が2ヶ月に開催される母上の誕生日パーティに参加してはどうだと言ってくれた」

「・・・本当に!?」

それはつまり、表舞台に立つことを陛下自ら許して下ったという事。

それはつまり、サジタリーの婚約者として認めて下さったという事。

「勿論出るよな」

「勿論よ」

嬉しい。

「ドレスはどうする?新調するだろ?」

「いいえ。サジタリーに貰ったドレスを少し変えて着ていこうと思うの」

首を振り断った。

「嬉しい事を言ってくれるな。まだ、持っていてくれたのか」

「勿論よ。王妃様の誕生日パーティに招待してくれた時に、送ってくれたドレスだもの。・・・また、着れるなんて思っていなかったけど、大事にとってあるの。あの色は王妃様の瞳と同じ色の青で、私も凄く気に入ってるの」

プレゼントしてくれる、と言われた時は流石に断った。

ドレスのプレゼントは、普通好意を持った男性がするものだ。

けれど、大切な友人として母上の前に立つのに貧相では困る、と何度も言われ渋々貰った。

緊張でガチガチの固まった顔で挨拶したのを覚えている。

その後、陛下の誕生日も誘われたがさすがにそれは断った。友人として、と簡単に言われたが、流石に誤解されたらサジタリーに申し訳ないと思ったからだ。でも、今考えると、その時からサジタリーは本気で私の事を想っていたのかもしれない。

私が誤解されないように、と遠慮しなかったらこんな事にならなかったのかもしれない。

「そんなに大事にしてくれていると嬉しいな」

「勿論よ。あんな素敵なドレスなかなか手に入らない」

「そうか、それは良かった。俺としては、結構頑張ったプレゼントだったからな」

恥ずかしそうながらも、思い出すように笑いとても楽しそうに話し出した。

「頑張った?」

「そりゃあそうだろ?気になっている女性に、それも、女性にプレゼントすること自体初めてだったから、まず何を上げたら喜ばれるか兄上に普通に相談したら、凄い真面目な顔されて召使いを全員下がらせ、誰だ!と詰め寄られた」

「兄上?」

どっちよ?

「カイン兄だ」

サラッと答えるけど、第1王子だ!つまり、次期王様に、何の相談してるのよ。

いや、兄弟だから分かるけど、後々絶対何か言われる。あの方は腹黒だと有名だもの。

「大丈夫?その・・・カイン様は・・・あまり性格が良くないというか、冷たいというか・・・私の事認めてくれてるのかしら?」

まさか、

腹黒ですから、心配です!

と正面切って次期王を、それも弟に聞けないし、

「ああ、身内にはとても優しいよ。だが、身内というか、自分が気に入らないやつにはとことん冷たいし、やられたら必ずやり返していたな。それも表立ってではなく、裏で結構動いてたな」

それを腹黒って言うのよ。

「それでレンの事を説明したら、それはドレスを贈るべきだ、と提案されて送ったんだ。あとから聞いたら、ドレスを贈ると言うのは、その女性を自分のものだと、言う意味だと教えて貰った。だから、父上や母上が血相を変えて聞きに来たんだ」

「・・・それは、そうでしょ。つまり、カイン様に嵌められたのね」

「あとから考えればそういう事だ。だから、中等部にしても高等部にしてもイベント事に父上か母上かカイン兄かが見に来てただろ?」

「そんなサラッと言わないでよ。何で教えてくれなかったの?」

「どうした?何でそんな驚いてんるんだ?」

「それって、私を見定めに来てるってことでしょ!?」

「ああ。別に問題ないだろ」

「何で!?問題あるでしょ!!」

「ないな。レンはいつ見られても問題ない女だ。俺としては、もっとレンを見て知って欲しかったが。どうした?顔真っ赤だぞ」

「・・・だって・・・変な私見られたら困るでしょ・・・」

「ないだろ?どこか変な所があるんだ?レンはどこをどう見られても非の打ち所のない女性だと思ってる」

「・・・」

聞いているこっちが恥ずかしい。

「だから、俺がレンを取り戻し妻にしたいと言った時、誰も反対しなかった。どうした?さっきから顔が赤いが」

どうしたって、サジタリーが恥ずかしいけど嬉しいことばかり言うからだ。

それも、真顔で言うから余計に恥ずかしい。

「レン」

「・・・何?」

サジタリーの顔を見れず下を向きお茶を飲んでいると、カップを取られた。

「こっち向けよ」

「・・・」

その甘く低い声で、この流れだと、思いつくのはひとつしかない。

「レン」

優しく声をかけると、私の頬を触り自分の方に向けた。

「そんな恥ずかしそうな顔は、俺だけにしか見せるなよ」

囁く声に体が麻痺するような感覚に捕らわれる中、私達は口付けをした。

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