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離縁当日5

「・・・レン、これでいいんだ。もう2人と関わるな」

何時までも扉を見つめる私の肩に手を乗せた。

すっと私の前にサジタリーは立ち、私の腕を引き、ソファに座られた。

「屋敷の皆が、体調が悪い話は聞いた。医師を複数呼んであるから、屋敷全員を診てもらうように頼んである。サーシャ、お前も座れ。お前も倒れそうだ。2人とも医師に診てもらうつもりだが、さて説明してもらおうか。不義、とは、どういう事だ?俺では無い男とそうなったのか!?」

目がとても怖い。

変な所を聞いて誤解しているようだ。

「そんな事あるわけないでしょ。時間稼ぎの為に、サジタリーと関係があったと言ったのよ」

私はそう言い、話の流れを説明した。

「つまり、ホーン殿から身を守るために不義と言う嘘を言い、何も無かったのだな」

「そうよ。もう何回聞くの?それに医師に確かめてもらって、その・・・まだ・・・」

清いままだと自分では恥ずかしくて言いづらい。医師の診察が終わり、また、談話室に戻った。

サーシャも診察を受け、診断は食あたりと言う事だった。さすがに猛毒をしこむまではするまいと思ったが、結果を聞いて安心した。

サーシャは薬をもらい、すこし顔色も戻っていたが、まだ、熱はあると言っていた。

あまり無理をさせるのは良くないので、私達の前のソファに座ってもらっている。

「・・・サジタリー様、お嬢様はそんな嘘つきませんよ。それに、もしそんな事になったら、私達がサジタリー様にどんな目に合うか恐ろしいですよ」

ぶるぶると震え、お茶を飲んだ。

サーシャのその言葉にき大きなため息を付きながら、サジタリーは私を見た。

「本当にホーン殿に何もされていないんだな?つまり、口付けや、肌を触られたとか、そういう事もなかったんだな!?」

念を押すように言われ、ああ、そういう細かい所がとても気になっていなのね、と気づいた。

私がホーン様と2人きり、ではないが、一緒にいたのがとても不安だったのだろう。離縁を無くすためにこれまで悪どい手を使ってきたのを知っているだけに、悪いことばかり考えたんだ。

元々、神経質な分だけ心配性なのは知っているが、考えてみると、私に対して細かかった。

高等部になってから特に、私の休日の過ごし方を聞いてきたこともあった。

授業の合間に、いつも側にいた。

男の子と話をする時は、必ず側にいて、2人きりになる事はなかった。

2人きりになるのは、いつだってサジタリーだけだった。

それが心地よかった。

冷静に考えてみると私があなたのこと好きじゃなかったら、気持ち悪い男の子になっていたわね。

「私の事、信用してないの?さっき説明したでしょ?嘘言ったと思ってるの?」

だから、つい意地悪な事を聞いてしまうじゃない。

「うっ・・・。いや・・・そうじゃないが・・・」

罰が悪そうに言葉を濁す。

「だったら、もういいでしょ。ほら、サーシャも困ってるじない」

多分サーシャはもう面倒になっているのだと思う。グダグダと言うサジタリーに早く終わって欲しそうに、つまらなさそうにしていた。

「私の説明信じないの?」

下から覗くようにサジタリーを見ると、やっと笑ってくれた。

「いや、信じてるよ。そうだな、本気でホーン殿を嫌っている様子だったもんな」

「仰る通りです。いやあ、お嬢様。約束通りのざまあでしたね。すっきりしました」

サーシャは体調が悪いからいつもより弱めの言い方だが、この話は気になるようで目を大きく見開き、何度も頷いた。

そう言われてみれば、見たいと言っていたな。

でも。どれがざまあなのか私にはさっぱり分からない。そんな事考える余裕なんかなかった。

「それは、言えるな。不義だの、証拠があるなど、よくあの状態で威勢よく嘘がつけたものだ。関心したよ」

「やめてよ。恥ずかしいわ。私だってあんな自分がいるなんて驚いているもの」

思い出すだけでも恥ずかしいけれど、それだけ鬱憤が溜まっていたのだ。

サジタリーの言うように、よくまああそこまで嘘が出たものだと、自分で感心する。

実際、不義もしていないし、確実な証拠も揃ってない。

信じてくれたから良かったが、そうでなければ、と思うとゾッとする。

「だが、これからこれまでの事を誰がやったのかは徹底的に調べるつもりだ」

「お願いね」

「勿論だ。それと、レンを怒らせたら怖いというのがよく分かったが初めて見たな、怒るところを。いつも優しい所しか見た事なかったからな」

「怒ると嫌な気分になるから、怒りたくないの。それに、サジタリーは私を嫌な気分にさせないもの。いつも・・・優しいから」

言いながら少し恥ずかしくなったが、サジタリーかとても嬉しそうに微笑んでくれたので、心が暖かくなった。

「くううううう!!!いいですねえ、惚気けですね!!分かりました、サジタリー様!!サジタリー様からお嬢様が離れたくない、と思える睦言を覚えたらいいんです、そうしたらもっとラブラブになりますよね!!」

えっ!?

何故そこに行き着くの!?

このいい雰囲気になりそうな穏やかさなのに??

「それはいいな」

何故そんなに嬉しそうなの??

「待って!!この流れはおかしいでしょ!!」

「何を仰います。離縁が成立したのですから、サジタリー様の婚約者となるのですから、大事なことですよ。お嬢様には私が色々教えてあげますから、サジタリー様には、オススメの本を貸してあげます」

「それは、面白そうだな」

「はい。かなり詳細に絵で説明しあるのでわかりやすいですよ」

「ちょっと!」

絵て、何!?

「それはいいな。文字だけだと分かりにくいしな」

「ちょっと!!」

何、感心してるのよ!

「知識を持って、お嬢様で実践。初心なお嬢様ですからきっとサジタリー様は楽しめるはずです。そうして少しずつお嬢様は開花していき、ますますラブラブ、となります!!あ、もう今日はこの話はやめておきましょうか。お嬢様が顔真っ赤ですからね」

「当たり前でしょう!!」

2人がくすくすと笑いとても和やかな空気に、さっきの話にドキドキしながらも、とても落ち着いた気持ちになった。

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