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離縁まであと3日 ホーン目線

また失敗した!!

離縁までの期限があと3日前に迫ってきたのに関わらず、全く上手くいかない!!

確実に、と手馴れたヤツらに高額な報酬を払い、奴らも任せておけと、豪語したのに、失敗したと帰ってくる始末だ!!

直接私が訪れても、屋敷に入れてもらえる訳もなく、かと言って、私自身の足がつくことは避けたい。その為に、あのような汚い人間に頼んだものを!!

どれだけ金をつぎ込んだと思っているんだ。

「くっそ!!」

ガン!とテーブルを蹴った。

あの女がサジタリー様を使って護衛を増やしているせいだ。

ガチャンとテーブルに乗っていたカップがひっくり返りった。

「あんまり怒ってもしかたないよ。それにそんな乱暴なことしたらお腹の赤ちゃんびっくりしちゃうよ」

小さい声で溜息をつきながら、カテリナが零れたお茶やカップを片付け出した。執事も含め、召使いがほぼ全員と言っていい程辞めていったせいで、カテリナがやる事が増えた。

勿論、新しく執事を雇いだしたが、如何せん、直ぐに役に立つ訳もなく、ましてや執事のサイモンも辞めたせいで、ザカリ家のしきたり、屋敷のしきたり、諸々を指示する統率者がいない為、仕方なく父上について行った召使いを呼び寄せた。

恥でしかない。

家督を継いだ時点で、ザカリ家を背負うに相応しい立場になった、と認められたのだ。すなわち、父と同等となり、親の助けを必要としない、と暗黙の了解であるのに、たかが召使いを貸してほしいなど、愚かで屈辱でしかない。

だが、父上は私の申し入れにとても冷静に、詳細を求めてこられ私も隠蔽する事も出来ず、白き結婚の離縁を話すと、何故か静かに頷くだけだった。

そして、離縁を勧められた。

何故だ!?白き結婚の離縁など、ザカリ家にとって汚点としかならないものを!!

だが、父上も母上もこのまま期限を待っての離縁よりも、承諾書にサインし離縁した方が、後々しこりを残さない、と言ってきた。何があったのかと問いただしても、2人とも口を閉ざし、あの家と関わるな、それの一点張りだった。

承服できない!と吐いて屋敷を後にした。

サジタリー様が何を言ったのだ!?いや、父上と母上も何を吹き込まれたのだ!?

嫌、余計な事を考えて、この空気に飲まれてはいけない。

「・・・ねえ、失敗したのでしょう?もう、やめようよ・・・」

ぎゅっと私の腰に手を回した腕に力が入り、不安気にカテリナは呟いた。

こと如く失敗して、不安なのは私だけでは無い。離縁すればカテリナは強制的にザカリ家を、追い出され、生まれ育った家にも帰れず、ひっそりと隠匿生活を送らねばならない。社交界から、断絶した場所など、庶民の、それも貧しく汚い場所しかなく、そこで私の子を育てねばならないのだ。

カテリナはともかくとして、私の子供をそのような卑しい場所にやりたくない。

「心配するな。最後の手段はまだとってある」

「最後の?」

震える声と震える瞳を私に向けながら、カテリナは首を傾げた。

「ああ。カテリナにも手伝って貰いたいのだ。これは、ふたりのため、ではなく4人の為なんだ」

「4人?」

「そうだ。私とカテリナ、そしてレン。そしてカテリナのお腹の中にいる子供のため、どうしてもやらなければならないんだ。分かるね」

「う・・・ん。わかっ、た。つまり、皆が幸せになれるんだよね?私、ここにいてもいいんだよね」

「当然だろ?カテリナの家、この家しかないんだ」

「そうだよね。うん。私、手伝う」

ぎゅっと私に抱きつくカテリナのせなかをさすりながら、何度も大丈夫だと声をかけてやった。



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