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ホーン目線 離縁まであと10日

これは・・・!?

礼状を皆様に贈り、やれやれと思っていたら、その後カテリナが熱を出し、その看病に追われていた。

その後は気分転換に夜会に参加し、満足し屋敷に帰り部屋に戻ると、机に封筒があった事を思い出した。

世間体と思い、1度カテリナと一緒にあの女の屋敷に行ったが、当然屋敷にあげては貰えなかった。

まあいい、形だけでも心配しているそぶりを見せればいい、と思っていたが、カテリナがそろそろ開けた方がいいんじゃない、催促され渋々開封した。

長引かせるために、というのも確かにそうだがとりあえず内容を確認するのはしておこうと、開けて愕然とした。

白い結婚での離縁要求。

封筒をあけ書類の見出しがそうだった。

どういう事だ!?白い結婚での離縁!?

「なに?どうしたの、ホーン」

隣りに座るカテリナがは私の側に寄ってきた。

いつもと同じ声に、いつもと同じ仕草なのに、今の私には不安の原因の一つだ、と即座に浮かんだ。

「サイモン!知っていたんだろう!?」

お茶を用意しているサイモンを怒鳴りつけた。

「何の事でしょうか?私は、離縁は聞きましたが、詳細はそちらの封筒に記載されております。開封をされていませんので、存じ上げる訳がありません」

「伯爵家に行っただろうが!!」

「門前払いされました」

サラサラと答えるサイモンのその落ち着いている様子に、確信した。

知っていたのだ!!

「お前、サインしたのか!?」

白い結婚の離縁に必要な召使いの3分の2のサイン。サインした時点で、それが何に使用されるか分かるはずだ。

「私はともかく、他の召使い達がサジタリー様の遣いで来た方と話をされていました。ほぼ全員の召使いが話しをしていたかと思います」

「何故報告せん!!」

「お伝えしましたよ。ですがご主人様は、奥様の粗探しをしに来ただけだ、放っておけ、と仰いました」

「そう思うだろうが!」

まさか、白い結婚の離縁だと思わない。

普通の離縁なら、お互いが話し合う場を持たれ、そこに審議者が入り、決裁していく為、期限などあってないようなもの。

だが白い結婚の離縁は違う。必要な書類が揃っている為、ひと月で決裁する。

それもあと10日後だ。

「ねえホーン、嫌です、言うんだよね」

はあ!?本当にバカな女だな!!

普通の離縁なら、男に非があったとしても、どうとでもなる。離縁の理由が多分に男の不義か暴力だ。そんなもの少し話し合えば、どうにかなるが、白い結婚の離縁は、そうもいかない。まだ、男が病弱や、異性に興味がないと言うのなら理解できるが、ここにカテリナがいる。それも妊娠している。不毛でも異性に興味がないなどという誤魔化しはきかない。

ましてや、証人として屋敷の召使いのサインがあるのだ。毎日を共に過ごし、屋敷で我々の様子を最も理解しているんだ。

だからこそ、白い結婚の離縁には、こちら側の意見など一切聞いてもらえないと聞く。

つまり、取り下げてもらうしかない。そうでなければ醜聞以外の何物でもない。正妻を蔑ろにしただけでなく、白い結婚だったなど体裁が悪い。

あの女に魅力が無かっだけを、あたかも、こちら側が悪いように言われる。

サジタリー様。

まさか、あの女にここまで気があったとは思いもよらなかった。

「ねえ、私は・・・大丈夫だよね・・・?」

不安そうに言うのカテリナの手を握った。

「勿論だ。カテリナ、レンを迎えに行こう。それで全て解決する」

「迎え?どうして迎えに行くの?」

カテリナが首を意味がわからないと傾げた。

一気に腸が煮えくり返る。

何言っているのだ!?

バカだと思っていたが、本気のバカだった。

お前は、愛人でしか存在しえない女なのだ。

存在意義を示すためには誰かに寄生するしかない、寄生虫なのだ。

名ばかりの貴族令嬢に産まれた、貧乏貴族の悲運な女、のカテリナ。

そのカテリナを、どのような形でも愛を貫く、高貴な貴族の幼なじみ。

それが、私だ。

その舞台を用意した事で、世間が私達の事を、素晴らしきシンデレラストーリーと絶賛し、私の事を理想の紳士、と褒め讃えた。

だが、それは、正妻あってこそだ。

正妻がなければ、誰が金もない、立場のない、見かけだけのバカな女を娶ると思っている。

それを幾度も説明したのに、どれだけ調教すればその腐った頭が理解するのだ。

私は怒りを抑えながら言った。

「迎えに行かなければ、お互い困るだろう!?」

どうしても言葉がきつくなった。

しかし、カテリナはそんな私の気持ちなど全く気が付かず、のんきに答えた。

「そう、かな?レンが居なくてもいいんじゃない?だって、ホーンもレンが好きじゃないじゃない。だったら、離縁してもいいんじゃない」

「馬鹿馬鹿しい。感情など必要ない。ザカリ侯爵家に見合う正妻が必要なのだ」

「・・・そう・・・なん、だ」

カテリナが驚き、何故だか泣きそうな顔になった。

「迎えに行くぞ」

カテリナの目に涙が浮かんできた。

「・・・わかった」

そんなカテリナを私は冷たく見下ろした。

もう、このバカ女と会話するのは時間の無駄だと思った。

「自分の部屋へ戻るんだ。私は忙しい」

「・・・うん」

弱々しく微笑みながら答えると、カテリナは自分の部屋へと戻って行った。

どいつもこいつも、女はなんとバカで使えない生き物なのだろう。

自分の立場を弁えろ!!

まあいい。

深呼吸する。

己の立場がわかっていない馬鹿な女共は、分かるまで調教するだけだ。覚えてろ、レン。お前の好きなようにさせない。


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