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ホーン目線

「あの後どうなったんだ?サジタリー様が奥方を連れて出ていっただろう?」

ウォンが興味津々で聞いてきた。

ウォンは同じ歳で伯爵家の次男だ。家同士の付き合いがあり、歳が近いお陰で仲良くしている。

私の誕生日パーティに参加し、事の成り行きを見ていたのだから、気になるのは仕方ないだろう。

この夜会に参加した時点で、質問される事は、重々承知だが、いい気分にはなれない。

「離縁の書類が来た」

苦々しい事をしてくれた。

「ほお。やはりか」

「やはり?」

ウォンの楽しそうな顔に眉を潜める。

離縁が解っていたのか?

「お前は学園が違ったからしらないだろうが、あの二人はかなり仲が良かった。皆、婚約すると思ってたぐらいだ。だが、サジタリー様の留学中お前との婚約が決まったから、誰もが正直驚いたくらいだ。だが、そう来たか。どうせカテリナの事で怒っているんだろう」

「恐らくな。それしかない」

「お前が急ぎすぎたんだ。それもカテリナが先に子を出来たとなっては、立場がないだろう」

「そうか?あの女に興味がないだけだ」

「勿体ない。いい女だと思うがな。顔も悪くないしいい身体持っているだろう?」

「プライドが高すぎるんだ。それに、好みの顔じゃない」

身体はともかく、あの目が気に入らん。少しでも可愛らしくすればいいものを、何もかもを達観したような態度で常に冷静な声に腹が立つ。

「それは仕方ないだろう。あの女は生真面目で洒落も通じん性格だったからな。それに、あの家からはかなりの融資を受けたんだろう?」

ウォンは肩を竦めながらワインを飲んだ。

「何を言う。金の代わりに侯爵夫人を手に入れたのだ。充分だろ。あの女は侯爵夫人としての我慢が足りないのだ。もう少し立場を考え振る舞えば良いものを」

「そうか?あの若さでよくやっていると思うがな。誰の名も間違えず、丁寧に接待してくれる。さて、それ程迄に嫌うとはな、勿体ないな」

ウォンが肩を竦め可笑しそうに笑う。

「だが、奥方の様子は見にいけよ。あまりに放っておくと、薄情な夫と見られ、世間体が悪くなるぞ」

「それは大丈夫だ。執事のサイモンに行かせたが、追い返されたそうだ」

「ふうん。だが、サジタリー様がシュルク家に幾度も入っているらしいぞ。お前いいように離縁を使われているのかもな」

「いい様に?」

「ああ、お前に蔑ろにされているのを聞いて、サジタリー様がそこにつけこみ、密かに秘めた想いをとうとう実らせた、とな。お涙頂戴のいい話しになるだろ。もしくは、奥方が家に篭っている間に孕ませてるかもな。それでお前の子供だ、と言い、サジタリー様のとの子を堂々と育てる。よく聞く話だろ?離縁の審議中に実家に帰り、初恋の男の子なんぞが心配して様子を見に来て、淡い恋心思い出す。禁断の恋こそ盛り上がりるものは無い」

「ああ、愚かな女の成れの果てたな。だがな、もしそうなら確実に私の子ではない。あの女とは最近やってない。つまり、孕んだらサジタリー様の子供だ」

と言うよりも一度も床を共にしたことが無い。

だが、なかなか興味深い内容だ。

「面白いな。なら、離縁の真偽を長引かせれば長引かせる程、ふたりは盛り上がるということか。つまり、確実な不義となる証拠な出来る。孕めば、私は王家の弱みを握れるのか」

「いいな。その時はおこぼれを貰おうかな」

「構わないよ。では、今はウォンからのおこぼれを貰おうか」

ぐいとワインを飲みテーブルに置いた。

「いいぜ。だが、いつもの召使いは辞めた」

「辞めた?何か失敗したのか?」

「まあ、失敗と言えば失敗か」

その言い方に、理解した。

「孕んだのか。堕胎剤を使えば良かったものを」

「前に使ったからもう嫌だとさ。育てたいから辞めると言い出したから、止める訳にはいかないだろう?」

「誰の子かもわからんのに?」

「本人がそれでいいと言うんだ。それに孕んだ女など役にたたない。これまで頑張ってくれたからね、最後の給金は弾んで上げたよ。産まれるまでは働かなくてもいいくらいはね。お前が1番楽しんでいただろ。もしかしたら、お前の子供かもな」

「よく言う。お前の子供なのかもな」

2人で大笑いした。

「ウォン様。遅くなりました」

声が聞こえ振り向くと、可愛らしい召使いがたっていた。

「どうだ、この子は」

「いや、問題ない」

「名前をジョーリーと言う」

「さすが私の好みを熟知しているな」

ジョーリーは私の側に来ると、私の膝の上に乗り、甘えるように首を傾げてきた。

「可愛らしい顔で、あまり胸がなく、だろう?」

ウォンの言葉を聞きながら、ジョーリーは口付けをしてきた。

口付けも、なかなかのものだ。

これは楽しめそうだ。

離れると、私の首に手を回し耳元で、早く2人きりになりたいです、ホーン様、と甘く囁いてきた。

「ああ、文句なしだ。じゃあ私はいつもの部屋で寛ぐよ」

ジョーリーの太ももを触り出すと、私にしか聞こえない女の甘い声を出しながら、濡れた瞳で誘ってくる。

「これからは、私を指名して下さい」

「それは、これから次第だな」

「もう、ホーン様たら。そんな意地悪言わないでください。私、頑張りますからぁ」

「何を頑張るんだ?」

「うふふ。色々です」

「それは楽しみだな。ではウォン。悪いが先に下がらせてもらうよ」

「ああ、また明日な」

「ああ、また明日」

そうして私はジョーリーと激しい夜を過ごした。


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