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後半 「政教分離」批判と選挙の在り方

質問者:

 よく、公明党と創価学会が「政教分離ができていない」という批判があるのですがそれについてはどうなんでしょうか?



筆者:

 まず、「憲法上の政教分離」と「宗教団体が支持している政党」というのを切り分けて考える必要があると思います。


 僕のエッセイの中で不評の「憲法・法律の勉強」になっちゃうんで、

 嫌な方は飛ばして欲しいんですけど(笑)。


 日本国憲法第20条では、

『1 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。』


 とあります。



質問者:

 「宗教団体が支持している政党」っていうのは20条違反じゃないんですか?



筆者:

 公明党結党前の1946年7月16日の衆議院の「帝国憲法改正案委員会」における、松沢兼人議員(日本社会党)の質問と金森徳次郎・国務大臣の答弁では、


 日本国憲法の草案が国会で議論された時点で、「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」の条文は、宗教者が政党を結成して政治参加することを禁じる意味ではないと確認されているんですね。


 その後も相次いで国会答弁で公明党は「政教分離に反しない」と言われているんです。



質問者:

 ふぅん……そう言われても、なんだか納得いかないんですけど。



筆者:

 これまで憲法第20条違反とされた最高裁判決を見ていきます。


 愛媛玉串料事件(最判平成9.4.2)。愛媛県知事が、靖国神社の例大祭や、県の護国神社の慰霊大祭に際して、「玉串料」と称して公金を支出したことが違憲に。


 砂川政教分離訴訟(最判平成22.1.20)北海道砂川市所有の土地上の建物についての無償提供行為が違憲とそれぞれなっています。


 2つに共通することは行為の目的が宗教的意義を持ち、

その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫となるような行為であるかどうか(目的効果基準)が大きく意味を持っています。



質問者:

 一般人からしたら、なぁんか違和感があるんですけど……。



筆者:

 国土交通大臣を10年以上独占して、建設会社と利権があるのではないか? 口利きをしているのではないか? と言われても仕方ありませんね。

また、公共施設、電車、道路などによって地価が上がることを“事前に察知”することが可能であることから転売も可能です。


 このようなことから「宗教に対する援助、助長、促進」と言われても仕方ない面はありますよね。



質問者:

 それなんですよ。そう言うことがあるんじゃないかと思っちゃうんですよ。



筆者:

 ただ憲法学上の「政教分離」は「国家と宗教」の分離であって、「政治と宗教」の分離ではないということです。

 ですから「宗教団体が支持する政党」は合憲なのです。


日本国憲法の精神が求める政教分離は、国家の宗教的中立性を要求しているのであって、宗教者の政治的中立を要求しているわけではありません。


 未だに公明党と創価学会について“違憲行為“とされた事件はないんです。



質問者:

 普通考えたら「国家=政治」「宗教団体が支援=宗教行為」って思っちゃいますけど、憲法学上は違うんですね……。



筆者:

 言い換えれば国家権力が、ある特定の宗教を擁護したり、国民に強制するようなことを禁じているのが「政教分離」原則です。


 宗教者を排することは憲法第14条で「法の下の平等」、第19条「思想および良心の自由」、第21条「集会・結社・表現の自由」、第22条第1項で「職業選択の自由」

などに反することになってしまうんですね。


信教の自由、言論の自由、結社の自由などが定められ、宗教団体からの政治献金などは非常に一般的な感覚には反するのですが“合憲”なんです。



質問者:

 「目的効果」や「強制」とかが線引きのラインなんですね。なんだか悔しい感じすらしますね……。



筆者:

 ただ、ちょっと注意したいのは「司法は政府に忖度する」ということです。

 最高裁判事13人は内閣総理大臣が任命するので司法すらも「政府のお仲間」である可能性が高いです。


 そして、政府の一員で長年存在している公明党に対して司法も「触れておかない」可能性も十分考えられます。


 実際に、「愛媛玉串料事件」と似たようなこととして、当時の小泉総理大臣が靖国神社に内閣総理大臣の名前で玉串料を奉納しても違憲判決は出なかったわけです。


このような一面も存在するのですが、国会答弁や判決で「違憲」ではない以上、

「公明党と創価学会は政教分離に違反している」という批判というのは残念ながら、一般的な感覚に反して「お門違いの批判」「勉強が足りない人」ということになってしまうのです。


 価値観が同じ方同士でしたら何を言い合っても良いですが、公的にはそういう扱いになってしまうことを留意しておく必要があります。



質問者:

 「忖度」って本当に何もかも歪めてしまって恐ろしいですね……。



筆者:

 飛ばして読んだ方はここら辺から読んで欲しいんですけど(笑)。


 ただ、日本国憲法の「政教分離の原則」に反しないとはいえど、同じ人物がずっと「名誉会長」に存在していたという事実や、


世間の認知度的に「創価学会=公明党」という認識を与えており、数百万人を動かし政治に多大な影響力を及ぼしているということは間違いなく言えると思います。


 また、組織性の関与は認められなかったものの

 違法ビラ事件(2007年)、コーヒーカップ裁判(2008年)など個人レベルでの“宗教特有と思われる事件”は起きています。

 

また、日蓮宗との裁判では平成3年から平成17年まで172件ありますが創価学会の勝率は僅か17%となっています。



質問者:

 へぇ、そんな事件もあったんですね。

というか、日蓮宗相手にはそんなにも負けていたんですね……。



筆者:

 詳しい内容はそれぞれ調べてくださいね。


また、世界において創価学会をセクト(カルト)と認定している国として、アメリカの一部の州、フランス、ドイツ、ベルギー、チリ、オーストリアなどがあります。


 フランスではセクト10項目を設け、いずれかに該当する組織を「新しい形の全体主義」とまで定義しています。


 日本においては反セクト法が無いために定義されることは無いので何とも言えないところでもあります。

ただ、公明党が与党にいる限り骨抜きにされない限り成立することはないだろうと思えます。


 世界では「少し強引な布教方法」が悪い評価に繋がっているようですね。


 このように総合的に判断すると“100%クリーンとは言い難い存在”とはいえると思います。



質問者:

 セクトと認定している国がそんなにあるだなんて知りませんでした……。



筆者:

 これも不都合な事実のためにあまり表に出て欲しくないのでしょうね。


 また、


『ここに謹んで御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方々および御関係の方々に対し衷心より哀悼の意を表します。

内閣総理大臣 岸田文雄』


 と、池田名誉会長が亡くなった際の岸田総理大臣のⅩ(旧Twitter)での投稿があるように、

 国会と司法の事実認定とは別に旧統一教会との癒着と大差はないと言われても仕方ない側面もあります。



※更にその後、岸田首相は創価学会本部に弔問まで行ったようです。



質問者:

 立憲民主党の泉代表も岸田首相と同様のコメントを残しているのはちょっと驚きましたけどね……。


 立憲民主党は創価学会と対立している立正佼成会からの支援があるそうじゃないですか?



筆者:

 あれほどの存在でしたから正面から敵に回したくないのだろうと思います。


 僕も内容については、おおよそ100%伝えていますが、ちょっと表現を控えていますからね(笑)。

 いつもより「事実を並べる」ことに専念しましたので、あとは皆さんのご感想にお任せします(笑)。


 僕は親戚にいるので、「彼らのやり方」を色々と見聞きしてきましたので「最大限の警戒」をしているということです。



質問者:

(だからいつもより歯切れが悪かったのか……)


 しかし、憲法の「政教分離」でないにしても宗教団体や大企業が今の選挙に多大な影響を与えている現状は問題だと思うんですけど、どういう選挙方法が理想的なのでしょうか?



筆者:

 前半でも申しました通り、まずは衆院を中選挙区制度に戻すことです。


また、「買収・収賄」と「無償での運動員」の両方を防ぐために。

リアルでの選挙活動を停止して、新聞での折込とネット選挙だけにしたほうが良いですね。

(どうせ選挙期間中の街宣は五月蠅いだけ)


選挙にお金がかからないようにすれば、志は高くてもお金の無い方も立候補しやすくなるでしょう。

そうすれば、宗教団体のみならず、あらゆる企業・団体、個人からの寄付行為そのものも全面禁止することもできるようになると思います。


基本的には議員の給与は生活する上では十分ですからね。


「選挙活動に無限にお金と時間・労力(どぶ板選挙など)がかかること」


が最大の問題だと思っています。

労力がかかることで政治家が政策の勉強をする時間がありませんので、事実上の官僚(主に財務省)の言いなりです。


 また、二世議員が圧倒的に有利な状況から政治団体相続や引継ぎ贈与のたびに課税する必要があると思いますね。

 相続税についてはその都度厳しくしているのに政治家は「抜け穴」があるだなんておかしいですから。



質問者:

 確かに、今の状況では政治家になりたい人でもお金がないとお話にならないですものね……。



筆者:

 残念ながら無名の人だと、党に入っていないとかなり厳しいのが現実です。


 しかし、一方で既得権益者は容易には自分の有利な状況を手放すことはないので、

 何かの拍子で政権交代をした際に国民が声を出して上記のような選挙改革をスルッと取り入れさせていくしかないですね。



質問者:

 いずれにせよ、すぐに良くなることは無いのですね……。



筆者:

 今国民に、できることは投票所に行き、問題のある政策に対して声を上げることです。

 すぐに結果が出るとは思えませんが、何もしなければ絶対に変わることは無いので、

 いずれ実を結ぶと信じて地道に発信するしかないですね。


 今の時点でも岸田首相は動く方向が間違っているとはいえ、声は届いていることは間違いないですからね。


 ということでここまでご覧いただきありがとうございました。

 今後もこのような時事問題、政治・経済、マスコミの問題などを独自の視点で解説していこうと思うのでどうぞよろしくお願いします。

※ 宗教そのものが悪いとは思いません。人々の心のよりどころになっている面もあるからです。

 ただ、その宗教組織を使って、不当に「お布施」という名の搾取したり意図的に政治に働きかけるということは問題だと感じております。


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