見守ってるよ
「え?ストーカー!?」
今日イチ…いや今月イチの特番組めるほどの大ニュースにウチは椅子から飛び上がる
周りに座ってたおっさんとかお姉さんが驚いた目でめっちゃジロジロ見てきて『マヂ恥ずっ!』て感じだったけど、今はそれどこじゃない。大親友の大大ピンチで大大大ニュース!
2年推してた韓国アイドルが実は5股してた時よりびっくりして、「はぇ…?」って変な声出ちゃって、またジロジロ見られる
そしたら菜々から
「ちょ、ちょっとさっちゃん!座りなよぉ!目立っちゃってるよ!!!」って言われちゃったからすぐ座るわけ、
笑顔の菜々も天使だけど、怒ってる菜々も可愛〜な〜!もう!
ウチが頼んだ期間限定の3種のベリーパンケーキと菜々が頼んだオレンジジュースが来てから話が戻る
(ちな、菜々はコーヒー飲めないんだよ〜!マヂ可愛くね?)
「んで?ウチの菜々にストーカーってどこの豚?」
「え、いや…その…勘違い?かも、だし…」
菜々ははぐらかすようにモゴモゴと話しているけど、手が小刻みに震えている…きっと怖いんだ。
ウチは菜々の口にパンケーキを突っ込んで目をのぞき込む
「いいから、話してみ?」
パンケーキを飲み込んだ後、菜々は少しづつ話してくれた
まず、最初の被害は3ヶ月前。視線を感じる程度だったそうだで、物が無くなるのはよくあったけど、だんだんハンカチとか下着とかが無くなっていくようになり恐怖を覚えたそうだ。
「は?何それ、許せな」
「私とさっちゃん学校違うから怖くて…」
ウチと菜々は幼稚園、小中と同じだったが、学力の差があり高校が違う。
「やっぱりストーカーかなぁ…」と身をこわばらせる菜々。
そんな…それ…それって…。
「な〜んだ!勘違いだよ、それ!」
「え…?」
も〜!菜々ってば鈍感!ま、そこも可愛いんだけど!
「だから〜!勘違いだよ!」
菜々のために説明してあげるウチ、優しくね?
「だって、菜々の学校と塾の行き帰りはウチが後ろから見守ってるし、」
「無くなってる下着は全部、穴あいててどーせ捨てちゃうやつだからウチが貰っておいた!」
「そんで、菜々は気づいてないけど…いじめられたり、変な虫が付かないように盗聴器でずっと聞いてるし〜!」
「大丈夫!ウチがずーっと見守ってたんだから!」
「菜々ってばどっかのアリの視線でも感じてたんじゃない?マヂ可愛い〜!」
あ〜、なんでかは知らないけどガタガタ震えて泣き出した菜々もマヂ天使だったな〜!