話し合いの行く末 【月夜譚No.180】
掲載日:2022/02/13
趣味嗜好が渋いが故に、友人からは〝お婆ちゃん〟と呼ばれることがある。それはあくまで遊びというか、巫山戯合いの範疇で、私も友人も解ってやっていることだ。
それなのに、どうしてこんな大事になってしまったのだろう。
こちらの事情を理解している私と友人の母親が向かい合って座り、困ったような微笑みを浮かべている。同席している私と友人も、どうしたものかと目配せをした。
唯一真剣な面持ちでいるのは、我ら二年一組の担任教師。両生徒の親を学校に呼び出した張本人である。彼女は生真面目に眼鏡をくいと持ち上げた。
こちらがいくら悪気もなければ嫌な思いもしていないと訴えているのに、この堅物教師は信じてくれないのだ。完全に苛めだと決めつけている。
私は溜め息を吐きたいのを堪えて、早く誤解が解けるのを待つことにした。これ以上は生徒側が何を言っても無駄なようなので、母親達に託すしかない。
この時は、まだ知らなかったのだ。この話し合いがとんでもない方向に転がっていくということを――。




