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第1話



 ロイたちのレベルあげを終えて玉座の間に戻ったルシフは、集まったラミリリスと竜王たちに「明日からアウグスト王国の北にいるという魔王について調べる。」と告げた。


「かしこまりました。」とみなが言う。


「と言っても話を聞きに行くだけのつもりだ。アレジアと一緒に行く。」


「わかりました!いつでも行けます!」


今回はアレジアを連れていくことにした。どこに魔王がいるのかわからないので、空から探すことも考えてのことだ。

もし戦闘になったとしても単純な火力ではアルジアが一番だ。北の地には火山もあるというし、同類がいるかもしれない。


「ラミリリスは今回も連絡役としてここに残ってくれ。他の者は万が一に備え、島の警戒を強化してくれ。場合によっては転移を使って誰かを連れにくる可能性もあると思ってくれ。」


「かしこまりました。お任せください。」


「ガレアス、今日あったことをみんなに話しておいてくれ。それではアルジア、行こうか。」



 そのままルシフはテレジアを連れ、キングバジリスクのクロードと遭遇した場所に転移する。


「魔王の居場所はここからさらに北にあるはずだが、おおまかな場所すらわからん。とりあえず暗いうちに空から眺めてみよう。」


 日が昇ってからだとまたドラゴンが現れたと大騒ぎになる可能性がある。まぁ人目にはつかなくともクロードが文句を言うかもしれないが気にしない。


「わかりました!では、乗ってください!」


 アルジアがそう言いながら竜化する。ルシフも飛行魔法は使えるのだが、アルジアに乗った方が速い。

 ルシフがアルジアの背に飛び上がると、アルジアは羽を動かし地面を蹴った。浮き上がったアルジアはそのまま上昇し、地上を索敵できるくらいの速度で北を目指す。


 そこからしばらくは森が続き小さい村があったりした。森がとぎれるとその先は荒れた大地が広がっていた。

 木や短い草もところどころに生えているものの、大きな岩がそこかしこに転がっており、草の生えていない部分の地面はひび割れている。

 おそらくここからが北の地と呼ばれる魔王の領域なのだろう。


 枯れた大地にもモンスターは存在しているようで、小型の獣型のモンスターが生活しているようだ。

 そこから少し進むと小鬼や鬼豚の集落のようなものがあちこちにあった。いったいどこで食料を調達しているのだろうか。

 そこまで進むと遠目に火山が見えてきて、その少し手前に三つ小さい岩山があり、囲まれるように崩れた小さな城が建っていた。


「魔王とやらがいるのならあの城かもしれないな。空も明るくなってきたし、ここからは歩いて行くとしよう。」


「はい!わかりました!」


 すでに人などいないだろうが、喧嘩を売りに来たわけではないので一応気をつかう。クロードのような存在だっているかもしれない。

 居たとしても何か話を聞けるかもしれないのでルシフとしては歓迎するつもりだが。


「乗りたくなったらいつでも言って下さい!」


 とアルジアが言っている。


 結局日が高くなる前にかつては城だっただろう建物についたが、ルシフ達を襲ってくるモンスターや話しかけてくる者はいなかった。


「ほんとに魔王というものがいるか怪しくなってきたな。簡単に着いてしまったぞ。」


「そうですね…なにかイベントがあるかもって期待してたんですけど。」


 アルジアは若干ガッカリしている。戦いたかったのだろう。


「まだ諦めるのは早いぞ、アルジア。入ってみるとしよう。」


 そう言って二人は壊れた門を潜り抜け、そのまま城の中に入って行った。


 建物の中は外から見るよりも崩れており、どうやらかなり古い建物らしくだいぶ風化してきているようだ。

 ただ最奥の間に行くまでの廊下には障害物がなく、すんなりとたどり着くことができた。

 辛うじて残っている隙間だらけの扉を開けると、そこには年老いた老人が部屋の真ん中で立っていた。


「よくお越しくださいました。大魔王ルシフ・ダークネス様。」


 その老人はルシフのことを知っているようだった。


「ああ、どこかで会ったか?」


「いえ。しかし2000年前を生きていたもので大魔王様の名を知らぬ者はおりません。」


 どうやらこの老人は2000年前を知る者のようだ。


「2000年前を知っているのか?確かに存在感はあるが、ただの人のように見えるが。」


「はい。儂の名はケルヴィン。かつて大賢者としてこの世界に創られた100レベルNPC、不老の薬を飲んだ身でございます。」


 たしかに存在感は大きいが威圧感がないと思っていたら、おそらくステータスは大したことないが固有の特殊スキルを持っているタイプなのだろう。


「なるほど。人の街でこの地に魔王を名乗る者がいると聞いてきたのだが、説明してもらえるか?」


 ルシフがそう聞くと、「もちろんでございます。」と大賢者ケルヴィンは言って話し出した。





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