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第10話



「い、今のはいったい…」


 巨大な蛇が森に消えていくのを眺めながら呆然とするロイ達にやっと思考が戻ってきたようだ。


「この石化した地面や木…あの圧倒的な威圧感は、バジリスクの最上位種じゃ…」


「そういうことだな。まさか会えるとは思わなかった。」


「あ、会いたかったんですか!?」


 涙目のニーナが衝撃を受けたように叫ぶ。


「あの、僕らには話の内容はいまいちよくわかりませんでしたが、なんとなく、ルシフさんたちがあのバジリスクと同じような存在だという意味に聞こえたんですけど…」


 若干不安そうにロイがそう聞いてきた。


「あぁ、俺たちも同じくらい強いぞ。」


「す、すげー…。」


 ウィルが尊敬の眼差しでこちらを見ている。


 おそらくクロードも100レベルかそれに近い存在だろう。正直戦ってみたかったが、それはロイ達には言わない方がいいだろう。

 情報も手に入れた。何よりボスが復活できるというのは有益な情報だった。


 これで竜王やラミリリスがもし消滅したとしても、闇の島で再び復活させることができるというのがほぼ確定した。

 ただし、ルシフはそれが自分には当てはまらないだろうと予測している。


 闇の島の仕組みは普通のダンジョンとは少し異なっていた。それはおそらく最終ダンジョンという役割のせいだったのだろう。

 クロードはダンジョンの魔力によって復活すると言っていたが、闇の島ではルシフの魔力により、ルシフの唯一使える回復魔法【完全蘇生】によって竜王たちを復活させていた。

 ルシフさえ生きていれば何度でも蘇るが、逆にルシフが死んでしまえばそれまでだ。

 それがプレイヤーたちに何度も攻略されることを前提としたダンジョンと、一度クリアされたら終わりである最終ダンジョンの違いなのだろうとルシフは考える。



「とりあえず、ここにもう用はない。街に戻るぞ。」


 そういって帰路についた五人だったが、ロイたち三人が異常に疲れている様子だったので、蛇のモンスターの出る地をぬけて少し歩いたところで、早めに腰を落ち着けることにした。

 ルシフはさりげなく昨日の隠れウサギの気配を探していたが、今日は見つけることはできなかったため、襲ってきた森狼の肉を食べることになった。


 昨夜と同じように焚火を囲み、ニーナの味付けした森狼の肉を焼肉にして食べる。

 昨日のスープほどの感動はなかったが、これもいけるなと思いながらルシフは大きめに切ってある二切れ目の肉に手をだしたのだった。



 その晩も前回と同じようにルシフとガレアスが火の番を担当し、よく朝にはロイたち三人は元気さを取り戻していた。

 ルシフは三人に周辺の国の様子や噂などを聞き、逆に元気になった三人はどうやったら強くなれるのかなど質問を返してきた。

 話しながらであっても順調に歩は進み、夕方に街に帰り着いた。


 アイテムボックスについては、故意に広められていない可能性なども考慮し、ロイたちに人前では使わないように注意しておいた。

 三人は背嚢を背負い、ものを出し入れするときは背嚢から出し入れしているように見えるようにすると言った。

 クロードについても話す必要はないと言い含める。


 すでに門は解放されていたようで、閉門の時間に間に合ったらしく初めて大門から街に入った。

 そこには衛士長が立っており、「そろそろ帰ってくる頃だと思っていた。」と言って検閲をせずにそのまま五人を通してくれた。

 短期間で完全にルシフたちに懐いてしまったように見えるロイたちを軽く眺めた衛士長は、「まだ冒険者ギルドに行く元気はあるか?」と聞いてきた。


「問題ない。依頼達成の報告をしに行くとしよう。」




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