楽園
掲載日:2019/02/15
昇る階段は遥か先。
見上げても見上げても、行きたい先は遠のいていく。
景色は一筆で描かれて、雑な未来が手に渡される。
踏み外す階段は踵の先。
腕をはためかせても、鳥に生まれ変わらない。
明るい声には、大袈裟なほどの幸せの種が与えられる。
僕の見たことのない目覚めが此処彼処に乱れ咲く。
それでいいんだね。そんなことでいいんだね。
幸せの種は、見えない机の下で手を繋ぐ。
明るい顔と明るい顔が蕩け合い、僕の目覚めに狂いが生じる。
そんな話しでいいんだね。そんな目配せでいいんだね。
昇る階段は、色白の砂丘には辿り着けない。
踏み外す階段の上で、僕の幸せの種は大地を探す。
見渡せば、みんなの楽園が咲き誇る。
思い出の、あいつとあの子が素知らぬ顔で、手を繋ぐ。
だけど、昇る階段は遥か先。踏み外すなら案の定。
楽園の中心で、僕の幸せの種は腐りだす。
階段の上と下で、行き先は変化する。
僕は手を繋ぎたいけど、暇がない。
腕をはためかせても、綺麗な鳥には生まれ変わらない。
僕がいないと、みんなの楽園は始まらない。




