俺と勝負してみませんか?
時は現代、平和な日本の何処の都道府県にも在りそうな普通の公園で全裸の男が楽しそうに何度も跳んでいた。
「それで私に、あの変態を認めさせてくれるって本当なの?」
「ええ、本当で御座います、先ずは此の眼鏡を掛けて下さい。」
貴方は眼鏡を掛けた。
「あれ?全裸の男の子が無邪気に跳んでいる姿が見えるのだけど?」
「ええ、貴方が嫌悪しない外見に見える眼鏡で御座います、どうでしょう純真無垢な心の輝きは、人は顔では在りません、心こそが重要で在ります、あの全裸の男性は心だけ見ると純粋に楽しんで跳んでいる事が解るでしょう?」
貴方は眼鏡を外すと、眉間を右手で揉んでから顔を上げた。
「いやいや、心が純粋って綺麗な言葉を使っても、現実を見ると子供の心を持った大人が裸で跳んでいるという、、、変態じゃないか?」
「ふ~む、その変態と言うのが私からすれば色眼鏡で御座いますが、その眼鏡に桃色のボタンが付いているのが解りますか?」
「在るね。」
「そのボタンを押して頂いて眼鏡を掛けて下さい。」
貴方は眼鏡を掛けた。
「そう来たか、、、全裸の美女が光輝いて楽しそうに跳んでいる、、、」
「ええ、美女が全裸で楽しく跳んでいる姿は当に芸術!!その芸術を支えている根幹の部分は全裸で跳ぶ状況を楽しいと感じる精神性です!!」
貴方は眼鏡を外すと、呆れた様な表情を浮かべた。
「普通の男共は此処でコロリと騙されてしまうのでしょうが、私には通用しません、良いですか?女性の美しさと言うのは精神性で在り、美しい女性とは決して全裸で公園で跳ぶという事はしないのです。」
「そうですか、、、眼鏡には青いボタンが在りまして、そのボタンを押していただくと貴方の一番好きな人物が裸で跳んでる姿が見えるのですが、、、」
貴方は眼鏡の青いボタンを押すと素早く眼鏡を掛けた。
「美しいぃ~~♪やはり同じ裸でも誰が跳んでいるかは重要だよぉ~~♪」
暫く時間が過ぎる。
「この眼鏡は、、、」
「ええ、記念に差し上げますよ、如何です、あの全裸で跳んでいる男性を認める気持ちは湧いて来ましたか?」
「有難く眼鏡は貰うよ♪まだ認める事はできないね。」
「そうですか、貴方にも子供の頃は全裸で無邪気に跳んで楽しかった時期が在るかと思いましたが、大人に成ると何時の間に子供の頃の純粋さを失ってしまうのでしょうか?」
「いやいや、普通の大人は恥ずかしくて全裸で跳ぶことは無いと思うぞ。」
●
「そうですか、では此処からの彼が全裸で跳んでいる深い理由を話さなければ成りませんね。」
「えっ?全裸で跳ぶのに深い理由は無いでしょう?」
「全裸で跳んでいる彼は異世界の王子なのです、彼の世界の法則術は此の世界の科学を遥かに超えていました。王子様は上を目指し続けました、女性に振られた夜に振った女性を救うために、女性に迫り来る炎を自分の身で受けて庇いました、
王子の通う学舎の全ての女性に振られても、学舎の女性の権利を確立する為に王子として使える予算を全て使いました、その事に因って王子は王の継承権争いから脱落しました。」
「王子のなのに女性に振られ過ぎじゃない?」
「くっ、何という事を、、、貴方は解りますか?変態と女性に罵られながら笑顔を浮かべる王子の気持ちを。」
「いやぁ~~変態と罵られた奴が笑顔を浮かべていたら、、、気持ち悪いだろ。」
「ぐっはぁぁぁぁ~~王子ぃぃぃ私の助言が間違っていたというのかぁぁぁ!!」
「執事さん?そんなに落ち込まないでよ。」
「そうですね、私はこう見えても執事でした、元の世界で結婚相手が見つからなかった私と王子は新たな女性との出会いを求めて此の世界に降り立ちました全裸で、、、其処からは苦労の連続で御座いました、通じない言葉、相変わらず女性に振られ続ける毎日。」
「うんうん、辛かったね。」
「ああ、貴方は善い方だ、一つ私達の秘密を明かしましょう、法則術は此の世界では全裸で無いと何故か使えないのです、しかも精神状態を本当に楽しい気分にしないと発動しないという縛りつき。」
「ああ、それで、、、」
「ええ、ですからーー今王子が全裸で跳んで楽しんでいる状態を何時間か続けなくては成らないのです、ですから電話で警察に通報されるのは非常に困るんです、今夜さえ全裸でいられたのなら異世界に帰る事ができると思うんです。」
「う~ん、でもやはり全裸は変態だと思うんだよねぇ~~♪」
「ええ、もはや此処まで、、、」
「でも私は眼鏡を貰ったし全裸王子を認めるよ、本当に涙ぐましい努力だよねぇ~~全裸で楽しまなくちゃいけないなんて。」
「いえ、王子は純粋な方なので素ですよ?」
「え?」
「え?」
●終わり。
王子達が異世界に帰れるかは貴方しだいだ。
貴方は公園で全裸の男性が楽しく跳んでいる事を認められたか?
俺が全裸の男を認めさせる事が出来たら俺の勝ち、というのを憶えているだろうか?
ふふふっ、書いていなかったが俺が勝ったのならポイントをポチポチ押して評価してほしいと思う、
それで俺は勝った事を確信できるのだ。
ポイントが付かなければ俺の負けだ、読者を説得する事が出来ず、王子達はこの世界に留まる事に成るだろう。
そう貴方の善意しだいなのだ、フハハハハハハハ!!