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2 ステータス

本日2話め。

読んで頂きありがとうございます<(_ _)>

 クリスは立ち上がった。


 体に付いた土などを払い、剣を取ると町へと歩みを進めながら、今の現状を考える。

 ステータスを知りたいのだが、画面の前にいるわけではないので、選べるボタンなどもない。

 と思ったら、頭のどこかに浮かぶ文字たち。だが、ぼやっとしているので、ステータスオープンと呟くべきかと思いながら、立ち止まり目を瞑るとはっきり見える。


~~~~~~~~~~

ステータス

クリス(18歳)

Lv.1

職業:冒険者

HP 100/100

MP 70/100

スキル:鑑定Lv.1 、地図Lv.1 、異空間収納Lv.1

職業スキル:剣士Lv.1 薬師Lv.1 全魔法Lv.1 新new-投影Lv.1 

所持金10万キリ

~~~~~~~~~~

  

 目に入るのはレベル1……。


 自分がなぜゲームの世界にいるのかは分からないが、最初の記憶がまさかのゴブリンとの出会いで始まっていたから、期待はできないかもと思ったが、やはりというか、Lv.1になっていたことにクリスはがっかりする。


 ゲームの中で確かLv.50には届いていた。

 それが最初に戻っている。所持金なども全てだ。年齢は当時18歳だったからそれが反映されたのか……。黄プリの世界では確か17歳が成人だし成人は超えているのなら、別に構わないかなとクリスは思った。


 クリスと言う名前は元の名前聖からとった。クリスは男女どちらでも使えるし、クリスチャン由来だと聞いたことがあった。


 新スキルらしき投影はゴブリン退治のおまけだろう。あれでスキルゲットとか認めたくないが……。

 MPはメンタルパワーを表すから、さっきのでメンタルをガリガリ削られたな……。本当はマジックポイントの略なのだが、適当なクリスは勘違いのまま一人で納得し頷く。精神削られて100から70になったのだと。


 ヒットポイントが100のままなのは、石投げはカウントされなかったのか、唖然としている間に回復したかのどちらかだろうと推測した。

 どちらにしろ、町へ向かおうとした行動はクリスにしては、いい決断だったと言えよう。今のレベルが1しかないのに、Lv.2以上の魔物に当たりたくはない。ここの辺りならLv.3までの魔物しか見かけないとはいえ、ポーションなども持ってはいないのだから。


 城門が見えて来てホッとして、そこで気づく剣のレベル。

 あれ? この剣、Lv.1の剣には見えなくね?、と。


 ゲーム内で初めて支給されるのは青銅剣だ。着ている衣装や防具は初期の物なのに、剣だけなぜか立派すぎる。

 手になじむその剣を【鑑定】してみる。


~~~~~~~~~~


【鑑定】

 炎焔剣:火魔法を伴った細身のロングソード。柄にはフェニックス模様。自身のレベルが50以上の時、最上級炎魔法を扱うことができるようにサポート機能付き。1周年ガチャ特典として運が良ければフェニックスが生まれることもある。

~~~~~~~~~~


 おおおおおおお! レアアイテムじゃね?

 思い出した!

 これは課金して買ったガチャで出た剣だ! 


 鑑定がLv.1 だからか、見えるステータスも完全ではない。この剣を持つことで攻撃力や防御力などに追加されているはずのプラスの数字も見えずに、気づかなかったらしい。鑑定スキルをいとも容易く使えることには何の疑問も抱かない彼女は急ぎ、異空間収納を開けて持ち物を確認する。


~~~~~~~~~~

【異空間収納】

 青銅剣、部屋着三セット、黄百合2階建てログハウス、戦闘用甘ロリドレス一式、

 所持金(銀貨8枚、大銅貨20枚)

~~~~~~~~~~


「……やっぱり」


 どうやら、初期付与アイテムと課金して買ったものだけは、あるらしい。


――つまり、無料でもらったりイベントで獲得したものは、何も残っていない。


 何千点とあったアイテムや服なども全てない。

 作り置きしてあった料理からポーションなど必要物質などもそうだ。

 買うと言っても、課金はガチャのみだったから、ランダムで何が出るか分からないこともあり、あまり課金しなかった。イベント時の超お得有料ガチャ三回のみ。


 毎日ログインしてチマチマとゲームを楽しめば無料でもらえるアイテムが多かったこともあったし、何より、課金三つ目に甘ロリドレスが出たことで、ガチャ運のなさに気づいた。三百円という課金で欲しいっ! と思う戦闘服が10点中9点もあれば、課金してもいいなと思わされた。なのに、出たのは唯一着ない、着れないと思ったフリフリの甘ロリドレス一式。聖の目にはキャラに似合わな過ぎた。

 一応、着せてはみた。可愛いものは嫌いじゃないから。

 でも、たぶん甘ロリだけどコルセットが全面に出ているデザインは、ぼんきゅぼんっの女性用だったようだ。短髪のキャラ、クリスにはくそ似合わなかった。

 ロリーターデザインのくせにっと精神的に追い込まれ、課金する意欲が失せる契機となったのだった。


 だけど、こんなことなら、もっと課金すれば良かったと(さと)ことクリスは思う。剣もログハウスも特別価格、ドーン! 三百円也~! なのに、この世界の価値では魔法剣は確か10,000,000キリ、ログハウスは80,000,000キリだったはず。外れの甘ロリドレス一式はなんとレア剣よりお高い五千万キリ!

 三百円で、たったの三百円で家やレア剣、ドレス一式だよ? 


「ぬぉおおおおお! わが前人生、不覚ばかり!」


 叫んでいた。

 まさか、黄プリの世界に来るとは思いもしなかったし、聖は他のゲームもしていた。記憶が確かなら最後にしていたのはこの黄プリも含めて三つのゲーム。黄プリはイケメンたちを攻略しないようにのんびりと採集や簡単なバトルとたま~にもらえるイケメンスチルを眺めてはニマニマ。攻略はどこ行った?状態だった。黄プリのスチル作家が聖が好きなイラストレーターの絵だったこともあった。

 だが、一番頻繁にしていたのは、黒猫のゲームだったのになぁ。黒猫の世界に移転していたら、もふり放題だっただろうか? と地球に帰る方法を模索せずに斜め下方向で考えるクリス。……彼女は良くも悪くもマイペースで能天気だった。


 ここが黄プリの世界だってこと確定。頑張って獲得した物もスキルもなくなっているけど、転生お約束のチート能力さえないようだけど、最初の出会いがゴブリンだったけど、取り乱してない自分を褒め称えたい。誰も褒めてくれないからもう自分で褒めてるだけ、だけど。


 クリスは自画自賛しながら、持ち物の中にログハウスがあったことで希望を見出し、門へと止まっていた足を踏み出した。

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