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とーよーのSFシリーズ

【分別所】

作者: とーよー

ココは…

リサイクルセンター。


1人の男が…

分別をしている。



「コレは燃えない。燃えるゴミ…燃えない。燃えない。燃えるゴミ…」


男は手慣れた様子で分別している。胸に輝く金ピカバッジがカッチョイー。


昔は燃えるか、燃えないか、その2通りで良かったものが…。


「プラスチックに…あきかん…ビニール…ペットボトル…」と、この御時世、非常にケッコー複雑です。


「コレは燃え…(…る―と、言おうとしたが、紙に付いてる付属のアルミを見て…)…ない」(…に変えた)


そう言うと男は、そのアルミ付きペーパーからアルミを取り外す作業をするため1度ソレを足元に置き、ソレが何かと見てみると、ソレはカレンダーだった。



西暦…3612年…



「古っ!」



男は20年以上も前のカレンダーをなんとなくふんずけてみた。


そして、ふんずけながらも両手は休まず、ちゃーんと分別しています。

さすがはベテラン分別師。金ピカバッジがカッチョイイ!


「コレはアルミで…コレは鉄…ダイヤモンドに…金…と…銀…」


昔はこんな物が高く売れたというのだから大笑いである。


今では小学生のランドセルもほとんどが金で、ごく少数が銀やダイヤだが、それだとビンボーだとバカにされ、イジメに繋がるからと、市役所に相談すれば、金のランドセル等すぐに貰える。


そして、すぐに貰える物に等なんの価値も無く、僕に分別されちまう。


まぁ…金や銀ならまだいいが、コイツはちょっとメンドクセーと、持ち上げたのは人の生首。


「えぇーっと……目玉は燃えるで、髪の毛燃えるで……お!歯もちゃんと抜いてあるな」


ドン!―と男は【燃える】の箱に首を入れ「…つぎは…」―と言って、血だらけの両手を両手で取った。


「………爪ヨシ!」


男は10本の指、全てのツメが剥がれているのを、確認し、それも、燃えるの箱に入れ、さらに…。


「・・・・」ドン!


2本の足も同じ様に入れ、胴体だけは「こりゃいかん!」と、ブチッ!と腹についた大きなピアスを引き抜いて、ドン!と箱に入れました。


それぞれが、ある程度箱いっぱいになると(ウィーーン)とハイテクな機械が現れ(ガシャン!)とハイテクな交換が行われる。


そして、もう、この分別所自体がすでにハイテクなのはいうまでも無いのだけれど、その男だけは、なぜか、手動でガンバッテいる所を急に後からバッドで頭を打ち砕かれ、それでもか!それでもか!―というくらい更に男は打ち砕かれ、最後はバラバラになってしまった…。


バッドを持った男は打ち砕いたばかりの男を1つ1つ箱に入れ、綺麗に分別し始めた。


そして…120年後…


その男は同じ場所で分別をしていた。


あれから120年間、休む事なく分別をし続けていた。


だから

気付かなかった…。


木の影から見ている男の存在に…。


その男の胸にはカッチョイー金ピカバッジが付けられており、ヘソには大きなピアスがあった。


さらに、

体のアチコチは銀や金で出来ており、今まさに!その男が振り上げた鉄のバッドの至る所に、固いダイヤが散りばめられており、もはや、120年もの間ぶっつっけで働き続けた男に勝機はなく…7回目の復習を祈り、新しく再生される自分を待つしか無かった。



ココは…

リサイクルセンター。


1人の男が…

分別をしている。



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