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悪役令嬢、今日も辺境でキャンプ防衛 ― 焚き火の火は消さないけれど、戦意はよく消える ―  作者: 南蛇井


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57/58

Scene 57:煙の向こうに、同じ空

王都の広場にも、辺境の森にも、

ゆらゆらと白い煙が立ちのぼっていた。


それは戦の狼煙ではない。

人々が囲み、語り、笑い合う――“平和の焚き火”の煙。


風がゆるやかに流れ、二つの煙が空の高みでひとつに混ざる。

どこからが王国で、どこまでが森なのか。

もう、誰にもわからない。


エリザベートは焚き火を見つめながら、静かに微笑んだ。


「火を消さなかった。それだけで、もう十分。」


同じ頃、王都の塔の上でリゼットが夜空を見上げる。

遠くに、かすかに光る煙の帯。

彼女はそっと呟いた。


「……焚き火の煙って、国境を越えるんですね。」


風がその言葉を運び、森へと届く。

まるで空そのものが、焚き火の香りに染まったかのように。




焚き火が照らしたのは、国境ではなく“心の距離”だった。

剣で築けぬ平和を、ひとつの火が作り出す。


――こうして、歴史上初の「焚き火外交」が成立した。

そしてその夜もまた、誰かが笑いながら、マシュマロを焦がしていた。



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