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悪役令嬢、今日も辺境でキャンプ防衛 ― 焚き火の火は消さないけれど、戦意はよく消える ―  作者: 南蛇井


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53/58

Scene 53:特使派遣 ――「初手・雑炊外交」

王国特使リゼット・フロレンツ。

眼鏡の奥の瞳は真剣そのもの、手には分厚い外交文書。

彼女の任務は――

「辺境の焚き火勢力との“共同生活協定”を正式に締結すること」。


つまり、戦後初の平和交渉。

……のはずだった。


森の入り口。

朝の霧を抜けた瞬間、ふわりと香草とスープの香りが鼻をくすぐる。


リゼット:「……っ、この香り、士気を削ぐ!」

書記官:「で、ですが、美味しそうです……」


次の瞬間――靴のかかとに、もふっとした衝撃。


マルシュ(ウサギ):「もぎゅっ(靴ヒモうま)」

リゼット:「ひゃっ!? し、しっ――しゅ、主敵!? いえ、ウサギ!?!」


全身が硬直。

そのとき、焚き火の向こうから穏やかな声。


エリザベート:「うんうん、森の関税チェックね。靴ヒモ一本。」

リゼット:「そ、それ、課税なんですか!?」


エリザベートは微笑みながら木のスプーンを差し出す。


「まあまあ。お昼、雑炊でいい?」


リゼットは外交書類を握りしめたまま固まる。


「(ま、まずい……まだ名乗ってもいないのに……もう“昼食交渉”が始まっている……!)」


ウサギはリゼットのスカートに頭を押し付け、焚き火がぱちりと弾ける。

その音が、まるで――「ようこそ」と言っているようだった。

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