表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢、今日も辺境でキャンプ防衛 ― 焚き火の火は消さないけれど、戦意はよく消える ―  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/58

Scene 39:焚き火の夜、覚醒

森の夜は静かだった。

空には星、地には火。

人々は輪になり、焚き火を囲んで“瞑想会”をしていた。


炎の明滅に合わせて、呼吸を整える。

誰も言葉を発しない。

ただ、火の音が会話の代わり。


ぱち、ぱち、ふう――


そのリズムに、リリィの肩の力が抜けていく。

王立学院で鍛えた完璧な姿勢も、今はどこか柔らかい。


リリィ:「……魔力制御でも、精神集中でもない……

 これ、ただ“落ち着く”だけ……?」

学者:「それが、キャンプ魔術の第一歩です。」


焚き火の炎が、リリィの瞳にゆらめく。

その赤と金が、まるで“理解の光”のようだった。


リリィ:「……魔法は理屈じゃない。……あたたかい。」

エリザベート:「ようこそ。ここが“火の中間地点”ですよ。」


風が吹く。

木々がざわめく。

火の粉が、まるで星屑のように夜空に散った。


その瞬間、マルシュ(ウサギ)がふらりと近づき、

当然のようにリリィの膝に乗る。


リリィ:「あ、ちょ、ちょっと……重……でも、あったか……」


マルシュは満足げに丸くなり、すぐに寝息を立てた。

リリィはそれを見つめながら、そっと微笑む。


リリィ:「……こんなに穏やかな“覚醒”があるなんて。」


誰も拍手をしなかった。

けれど焚き火が、ひときわ明るく燃えた。


それがこの夜――

“焚き火魔術の覚醒者”がまた一人、生まれた瞬間だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ