Scene 25:防衛線、完成(ゆるくて強い)
夕暮れ、森の奥。
木々の間を渡る風は、まるでハーブの香りを運ぶように優しかった。
鳥は歌い、リスは毛づくろいをし、
ウサギのマルシュは、丸くなって昼寝中。
その中心で――
エリザベートたちが焚き火を囲んでいた。
放浪学者:「……これは、歴史的発見だな。
敵の士気を“ゼロ”にする最強の戦略。」
騎士:「いや、これはもう……“安らぎ兵器”だ。」
料理人:「飯と香りで防衛完了、ってわけですね。」
火の粉が舞うたび、森が少しずつ光を増していく。
それは炎というより――安らぎそのもの。
エリザベート:「火は争わない。ただ、温めるだけ。」
その言葉に、誰もがうなずいた。
防衛線とは、剣を構えることではない。
心をほぐすこと。
焚き火を絶やさないこと。
だから、この森には誰も踏み込めない。
理由は簡単――気持ちよすぎるから。
やがて夜風が吹き、焚き火がやさしく揺れた。
騎士:「虫は寄らず、争いも寄らず。」
エリザベート:「完璧だな。」
みんな笑いながら、寝袋にくるまる。
森の守りは万全。
誰も戦わず、誰も傷つかない。
ただ、“いい眠り”が国境を守っていた。
章ラストナレーション
森は静かに息づいていた。
鳥が歌い、風が笑い、焚き火が囁く。
――そのすべてが、「防衛」の形だった。
そして今日も、森の防衛線では、
みんなで昼寝が行われている。




