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悪役令嬢、今日も辺境でキャンプ防衛 ― 焚き火の火は消さないけれど、戦意はよく消える ―  作者: 南蛇井


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23/58

Scene 23:森の“平和汚染”

結界発動から三日後。

 辺境の森は静かに、だが確実に拡大していた。


 原因は“自然班”の予想外の成果――というか、

 精霊たちの気まぐれによる副作用。


精霊信仰者:「……あれ? 結界、呼吸してる?」

元庭師:「あぁ、森が勝手に伸びてますね。いい風です。」

エリザベート:「いや、いい風じゃなくて、これ……村まで届いてるんじゃ?」


 そのころ、森のふもとの小村にて。


村人A:「なぁ……なんか空気、やたらうまくないか?」

村人B:「うん。あと、やけに眠い。畑よりハンモック優先だな。」

村人C:「仕事? ……まぁ、明日でいいか。」


 村の広場では、全員が昼下がりのまどろみモード。

 羊も鶏も、まさかの“昼寝シフト制”。


 さらに奇妙な現象が起こり始める。


・焚き火の火が、誰も触っていないのに自動で最適温度を維持。

・鍋のスープが、冷めないどころか適温をキープ。

・鳥や小動物が、人間のひざの上で勝手にうたた寝開始。


 そして極めつけは――


村人D:「……うちの犬、焚き火の前で“哲学的な顔”してるんだけど。」

村人B:「森に入ったら、みんな“悟り”そうなんだよな……」


 やがて、旅の商人が王都に戻り、こう報告した。


「辺境の森、危険です! 入ったら最後……!」

宰相:「やはり戦か!?」

商人:「いえ……平和が……濃すぎます!」


ナレーション:


「森の結界は、戦を止めることも、心を止めることもできた。

それは“防衛”というより――

世界をゆっくり昼寝させる魔法だった。」

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