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悪役令嬢、今日も辺境でキャンプ防衛 ― 焚き火の火は消さないけれど、戦意はよく消える ―  作者: 南蛇井


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22/58

Scene 22:敵偵察隊、侵入(第一次ピクニック事件)

王都発・第七偵察部隊。

 精鋭中の精鋭、昼食抜きで出発。

 任務はただひとつ――「辺境の不審な森を徹底調査せよ」。


隊長:「いいか、前回の連中みたいにスープで買収されるな! 今回は絶対に油断するな!」

兵士たち:「了解ッ!」


 気合は十分。

 だが、それが通用するのは森の外までだった。


 境界線を一歩、越えた瞬間。


 ふわぁ――っと、やわらかな風。

 ハーブと木漏れ日が混ざったような、心の奥を撫でる香り。


「……あれ? なんか、いい匂い……」

「これ……ラベンダー? いや、セージ……?」

「隊長、なんか……気分が……」


 隊長は歯を食いしばり、叫ぶ。


「だ、騙されるな! これは敵の幻惑系魔法――っ!」


 しかし次の瞬間、彼の鼻をくすぐったのは、

 ローズマリーの香りをまとった風。


「……昼寝していい気がするな……」

(上空から)精霊:「いいよ。」


 ――その場で全員、すとん。


 武装した兵士十数名が、森の真ん中で一斉に昼寝を始めた。

 風は優しく頬を撫で、鳥たちが子守唄を歌う。


 数時間後、森の見回り中だったマルシュ(ウサギ)が、

 ぴょんぴょん跳ねながら彼らを発見。


マルシュ:「ピピ(寝てる)」

精霊信仰者:「ああ、またお客さんが寝ちゃったのね。」

元庭師:「葉っぱかけておこう。夜露、ゼロとはいえ風邪引くし。」

エリザベート:「お茶も淹れておいて。目覚めたとき驚かないように。」


 森の“防衛”は今日も完璧だった。


ナレーション:

「こうして発生した“第一次ピクニック事件”は、

王国軍史上もっとも穏やかな敗北として記録される。

被害報告:なし。被睡者:全員。」

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