Scene 21:結界完成「森のゆる結界」
夕暮れ。
森の木漏れ日が黄金色に染まるころ、自然班の儀式はついに最終段階を迎えていた。
結界の中心に立つエリザベートは、深呼吸をひとつ。
エリザベート:「……これで、全部の香草が設置完了ね。」
精霊信仰者:「風も、いい感じに巡ってます。」
元庭師:「湿度、理想値です。」
薬草師:「ブレンド比率、完璧です。」
マルシュ:「ピッ。」(※問題なし)
全員が静かにうなずく。
次の瞬間――森全体がふわりと光をまとった。
柔らかな風が吹き抜け、木々の葉がざわめく。
空気がまるで“お風呂上がりのリビング”のような快適さになる。
結界の完成で、森に施された“ゆる効果”は以下の通り。
項目効果
虫除け90%(香草アロマによる自然忌避)
夜露ほぼゼロ(空気の循環が最適化)
焚き火の煙いい香りになる(ローズマリー+タイム+ミント)
動物穏やかに寄ってくる(目がとろんとする)
人間リラックス効果大。戦意・緊張感が自動減退。
精霊:「戦闘力は低いけど、香りは最強だよ。」
エリザベート:「つまり、“空気の支配者”だな。」
どこか誇らしげに、しかしトーンはゆるい。
風がまた通り抜け、木々の隙間から光がきらり。
鳥たちが声を合わせて歌いはじめる。
森全体が、まるで深呼吸をしているようだった。
薬草師:「……これ、敵が来ても寝ますね。」
元庭師:「ですね。むしろピクニック化不可避。」
エリザベート:「防衛とは、安らぎを守ること。」
精霊:「名言ぽいけど、たぶんそうでもないね。」
笑い声と香草の香りが、森を包む。
誰も剣を抜かず、誰も怒鳴らず。
ただ、そこに“居心地のいい結界”があった。
ナレーション:
「こうして誕生した“森のゆる結界”は、後に多くの兵士を戦わずして癒やし、
王国の“ピクニック停戦協定”の発端となる。」




