表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢、今日も辺境でキャンプ防衛 ― 焚き火の火は消さないけれど、戦意はよく消える ―  作者: 南蛇井


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/58

Scene 13:不穏な煙報告

王都・中央省庁――作戦本部。

 重厚な扉の向こうで、宰相の怒号が響いた。


「報告が相次いでいる! 辺境で不審な煙が増加しているそうだ!」


 巻物を机に叩きつけると、部屋中の文官がビクリと跳ねる。

 壁には辺境地図が貼られ、赤い印が点々とつけられていた。

 それは、どこまでも穏やかに――だが確実に増えている。


 参謀の一人が汗を拭いながら説明する。


「報告によれば、毎晩どこかで煙が上がっているとのことです。

火を囲んで人々が集い、なにやら食事を取っているとか……」


「……宴会か?」


「いえ、儀式の可能性もあります!」


 宰相の眉がぴくりと動く。


「このまま放置すれば、反乱の火種になります!」


「……火種リアルか。」


 一瞬だけ、部屋に妙な静寂が流れる。

 しかし誰も笑わない。笑えない。

 宰相は真顔のまま続けた。


「軍を出せ。小規模で構わん。現地の実態を調べろ。」


 参謀たちは慌ただしく立ち上がり、巻物を束ねる。


「了解いたしました、“焚き火監視任務”として記録いたします!」


 宰相は頷き、窓の外を見やる。

 遠く、空の向こうには淡い煙。


 それは確かに、ひとつ、またひとつ――

 辺境の森のどこかから、ゆらゆらと立ちのぼっていた。


 彼はつぶやく。


「火を起こす者がいる。

……ならば、その意図を、見極めねばなるまい。」


 こうして、王国史上初の“焚き火偵察隊”が結成された。

 ――この時点で、すでに負けていることに、誰も気づいていなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ