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はじめまして。奇病系の小説って、少ないというか知ってる人が限られるから、あんまり伸びないよな〜と思いながら第1作目を書いている「西河 葉」です。児童文庫(黄緑のとか…黄色のとか…)を大量に読みながら育ったので、大分子供っぽい文となりますが、とりあえず本編へどうぞ。平和が続き過ぎて、読者の掴み所?が無いよねって感じがしますが、根気で乗り切ってます(作者談)
あ、奇病についてちょい調べないと理解不能になる可能性があるかもです。
ここは奇病を患う者がたどり着く" ハウス"
ここでは9人……いや、今日からちょうど10人になるのでした。まさに、「十人十色」な者達が思い思いに過ごしております。
皆様も早く彼女たちを見てみたいでしょう?私も、今回"見る"のは初めてなのです。
でも、私はずっと居られる訳では無いので……暇な時に、皆様の記憶で上映会でもするとしましょう。なので、代わりに彼女たちを見守り、人生をちゃんと"記憶"してあげて下さいね。
……さて。先程お話した様に、今日から新しく1人の幼い少女が加わるようで。
"今日は、雲ひとつ無い…春の晴天です。"
(??視点)
今私がいるのは、これから住むことになるハウス。数十年前、私が生まれるよりも前に突然蔓延した"奇病"を持つ人達。世界から隔離された、古いお屋敷の前。高鳴る鼓動が珍しいくらいにつまらない人生が変わるなら………私自身も何か、変わるのでしょうか?
「誓うは十奇病」
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中庭から玄関に入り、賑やかな声のする方へ歩く。ここまで送ってくれた、いかにもボディガードかの様なスーツの人達は、説明を全くと言っていい程してくれなかった。
なので、自分の部屋も分からない私は、とりあえず人を探すしか無いということなのです。
中庭を抜け玄関扉を叩くも、私の力では響かないほど立派だったため、遠慮がちに入り、広めの屋敷を彷徨い、ようやく人が居ると思しき部屋へと辿り着いた。
「大丈夫…家で練習してきた挨拶を、そのまま言えば良いだけ……スゥ…よし!」
振り絞った勇気で勢いよく扉を開け、最初に飛び込んだ景色はと聞かれると。
こんな中途半端な時間に、昨日の残り物らしき揚げ物を、とても美味しそうに食べている女子2名。どちらにも猫耳…と思わしきものが付いている。片方の子が付けてるやつって……ソース…ですよね?なんだかすこーし甘い匂いがしますし、揚げ物と一緒に牛乳を飲んでます!?
「こんな子…いたっけ…?」と呟いているが、明らかに使い古されたうさぎのぬいぐるみを、不思議そうに、けれども大事そうに見つめる幼女。髪は腰まである超ふわふわロング…少し癖っ毛な私には分かる。絶対に手入れがマジで大変なやつだ。
その様子をコーヒーを飲みながら見守る、確実に皆のお姉さん枠の少女。まだまだ寒い時期なのに、何故か横で扇風機が強めに回っている。
合計4名。こんなに"はじめまして状況"満載の絵面が渋滞していたため、当然のように私の脳はフリーズした。
そして……一瞬が過ぎた今、全員が一斉にこちらを見て、動きを止めている。
「え、えっと…みっなさん、はじめまして!きょ…うから、ここに住むこととなりましたっ…………長谷川 …円香です…!」
人間というものは、練習したとて緊張には抗えないらしい。
「ああのっ、私は絵を描くこと…と、歌うことが好きでっ!天使病を持ってます……これから、よろしくお願いしますで…す……?」
パニックになりすぎて、自分でも何を言ったかあまり分からないが、部屋が静まり返っているのを見ると、何か変な事を言ったのか不安になってきた。
だが、先程の挨拶パニックに関しては触れられず、これからの同居人による自己紹介タイムが始まった。自分が、趣味などに関する質問を投げかけられるより、そのまま流される方が気が楽なタイプだと知ったのは、この時であった。
「よろしくっ!私は凜々猫!獣病だよ!髪色と同じ、ピンクの猫耳は奇病のせいなんだけど…可愛いでしょ!」
「私、橋野 夕花…撥水病だよ。」
「初めまして。僕は、桜井 莉乃。結晶病だよ。よろしくね。何でか莉乃姉…と呼ばれることが多いけれど、皆より年下だから莉乃で構わないよ。」
「…わたしは山神 楓…えぇっと……喪失病…にかかってる…らしい…よ」
黒髪ポニテの優しそうなお姉さん…という印象な莉乃さんは、とてもじゃないけど年下には見えない。
順番の話し合いも無いのに、阿吽の呼吸で自己紹介が終わった…それほど仲が良いということだろう。そこに入っていって馴染めるのか、不安が少し大きくなる。
そのまま部屋を聞こうと思ったが、1つ疑問が浮かんできた。
「…あれ?確か、私の他に9人いると聞いていたんですけど…」
この質問に、梨乃さんが優しい笑顔で答えてくれた。
「あぁ、他の5人はもう1つの棟に住んでいるんだよ。」
「お昼にあっちへの門が開くんだ!」
そして、凜々猫さんが"いい事思いついた"といった感じの顔で、
「そーだ!私が、開くまでこの棟を案内してあげる!着いてきて!」
と言い、揚げ物を驚きのスピードで食べ終わると、私がいる方とは別のドアから出ていってしまった。
「あっ!凜々猫が行くなら、私もー!」
と走っていってしまった橋野さんを、私も全力で追いかけた。
「こら走らないで!…って、もう聞こえてないな。楓、先にお昼作ってよっか。」
「う…うん。」
という会話も、聞こえていなかったくらいに。
「はぁはぁ…待って下さい…」
普段から全然運動をしない私が、元気な2人を全力で追いかけた結果…1分で体力の限界が見えてきている。
途中、立ち止まって説明してくれているのだが、正直に言うと記憶にはあまり残っていない。途中で自室に荷物を置けて良かった…
「はい!これで終わり!リビング戻るよー!お昼食べなきゃ!」
凜々猫さんの言葉で、ようやくお昼の事を思い出した。こんなに元気だから、お昼の前に間食として揚げ物を食べれるんだなぁ、とも思った。
「ただいまー!…わぁ〜オムライスだ!いただきまーす!」
それに続くように、私と橋野さんも食べ始めた。
…そして凜々猫さんが、やはり驚愕の速さで食べ終わった。
「美味しかったぁ〜やっぱり莉乃姉のご飯は世界一!いややっぱり宇宙一〜!」
「それは何より……そろそろ凜々猫にもご飯作るの手伝えるようになってもらいたいけどね。」
「えぇっっーーと。まぁ、もう少し色んなこと考えられるようにならないと料理って難しいし!!まだ私には早いかなぁっーて!うん!」
料理…私も得意と言うわけでは無い…かな?手伝えるのだったら手伝おうと思いますけれども。
「あれ?山神さんはどこへ?」
リビングに入った時から、見当たらなかった。
「楓は、広間のソファーで、あっちの棟に繋がっている扉が開くのを待ってるよ。12〜21時まで開くんだ。でも、こんな山奥まで来るの疲れただろうから、挨拶は明日にしようか。クセが強くて、もっと疲れるだろうし。」
と、莉乃さんが教えてくれた。
時間が過ぎると扉が閉まるのは何故なのか、という疑問が残ったが。子供と成人を長時間離すのは、如何なものかと思うのだ。
まぁ、とても疲れているのは本当なので、莉乃さんの言う通り、今日は自室で休むことにした。
それから、部屋の机の上に置いてあった説明書…?をベッドで読んでいたら夜になり、ご飯や寝る支度を済ませた後、病に関する記述の主要な所だけメモする事にした。
〈天使病〉初期は風邪。翼が大きくなるにつれて、体調悪化。最終的には、翼が体を突き破って死ぬ。
〈獣病〉人獣になり、夜になると痒み・痛みなどの症状が出る。
〈撥水病〉手足から汗が異常に出て、脱水症状が続き、たまに幻覚を見る。
〈結晶病〉凍傷になり、常時「暑い」と感じる。日に当たれないため、寿命が短くなり、鈍くなる。
〈喪失病〉毎日1つ、何かを忘れてしまう。その日にかかったストレスが大きいほど、大切な事を忘れる。
治療法については…明日書こうと思う。とにかく今日は眠いかも…
「おやすみなさい…」
誰に言うわけでも無いが、1人そう言って眠りについたのだった。
これは、私がプリ小説にあげた原作を元に、加筆修正・文章年齢上げを行い投稿した作品です。ですが、こちらとは終着点が違います。ゲームみたいなマルチエンディングです。
まぁ、更新は大体1ヶ月に1、2話となります。他の事が忙しいのでご了承を。さて、最後まで見る者は現れるのか…"見もの"ですね。(なんで深夜には、こんな分かりずらいギャグを思いついてしまうのか…)




