8,記憶は時間に溶け込んで
ほんとに生活リズムが狂い始めてます。最近、翌日休みだったら深夜まで作業して、お昼過ぎに起きるっていうのを繰り返してるんですよ。そしたら休みたいけど休む程のものでは無い体調不良が続くようになりまして。1回、このくらいの体調で休みを取りたいです。
「…ずっと…何かが……空っぽなの」
「…?………」
まどかさんは、一体なんの話なのだろう…という顔をしていたけど、ひとまず最後まで話を聞いててくれるみたい。
「…欠けてるって……言われて…でも、不安な…だけで」
「…つよくなっても…わたしにのこるもの……なんて無くて」
「…置いてかれないための…ルールなのに…わたしは……のこされるしか」
「………ごめんなさい…まどかさんは…しらない……よね」
このハウスの…初めからある"ルール"。
「ルール……でも皆さん、何か特別な事はしていなかったと思うのですが……」
「……ルールは…少し前に……無くなった…から」
「…""ハウスの人は、おたがいに理解し支えられるように、奇病や過去を、共有すること""…おぼえたのは…ずっと前で……かんぺきじゃ…無いけど」
「…そのころの…わたしは……皆のつよさに負けてた…過去なんて言ったら…今まで通りじゃ……無くなっちゃう」
「…絶対に…気をつかわれすぎるの」
「…わたしが……それを知ってしまった…わたしが…話さなくなった…から…ルールは無くなった…んだと思う」
ルールがあった頃に、皆の過去を聞いた新しい人達は…
距離を置いた。部屋に篭ってしまった。笑顔がぎこちなくなった。悲しみが増幅した。数人はここを出ていった。
そんなの外にいる時と変わらない。奇病という共通点のある、居場所が欲しいだけなのに。
けれど時間を使えば、変化を望みたくなる。試さないという選択肢が歪む。
もう一度だけ。
「…でも、まどかさん…なら……というか…やっと決心した……だけかも」
少ししか無い記憶を
「…後からどうなっても…いい……から」
曖昧がゆえに役に立たなくても
「過去を聞いてくれませんか」
「…もちろんです!」
清算させて欲しい
「…あのね……」
気づいたら母が前で泣いていて、病を知らされ、詳しく聞く間もなく、何故か焦る母が自分をハウスへ送り出したこと。それが、私の知っている全て。
「…少し前のハウス…については……知らなくて…いいと思うの」
「今が大事…でしたよね。」
話しながら、何かを辿るかのように作っていた花冠を、まどかさんに渡した。
「…わたしから…言えることは……おしまい」
「…また…花畑で……お話してくれたら…うれしいな」
庭園を出た。おかしいね。今更、少しだけ…怖いなんて。
…でも進めたことが、追いつこうとしている事が、とても嬉しいんだ。そうして、何回もぬいぐるみを落としながら、部屋に帰るのだった。
(円香視点)
部屋に帰ってきた。色んな感情が、思ったよりも綺麗に渦巻いた、そんな表情で。途中すれ違った莉乃さんに怪しまれてないといいけど。
これから、他の人の過去まで…知っていくことになるのかも知れない。
知りたいと願っていいのだろうか。私には出る選択肢の無いこの場所で、何も知らずに黙って傍観することの……善悪を、私は理解出来るのだろうか。
私には、そんな昔話は出来ない。平和に過ごしてきて、それを奇病に奪われた。ただそれだけの記憶しかないのだから。ハウスの皆とは順番が違かった。
周りの人に違うと言われてしまうから、ここに来たのに…
……聞いていこう考えていこう。半分の共通点がある、優しい皆のお話を。そしたら私も…このどうしようも無い疎外感をどうにか出来るかも知れない。
そうやって全部自分事にしないと、自己中心的な考え方じゃないと、押し付けているようで嫌だから。
〜翌日〜
「山神さんっ!おはようございます!」
「…お、おはよう…まどかさん」
気持ちの整理をしてた時に、山神さんの話で重くなってた心を少し晴らすことができた。
結果…もちろん心には残しながら、出来るだけ何事も無かったように振舞おうと思った。山神さんの過去を、思い出させるような事はできればしたくないですし。
「今日は何か収穫するんですか?」
「……ううん…今日は曇り…だから……莉乃ねぇ手伝いに…いく」
「あ、そうでしたね!中庭広いですし…」
「…うん」
山神さんが心無しか安心したような…少し不安なような表情をした。
これから山神さんが安心して、普通に過ごせるようになるかは私にかかってる。気を遣わずなんて誰にだって無理だ。相手の事を知って、傍にいることを選んだなら…
自分を尽くす覚悟を決めなきゃ許せない。
空気重っ。でも、人が居なくなってないだけまだマシか…と鬱アニメを見ながら思ってました。なので、次の話はニッコニコです。ズドーンと重いやつは1回お預けです。1回。何も起きないとは言わないですけど。




