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人を嫌いにならない方法

作者: 藤木ひかる

 人は一人では生きていけないという言葉がありますが、これは「人には他人の助けが必要だ」というだけではなく、「他人と一切関わらずには生活できない」ということもあると思います。

 学校や会社、家族、何らかの集団に属していると必ず存在するコミュニケーション、人間関係。

 誰しも、どうしても合わない人や嫌いな人はいると思います。

 それは別に悪いことではありませんが、その相手に対してイライラしたり、傷ついたりすることでストレスが溜まるのは自分です。

 そのストレスをなるべく減らすために私が心がけている考え方についてお話しようと思います。

 これを読む方にとって、少しでも何かの足しになれば幸いです。


 前提として、これはただの自分の「考え方、捉え方」についての話であり、相手を変える方法ではありません。

 また、「人を嫌いにならない方法」とは、人を好きになる方法でもありませんので、それだけご留意ください。


 人を嫌いにならない方法、それはズバリ、「人を自分のものさしに当てはめない」こと、そして「諦める」ことです。


 一段階目、人を自分のものさしに当てはめないこと。

 誰しも常識と思っていることがあります。

 その常識が、皆同じと思ってはいけません。

 これを言うと人が傷つく。これをされるのは嫌。こんなことは知っていて当然。

 常識というのは、人の思考の前提条件のようなものですね。

 その常識がいかに正しかろうが、大多数と同じであろうが、その常識が欠落している人は一定数存在します。


 例えば、人の物を無断で拝借することが悪いと思わない人がいるとします。

 この人はおそらく、他人の気持ちや状況を推測するのが苦手なので、無断拝借される持ち主の不快な気持ちも、その物が行方不明になったときの持ち主の焦りも分かりません。

 そんな人に、「どうして何も言わずに勝手に持っていくんだ!」と怒ったところで、「あれ、どうして怒ってるのかな。なにか悪いことしたかな」としか思わないのです。

 自分がされた立場でもそれを不快に思わないのか、思ったとしてもそれを相手の立場と置き換えて考えることができないのか、はたまた嫌がらせでやっているのかは人それぞれですが、この場合

・自分のものを勝手に拝借されるのは不快だ

・自分が不快に思うことは、他人も不快に思うだろう

・他人に不快な思いをなるべくさせたくない

 この三つの前提条件が揃っていない人にどう怒ったって、理解は出来ないでしょう。

 自分と相手の感じ方や考え方が同じだと思うから、違う相手に「どうして理解できないの!?」と思うのです。

 理解できない人が世の中には存在するのだと理解しましょう。


 常識が違う相手との付き合い方は、あなた次第です。

 私は面倒くさがりなので、そのような相手とはなるべく関わらないようにしていますが、私の常識はこうなんだよ、理解して合わせてね、と伝えて相手がそれに合わせてくれるのならそれで良いでしょう。

 ところであなたのその常識が大多数のものでは無い場合、譲らなくてはいけないのはあなたの方かもしれません。



 さて、常識が全く違う人間がいると理解出来たところで、次のステップ「諦める」です。

 あなたが誰かに怒っている時、それはきっと「こうして欲しいのにしてくれない」と怒っていると思います。

 その怒りは、「こうしてほしい」もしくは「これをしないでほしい」という「期待」があるから生まれるもの。

 ならば、期待しなければ良いのです。


 例えば、平気で人を傷つける発言をしてくる人がいるとします。

 このときに、「この人は人の気持ちを考えることが出来ないんだから、その発言に傷つく私の気持ちを想像して欲しいと期待するのは無駄だな」と考えるわけです。

 こういう人なんだから仕方ない。

 そう、諦めるのです。

 ここで言いたいのは、「仕方ないから、傷ついても我慢する」ということではありません。

 自分と同じレベルの人だと期待するのを諦めること。

 自分と思考レベルが違う、全く別の生き物だと思って、気にしないことです。


 大袈裟に言うと、虫に悪口言われたり嫌われても傷つきませんよね。

 人の話を聞かない人は、産まれたての赤ん坊や、言葉の通じない動物と同レベルと考えてはどうでしょう。そりゃ人の話なんか聞かなくて当然です。

 そんな人にわざわざ怒る気もしないでしょう。

 むしろ「精神年齢そんな低いんだな、可哀想」と思いますよね。


 もちろん、相手に面と向かってそんな事を言ったらめちゃくちゃ失礼ですし、おそらく怒られるので、絶対に言わないでください。

 ですが、心の中で思うだけなら誰にも迷惑をかけないし、あらゆることに寛容になれます。

 考えていることは失礼かもしれませんが、物凄く良く言うと、これ、やっていることは「個性を受け入れる」ということなんです。


 少し繊細な話題にはなりますが、外で、大きな声で独り言を喋っていらっしゃる方をたまに見かけますよね。

(先に言っておきますが否定的な話ではないですし、全く知識が無い状態で話しているので失礼に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、普段は一切こんなこと口にしないので許してください)

 このような方はなんらかの病気や障害なのだと思いますが、そう理解すれば「静かにしろよ」なんて思いませんよね。だって出来ないんですから。

 だから、どうしても理解できない言動をする人がいるときも、同じように思えば良いのです。

 病気か障害のせいなのかも? と。

 そうすると、ああそれなら仕方ないな、と受け入れることができます。

 再度言いますが、口に出してしまうとあらゆる方面に失礼になるかもしれないので、心の中でだけ。

 自分がそういう考え方をするだけなら他の人にはバレませんし、なんの迷惑もかけません。


 この人は自分と違う常識なんだな。こういう風にしか人と接することができない人なんだな。

 このようにと思ってしまえば、それ以上期待したり求める事がなくなり、つまりは裏切られることが無くなります。

 心無いことを言われても、相手にするだけ無駄だと、本当に気にならなくなります。

 というか、強がりではなく本当に気にならなくなったら、あなたの勝ちです。

 どうしても気にしてしまう場合は、もう諦めてその相手との関わり合いを避けましょう。

 他人を傷つけてくる人には心を割く分だけ無駄だと思います。

 自分の心の持ちようでは防げない、身体的被害を与えてくる相手についても同様です。


 思ったことをとにかく書き散らしたので、色々と分かりにくい点もあったかと思います。

 人を嫌いにならない方法なんて銘打って、その通りの分になっているかも分かりません。すみません。

 どうかこれが、どこかの誰かの役に立ちますように。

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