初戦
この度タイトル変更致しました。
元タイトルは「無理ゲー異世界攻略記〜チート無しで難易度ベリーハード異世界を生き抜きます〜」でしたが、長すぎると感じた為変更いたしました。
面白ければ評価、感想等よろしくお願いします。
「くそ!さすがに距離がありすぎたか!」
現在俺達は敵本陣に向かって進んでいる。
しかし敵の本隊を引き離すために引き寄せすぎたのが仇となり、敵に態勢を整える時間を与えてしまった。
しかし、二ノ門からだと敵に追い付かれる可能性があるから仕方ない。
「アル!敵が陣を整えてるみたい!」
「恐らく4列か5列の横陣で突撃してきた我々の足を止め、本隊の合流を待つつもりでしょう。」
並走してくるセラと母上。
敵陣を見ると確かに言っていた通りに動いている。
信○の野望とかでは上から見ていたが、地上から見ると全然わからない。
こればっかりは経験を積むしかないだろう。
「よし!射手!山なりに放て!当たらなくてもいい!敵に暇を与えるな!」
号令とともに矢を放つ。
効力射では無いが、相手には届いたようだ。
敵陣の連携に多少の乱れが生じた。
敵陣はもう目の前まで来ている。
「騎手!抜剣!突撃用意!射手は放ち続けろ!」
騎手が剣を抜く。
射手は矢を放ち続ける。
「突撃!」
「おかしいな。」
ジェイガンの副将、スロールは疑問を覚えていた。
山の帝国の旗が全く動かないのである。
風で多少はなびいて入るが、攻めてくる気配がない。
確かに山から降りて敵に突撃するのは不利になるが、だとしてもおかしい。
矢を放つなり何なり出来るはずだ。
だが、こちらが攻めれば山登りで疲弊した兵は尽くが討ち取られるだろう。
なら、一か八かだ。
「よし!500を本陣に戻す!こちらは恐らく陽動だ!行くぞ!」
すぐさま馬を返し、本陣へと戻った。
「若!敵が戻ってきました!」
「何だと!?」
近衛兵の一人から報告を受ける。
辺りを見ると、確かに一番近くにいた、セインによる陽動によって山へ引き離されていた一団がこちらに迫ってきていた。
こちらはまだ2列目をやっと突破したところである。
「アル!包囲されつつあるわ!」
俺達は敵の中央を突破してきた。
左右に分断された1列目と2列目の敵が背後より迫ってきているのである。
まずい。
非常にまずい。
このままでは総大将の首を取る前に全滅する。
どうかしなければ。
そう考えていると戦場に高い音が鳴り響いた。
音の方を見ると、それは俺が密かに逃げさせた領民達に持たせていた鏑矢であった。
この世界に来て、前世を思い出したときから密かに作っていたのだ。
何かに使えるのではないかと。
と、いうことは。
「総員!盾を上に掲げろ!」
多少戸惑いつつも全員が盾を掲げる。
それと同時に陽動部隊のいる方向から無数の矢が降り注ぐ。
しかし狙いはここではなく、近付いてきていた敵の方だったようで、こちらにはあまり飛んできていなかった。
損害は軽微だ。
しかし……。
「な、何故だ!スロールはなぜ戻ってきた!?」
敵が混乱するには十分だ。
恐らく敵の陽動部隊を率いていた、スロールという将が陽動に気付いて戻ってきたのだろうが、それも既に予想済みだ。
逃げた領民でも矢を放つ事くらいはできる。
そして、馬鹿みたいに騒いでくれたお陰で敵総大将までの道も見えた。
「今だ!敵将の首をとれ!敵総大将は眼の前だ!」
再度陣を整え突撃をする。
敵兵は突然のことに混乱し、統率を失っている。
「ジェイガン殿!ご覚悟!」
俺はジェイガンに取り付き、ジェイガンの馬を斬る。
ジェイガンは馬から振り落とされたが、すぐに体制を整えた。
「この若造が!!調子に乗るな!」
ジェイガンもすかさずこちらの馬を斬る。
俺は馬が崩れ落ちる前に馬から飛びおり、飛び降りながら相手の剣を持っていた右手を手首から切り落とす。
「ぐあぁ!」
切られた右手を押さえるジェイガン。
そのまま返す刀で首を切る。
音もなく、血を吹き出し、その場に倒れる。
俺は切り落とした首を高く掲げた。
「敵将!討ち取ったり!」
声を上げる。
周囲にいた敵兵は恐れおののき、武器を捨て逃げ出す。
「落ち着け!逃げるな!戦え!」
敵の副将、スロールが兵をまとめようとするが叶わず、兵は逃げ出す。
こちらの勝ちだ。
「若、今のうちに離脱することをおすすめします。」
セラが近付いてきて助言する。
「あぁ、そうだな。全員ついてこい!離脱する!」
セラの馬に乗り、離脱する。
(よくやってくれたなセイン。)
セインには相手が陽動に気が付き、引き返そうとしたら矢を放つように伝えていた。
もし、攻撃するなら鏑矢を放って知らせてから攻撃するように言ってあったのだ。
今回はセインに助けられたな。
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