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王子と王女

 第2部分を少々是正致しましたので、よろしければ確認してみてください。

 読まなくてもなんの問題もありません。

「久しぶりだな。レイン。」

「ええ。久しぶり。」

 俺たちはまずレインと合流した。

 彼女達は既に船で出発していたので、洋上での合流となった。

 船の上、そして隣にはセラではなくゼイル。

 特に心配はしていないが、また海に落とされたらかなわないので、念のため間にゼイルを挟んでの船旅となった。

 特に問題無く合流できたが、セラは良い顔をしていなかった。

 あとで埋め合わせはしておこう。

「大丈夫か?レイン?」

 レインの様子は特に変わっていないと見えた。

 だが、昔から知っている俺からみれば様子が違うのは分かる。

「あはは。アルにはお見通しか。」

「あまり無理はするなよ。お前は一人じゃないんだから。」

 今は頼りになる者達がたくさんいる。

「アルフレッド様。お久しぶりです。姫の警護役だったマインです。今では海軍大将ですが。」

「おお!マイン殿!お久しぶりです!」

 握手をかわす。

 マインとはレインがエルドニアに来ているときにレインの警護を務めていた人物で、俺とも少しだが、面識はあった。

 するとマインは握手で距離が近くなったのを利用し耳打ちをして来た。

「姫様のことで少々お話が。」

そして距離を取る。

「そういえば今後の作戦についてアルフレッド様に幾つかお聞きしたいことがあったんです!今お時間よろしいでしょうか?」

「あ、あぁ!大丈夫だ!では、セラ、ゼイル殿この場は任せた。」

 何を任せたのかは自分でもわからない。

 2人は顔を見合せ、どうしようか迷っている様子であった。

 まぁ、頑張ってくれ。


「今回のこの行動。相手の思うつぼではないでしょうか?」

「まぁ、だろうな。」

 船室に招かれ、テーブルには菓子とお茶が置かれている。

 帝国、いや教団側かも知れないが、奴等は今回の東の国の戦でアナテルが援軍をだすと見込んで、手薄になったところを強襲した。

 手際のよさから、予め計画されていた可能性がある。

「姫は玉座の間の惨劇を目の当たりにしたわけではありませんが、何があったかは知っています。相手の似顔絵をみて、時々怖い顔をなされることもあります。」

 あの時玉座の間の惨劇を見た伝令にバイゼルの似顔絵を書かせていた。

「そうか……。」

 するとマインは頭を下げてきた。

「お願いします。アルフレッド様。姫を止めてください!」

「……レインが引き下がると思うか?」

 暫くの沈黙のうち、顔を上げる。

「正直、思えません。不確かな情報ばかりですが、国民も根こそぎ殺されているという噂もあります。我が軍の戦意は高いのですが、逆に不安になってしまいます。どれだけ不利でも皆は戦い続けるでしょう。特に姫は。小さい頃から見ているのでわかります。それに、恐らく姫はあのバイゼルという男を見た途端に1人ででも殺しに行くでしょう。この戦いは危険すぎます。」

 彼女のいうことはごもっともだ。

 正直俺ももう誰も死なせたくないし、怪我もさせたくない。

 だが、レインは王族だ。

 あそこまでやられれば黙っているわけには行かない。

「俺からも口添えはしておくが、期待はしないでくれ。それに、もしそういうことになっても俺が命がけであいつを守って見せる。」

 お茶をのみ、テーブルに戻す。

「こんなんでも一応許嫁なんでね。」


「で、アル。なに話してたの?」

「なんだ?嫉妬か?」

 少しからかうとレインは不機嫌になる。

「べっつにー?」

「冗談だよ。怒るなって。」

 やはり、他の女性と関わるといい気分はしないようだ。

 セラのことをなおさら言い出しにくくなったな。

 まぁ、今はまだ、言うつもりもないが。

 遠目にセラの方を見る。

 が、セラもこちらの視線に気付くと、直ぐに視線をそらし、どうでも良い方向を向いている。

 どうやらセラめすねているようだ。

 セラまでこの調子では、この船旅は大変なものになるだろう。

「レイン。ちょっといいか?」

 レインを手招きする。

「何?」

 それに応じてこちらに来てくれる。

 周りの者とは距離が少しあるので、話の内容は聞こえないだろう。

「今回の戦。相手の狙い通りの可能性がある。待ち伏せや罠、その他諸々あるかもしれない。」

「何が言いたいの?」

 レインの言葉から少し怒りの感情が読み取れる。

 だが、嫌われる覚悟で言おう。

「正直に言おう。引き返すべきだ。帝国はアナテルを根絶やしにするつもりだ。仮にアナテルに生き残ってる人がいたとしても、それは俺たちをおびき寄せるエサだ。生き残ってるかも分からない国民を助けに5000の兵と、いや、民と共に罠だらけのアナテルへ戻るか、このまま今回の大乱から手を引き、この兵とともに新たな地で新たなアナテルを興すか。今ならまだ引き返せるぞ。」

 するとレインに頬を叩かれる。

 めっちゃ痛い。

 彼女は自分の力が強いことを自覚してないのか、それとも本気だったのか。

 流石に仲間達に気づかれたようだ。

「ふざけないで!皆の仇を前にして逃げろというの!?」

「……俺はお前に死んでほしくないだけだ。」

 しかし、レインは怒りをあらわにしている。

「嫌!絶対に殺す!お母様やお父様を殺した奴らを絶対に殺す!邪魔はさせないわ!邪魔をするというのなら……。」

 レインは腰にさしていた剣を抜く。

「あなたと言えど、容赦はしないわ。」

 力ずくで説得しても、レインは一人でも行くだろう。

 というか勝てるかわからん。

「落ち着け。お前がそういうのはわかってた。だから一応俺の気持ちを伝えるのと、今後の意思表示のためだ。」

 一応危険があることは伝えたし、これで無茶なことはしないと期待しよう。

「今後の意思表示?」

 レインはまだ剣を抜いたままだ。

「俺は今後、全力を尽くしてお前達を守るために戦う。絶対に誰も死なせない。」

「アル……。」

 レインは剣をおさめてくれた。

「そういえばあなたも仲間を失ったんだったわね。ごめんなさい。頭に血が上って周りが見えてなかったわ。頬、大丈夫?」

「痛く無いと言ったら嘘になる。」

 レインは笑っている。

 いつもの調子に戻ってくれたようだ。

「ふふ、ごめんね。でも、アナテルに戻るのは変わらないからね。」

「あぁ。それについても大丈夫だ。相手が待ち構えているとわかってるならやりようはいくらでもあるからな。」

 俺の見立てでは、今回の王都陥落は精鋭部隊による奇襲だ。

 ならば、敵は少数。

 相手が取れる戦略は限られてるだろう。

「頼りにしてるね。アル。」

「あぁ。任せろ。」

 本来ならばここで一件落着と言いたかった。

 か、そうは行かなかった。

「ねぇ、ところであのセラって女と何かあった?」

「……え?」

 バレたのだろうか。

 いや、別に隠すつもりは無かったのだが。

「まぁ、後で色々説明するよ。うん。」

「嘘は、つかないでね。ついたら……。」

 レインはまた剣を抜いた。

 今度は殺気を感じる。

「わかってるよね?」

「……はい。」

 ……相も変わらず前途多難である。

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