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事態の急変

 俺たちはゼイルの話を聞いた。

 転生者の情報についてはあらかじめ知っていた情報とさほど違いはなかった。

 だが、最近の調べによると高熱だけが原因ではないこともわかったらしい。

 ジョナサンが、それで高熱は出てはいないが様々な調査から転生者の疑いが出たらしい。

 そして、俺についても話した。

 セラやセインには知っておいてもらいたいと思ったからだ。

 2人とも最初は戸惑っていたが、やはりこれまでと変わらず接してくれるとのことだ。

 セイン曰く、確かに高熱を出してから多少おかしな点もあったが、アルフレッドであることに代わりは無かったとのこと。

 セラも自分が好きになったアルフレッドは今のアルフレッドだから関係ないと耳打ちしてくれた。

 ……俺にはもったいないくらいの人だと思う。

 そして、やはり転生先の人物はある程度重なる部分があるということらしい。

 そしてゼイルが集めている転生者についても教えてくれた。

 まだ、ほんの数名しか保護できていないが、かなりの有名人物ばかりである。

 軽く聞いただけでもとてつもなかった。

 ハンニバル、レオニダス一世、楠木正成。

 他にもまだいるらしい。

 憧れの人物達に会えると思うと心踊る。

 そして、ゼイルは女神がなぜ、転生者をこの世に送り出しているのか。

 その事についても考えていたようだ。

 アラン叔父上の考えでは転生者を教団に引き込んだり、俺のように女神像で指示や監視をし、思い通りに操るつもりではないかとのこと。

 現に教団に取り込まれた転生者も数名おり、取り込まれていない者も女神の忠実な信者になっているらしい。

 因みに俺は漂流したときにとっくのとうに女神像は失くしている。

 結果オーライだが、よかった。

 そして、ゼイルのアラン叔父上に頼まれた俺を守るという依頼についても話した。

 本当はもっと早く接触するつもりだったが、俺たちがあちらこちらにいくので、しかも痕跡を上手く消しているので、中々たどり着けなかったらしい。

 更に叔父上が死に、財産の受け取りで少し忙しかったからとのこと。

 痕跡の除去は工作も含め、セインがやってくれていたので、やはりとても優秀だ。

 そしてセインはジョナサンが転生者たったことについて調べる事になり遺品整理もかねて、一時離脱することになった。

 彼の傷もまだ癒えてない今、この行動は任せるとしよう。

 そして、話が一段落したところで急報が入った。

「伝令!アナテル国にて王都が陥落したとのことです

!」

「なんだと!?」

 突然の知らせにその場にいた全員が驚く。

 無理もない。

 制海権はほほほぼこちらが押さえているのだ。

 王都が落ちる訳がない。

「どういうことだ!?」

「はっ!民間の船に混じり、帝国の暗部、陽炎部隊が潜入していたようです。そして、未確認ですが、王城の地下牢にて爆発があった、ジェラルドが暴れている、等の報告もされています。。」

 スロールの名前はでてこなかったな

 なるほど。

 教団は動きがセインによってばれたので、狙いをアナテルに変えたのだ。

 今ならば主力がこちらに来ているので、戦力はとても少ない。

 奇襲で十分落とせる数だ。

 油断した。

 狙いが神聖帝国のみだと考えてしまっていた。

 因みに各方面とはすぐに連絡が取れるように常に遠話水晶にて連絡を取り合っている。

「レノン王は?」

「消息不明です。」

 生きているかすらも不明なほど、現場は混乱しているのだろう。

 レノン王が生きているのならばまだ勝算はあるかもしれない。

「このことはレインはしっているのか?」

「まだです。ですが、まもなく伝わるかと。」

 おそらく戦の決着ももうすぐつくだろう。

 幸いなことはアナテル主力は生きていることだ。

 王都が陥落したといっても、制海権を奪えた訳ではない。

 王都奪還を目指すか、予定通り、帝国への進攻を開始するのか。

 アナテルの実質的指導者となったレインがどういう判断を下すかで、今後の情勢が変わってくる。

 レインが冷静でいてくれるか、それにかかっている。

「ジェラルド殿ですか……。」

 ジゼルが声をあげる。

「知ってるのか?」

「ええ。彼は元S級冒険者で、報酬として領地をもらって以降は、おとなしくしていたと思ったのですが。」

 なるほど。

 どおりで強いわけだ。

 S級冒険者は1人で1000の兵に値すると言われている。

「冒険者というのは、基本的に教団と敵対関係にあります。やつらは昔から民を脅かしてきた存在ですので。しかし、話を聞く限りジェラルド殿はやつらに与したということでしょうね。」

 俺に対する復讐で、与したということだろうか。

 あの時はまぐれで勝てたかもしれないが、もう一度戦うとなれば、流石に厳しいだろう。

 そもそもレインがどういう行動に出るかまだわからないし、アナテル本国へ戻るというのなら恐らく相手の思うつぼだろう。

 今後の計画に大きな遅れが出てしまう。

 だが、レノン王の安否が気になるのはこちらも同じだ。

 ここはレインの判断に従うとしよう。

「報告します!」

 そう考えていると別の伝令が走ってきた。

 伝令と言っても遠話水晶で各勢力と迅速に連携が取れる部屋を設けており、そこからやってくるだけなのだが。

「現在戦闘中の敵部隊は後退を開始。レイン様の方面は勝利をおさめました。レイン様はすぐさま兵を撤収し、アナテル本国へ向かうおつもりのようです!」

 援軍は10000だが、作戦のため半分を引き抜いている。

 つまりは5000でアナテルへ戻るということだろう。

 アナテルは島国なので、人口が少ない。

 なので、必然的に兵力も少なくなってしまう。

 これが全軍では無いが、こちらに来ている戦力は7、8割程だろう。

 レインならばそうするだろうとなんとなくわかっていた。

「また、アルフレッド様への伝言もあります。」

「なんだ?」

「こちらは気にせずそちらはそちらで成すべき事を成してほしいとのことです。」

 つまりは本アナテル本国奪還と、帝国侵攻の2つを同時に行うというわけか。

 ジゲンが協力してくれるので、兵力的には申し分ないだろう。

 だが……。

「これより、アナテルへ向かうぞ。」

「行くんですね?」

 ゼイルが聞いてくる。

「レイン一人で戻るのは危険だ。相手はジェラルド。油断してはならないし、恐らく相手の態勢は万全だ。」

 それに、これ以上仲間が死ぬのは見たくない。

 それがレインならば、幼馴染で許嫁ならば尚更だ。

「アルフレッド様。」

 セラはこちらの気持ちを汲んでくれたようだ。

 セラが来てくれるのなら心強い。

「セインは予定通りに行動してくれ。ゼイル殿は……。」

「ま、俺もついていきますよ。」

 本当ならばセインについていってもらおうと思ったのだが。

 セインにも護衛は必要だろう。

 セラの侍女隊をつけるとしよう。

「相手があのジェラルドなら戦力は多いほうが良いでしょう。それに奴とは色々ありましてね。」

 恐らく冒険者として、過去に何かあったのだろう。

「国家間の争いには関与しないのでは?」

 そうだ。

 セラの言うとおりそれがあるのだ。

「いやいや、これはアラン殿の依頼のアルフレッド王子の護衛なのでね。」

「つまりはセーフだと?」

 ゼイルの顔はニヤけている。

「ええ。」

 本当に大丈夫なのだろうか。

 かなりグレーな気がする。

「よし、まぁいい!では向かうとしよう。伝令!ジゲンにはやりたい事をやっていてくれと言ってくれ。こちらは任せろとも伝えろ。」

「はっ!」

 伝令達はそそくさとその場を後にした。

「じゃ、行くとするか。」

「はい!」

「応っ!」

 ジェラルドはここで息の根を止めておく必要があるだろう。

 今後の憂いを断つためにも。

 そして、レインのためにも、急いで向かうとしよう。

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