対策
『で、お前はそのまま気を失ったと?』
「はい。」
あのあとはセラの鉄拳を食らって気を失った。
気を取り戻してすぐに緊急の要件だったので、急ぎ、フレク様に報告し、アナテル国王および若と遠話水晶にて状況説明をしていた。
因みに私は肩の傷を手当てされている。
「しかし、オルフェンまでもが裏切っていたとはな。」
『申し訳ありません叔父上、私もルーゼンを見抜けませんでした。』
つまり、今はこちらの情報は筒抜けで、今後帝国に対しどのような行動を取るか読まれているということである。
『それに、教団ときたか。』
レノン王は私が謎の武器により肩を負傷したと言ったとき、声だけだが少し様子が変であった。
何か気になることでもあるのだろうか。
「ですが、戦力的には優位にたっているのは代わりありません。帝国最強の竜騎兵隊は我々が、この大陸で最強の海軍も味方です。そして、エルドニア貴族連合はこちらの行動に会わせて蜂起する。帝国は強大といえど、戦力差は五分でしょう。」
若からアラン叔父上が色々と策を練っていたと聞いている。
『叔父上、いくつかよろしいでしょうか?』
若が声をあげる。
『教団の者が潜り込んでいた今、信頼していた者も信頼するのが難しくなってきました。念のため、戦力をもうひとつ用意しておいては?』
『しかし、そんなことを言っても何処に助力をこうというのだ?アルフレッドよ?』
確かに戦力は必要だが、これ以上味方になりそうな勢力は思い付かない。
だが、帝国包囲網を形成するにはもうひと押しほしいところではある。
『傭兵を雇いましょう。』
その場にいたものたちが静まり返る。
『報酬は帝国及び、戦争により、管理するもののいなくなったエルドニアの領土で手を打つ。これならば傭兵も加勢すると思いますが?』
確かにエルドニアは初戦でたくさんの将が討ち死にし、空き地になっている領土が多々あるだろう。
「アルフレッドよ。傭兵は信用してはならん。あれほど狂暴で、理性のない集団など、他には居ないのだぞ。」
『そうだ。報酬については悪くない考えだとも思うが、傭兵はやめておこう。その報酬を出せば集まる普通の兵も増えるだろう。それで十分じゃないか?』
水晶の向こうからうっすら笑い声が聞こえる。
若の悪い癖が始まったようである。
幸いにも私にしかきこえていなかったようだ。
『遥か東の険しい山脈の中に隠れすんでいる武人の集まりが傭兵をやっていると聞きます。彼らならば乱暴はしませんし、独自の宗教なので、教団の疑いもありません。』
さすがは若である。
その傭兵集団は恐らく最初から戦力として換算していたのだろう。
そして、教団との内通の疑いも無い。
そこまで読んでいたのだ。
「まぁ、アルフレッドがそこまで言うのなら……。」
『それならば特に心配も無く勝てそうだな。』
どうやら両国王も納得したようだった。
「ですが、お三方。恐らく教団はここの襲撃を計画しております。そちらはどうされるので?」
「教団の兵は一騎当千と聞く。いくら竜騎兵といえども苦戦は免れないだろう。」
全員が黙りこみ、考える。
正直、現状ここを捨てるのが最善な気がする。
守りきれないのならば捨てて攻勢に出るしかないだろう。
しかし、それでは付近に潜んでいると思われる教団と帝国に挟み撃ちされる形になってしまう。
さてどうしたものか。
『では、こうしましょう。』
若が口を開く。
『部隊を2つにわけ、片方は予定通り帝国へ侵攻、もう片方は傭兵を雇いに東へ向かう。東へ向かう部隊は帝国への侵攻の数日前には発ちます。そして、雇い次第神聖帝国へと戻ります。帝国へと侵攻を開始すれば手薄になった城を教団が攻撃するでしょう。そこで、帝国へ向かった部隊は転進します。こうすれば、挟み撃ちしようと出てきた教団を逆に挟み撃ちにすることが出来るでしょう。まぁ、最も可能性が高いのは敵が計画がバレたので何か別の策を用意するということですが。』
両国王から感嘆の声があがる。
「なるほど。それなら……。」
『行けそうだな。』
この計画ならば、なんとかなりそうである。
しかし、1つ不安要素がある。
一体誰が交渉しに行くのかである。
いや、もうなんと無くはわかったのだが。
『傭兵との交渉はセイン。頼まれてくれるか?』
「かしこまりました。」
即答する。
恐らくそれが最も正しい選択であるからだ。
『必ず成功させてきてくれよ。』
「畏まりました。」
「と、いうことで。東へ向かいます。」
全員が嫌そうな顔をする。
セラはこちらをにらんできている。
説明もしたので、そろそろ許してほしいのですが。
「状況は先程説明した通りなのですが、ローゼン殿、よろしいか?」
「ん?あぁ、問題ない。」
ルーゼンが寝返っていたことをしってからずっと心ここにあらずといった感じである。
その報告を聞いたときはものすごい驚いていた。
「あのー?」
「何か?イリス殿?」
手をあげていたイリス。
「この行動、教団に補足されないんですか?」
「はい。現在この都一帯に国外への逃亡を許可するとして、国境や城下町からは無数の民が逃げて行っておりますので。」
それに紛れれば大丈夫だろうと伝えた。
「なるほど。わかりました。」
私の行動によって、東の山脈の傭兵集団『神刀派』。
最強とも言われる彼らがこちらに協力してくれるかどうかで、この大陸の行く末が決まってくるのだ。
しかし、このようなときこそ邪魔が入り、うまくいかないものである。
(なにもなければいいんだが……。)
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