表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/138

束の間の休み

「セイン。お前に言っておかなければならない事があるんだ。」

「私の父、セイルズのことですね?」


 俺は帝国への道中、セインと話をしていた。

 流石はセイン。

 10年近く共にいただけのことはある。


「あぁ、そうだ。」

「もう既に処刑されているのでしょう?」


 まさか見透かされているとは思ってはいなかった。


「……気づいてたのか?」

「何年一緒にいると思ってるんですか?若の考えることくらい、お見通しですよ。」


 もはやお手上げである。

 一体どこまで見透かされているのか。


「あぁ、後々面倒ごとにならないように今のうちにいっておこうと思ってな。」

「まぁ、特に心配する必要もないと思いますが。私も若と同じ立場ならそうしていました。」


 やはりセインが味方で良かった。

 常々そう思う。


「では、この後どうするかですね。」


 目の前には堀に囲まれた、もはや城のような宝物庫がある。

 帝都にあるだけあってもう既に日は落ちているのに街はとても明るく宝物庫の全貌がよく見える。


「これだけ明るいと闇夜に紛れるのは少し厳しいですね。」


 セラが意見をいう。

 身元を隠す為、フードを被っているので顔の様子は見えないが、今すぐにでも乗り込みたいのだろう。


「何か別の方法があればよいのですが。」

「街で噂になっている盗賊ギルドとやらを頼ってみるのはいかがでしょうか?まだ何処にいるのかは分かりませんが私の手勢で調べればすぐでしょう。」

「盗賊ギルド?」


 そのようなものが帝国に、しかも帝都に存在していたというのが驚きである。


「そのような者達に頼るまでもありません!それに王家の人間がそのような卑劣な者達に頼るなどあってはなりません!」


 珍しくセラが感情をあらわにする。

 過去に何かあったのだろうか。

 いずれ聞いておきたいな。


「しかし、今はそのようなことを言っている場合では無いでしょう。利用できるものは利用しなければ。」


 セインの言うことにも一理あると思う。

 が、セラの言うことも尤もだ。

 しかし……。


「セラ、その王家の国は今や無いに等しいんだ。」

「っ……申し訳ありません。」

「……私の調べによりますとその盗賊ギルドなるものは傭兵のようなもので、雇われれば殺しや護衛など何でもこなすとのことです。」


 流石はセイン、よく調べている。


「しかし、最近は活動を大幅に縮小しているようでして、足取りがつかめずにいます。本腰を入れる許可を下されば、少し若の元を離れることになりますが、必ずや協力を取り付けてみせましょう。」


 なるほど。

 つまり許可を出せば俺はセラと二人きりということだ。

 因みに連れてきた手勢は殆どは帝都郊外の森の中に野営させている。


「よし。許可しよう。」

「ありがとうございます。では、数日お時間を頂きますので、それまではゆっくり休んでいてください。」


 そう言うとセインは路地裏へと消えていった。

 今はセラと二人きりである。

 少し、緊張してしまう。


「取り敢えず、長旅の疲れを癒やすとしよう。近くの宿にでも行こうか。」

「はい!」


 セラはそういうことには疎いのか、気にしていないようである。

 この好機に何かしようとは思っていないが、数日はデート気分でも味わうとしよう。

 それくらいは良いだろう。

評価、レビュー、感想、ブックマーク等、お待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ