決行
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「グレグは上手く誘い出してくれたようだな。」
「はい。既にあいつも配置についています。」
あいつとはウンギョウの事だ。
グレグとゲイルの二人が対峙し、奇襲を警戒して手勢を連れて行くだろうと予測し、警戒が手薄になった所で拠点に近付いた。
今回、反乱に参加した者を許す訳には行かない。
フレドがいるかもしれないが、火を放った所でそこまで燃え広がらないだろう。
フレドの身は安全だ。
だが、もし反乱に加担しているのなら、それは俺が弟に甘いだろうからという考えがあるからかもしれない。
俺の意思を見せ付けるためにも火を放つのだ。
「……やれ。」
「は。」
ウンギョウに指示をだす。
油の染み込んだ藁を木でできた外壁の際に置く。
そして、火打ち石で火を付ける。
火は瞬く間に燃え移り、外壁が燃え上る。
これで充分だろう。
「引き上げるぞ。」
「はい。」
今回の目的はあくまでゲイルの排除と宣戦布告だ。
ゲイルさえ消えれば後は烏合の衆。
なんとでも出来るのだ。
「な、何だ!?」
「火だ!水を持って来い!」
拠点の中からは悲鳴が聞こえてくる。
彼らはかつては俺の部下だった者達だ。
少し情も湧くが、反乱者は全て殺す。
二度と反乱など起こさせる訳には行かない。
「陛下。」
「あぁ、行こう。」
さて、本来の目的であるゲイルはどうなっただろうか。
成功していると良いが。
「……。」
首だけとなった自分の息子の頭を持つ。
周りの敵の伏兵は既に拠点へ向け走って行った。
あの火災は見た目だけは凄い。
自分の友人や家族があそこにいるとなれば必死にもなるだろう。
「……卑怯者の父を許せ。」
「……済んだのか?」
すると、茂みからガザードが出てくる。
手助けは不要としたが、最後にこの処理だけはしたいのでガザードを呼んだのだ。
一人くらいなら隠れられるので、遠くに待機してもらっていた。
「……やってくれ。」
「分かった。もういいのか?」
静かに頷く。
すると、それを見たガザードは呪文を唱え始める。
唱え終えると火球が現れ、ゲイルの亡骸へと落ちていく。
そのまま即座に燃え上る。
火葬は終了した。
「すまんな。こんな事を頼んで。」
「構わん。気にするな。」
そのまま、ガザードは何も言わずに去って行った。
彼には感謝しなければならないな。
不審がられない為に持ってこれたのは武器だけだ。
遺体を持ち帰るわけにも行かないので、ここで火葬するしか無かったのだ。
「落ち着いたらちゃんと墓を立ててやる。それまでこれで我慢してくれ。」
俺はゲイルの武器を地面に突き刺した。
これが墓の代わりだ。
この剣は俺がゲイルが一人前だと認めた際に渡した物だ。
早く墓を立ててやる為に、早くこの反乱に蹴りをつけよう。
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