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勝つ為に

「陛下、止めないで頂きたい。これは親である私のすべき事です。」

「……。」

 

 成る程、なんとなく読めてきた。

 恐らくこいつは一人でゲイルをどうにかするつもりだったようだな。

 そして、俺がそれを察して止めに来たと。

 んな事分かる訳無いけどね。

 今知ったわ。

 ……まぁ、話は合わせておくとしよう。

 

「まぁ落ち着け。何も止めようと言う訳じゃない。俺にも穏便に、被害を出さずに解決する一手があるんだ。それを聞いてからでも遅くは無いんじゃないか?」

「……分かりました。お聞きします。外ではなんですのでお入り下さい。」

 

 よし、作戦成功。

 勿論そんな一手は無いが全力で考えてやろう。

 

「ですが、陛下もお察しの通り私にはあまり時間が残されてはおりません。」

「……あぁ。だが、老いたからと言ってもすぐに死ぬわけじゃない。それどころかヨボヨボでも生きているやつはたくさんいる。お前の戦の知識は今後、我が軍には必須だ。まだまだ働いてつもりだからな?」

 

 出来るだけ本題から遠ざけて考える時間を作る。

 頭のキレるこいつを納得させられるだけの策を示さなければ。

 

「成る程、だからお止めに来たのですか。そこまで評価していただけているとは感謝の限りです。では、その策をお聞かせ下さい。」

「お、おう。」

 

 駄目だ。

 こいつまさか感づいているのか……。

 いや、会話の内容に気付かれるような会話は無かった。

 どちらにせよこうなったら策を示すしか無い。

 

「どうするおつもりですか?」

 

 完全に纏まりきってはいないが、話ながら考えている。

 大丈夫、それくらいやって見せる。

 

「そうだな、俺が考えているのは……騙し討ちだ。」

「騙し討ち……。それは他の者から卑怯と言われるのでは?」

 

 確かにその通りだ。

 だが、この返しは想定通り。

 

「いや、他人の評価を気にして部下に息子殺しをさせたり危険な目に合わせる訳には行かん。それぐらいの汚名は着るさ。」

「陛下……。」

 

 グレグは暫く考えるとこちらを見、口を開いた。

 

「分かりました。ではその騙し討ちの役目私にお命じ下さい。」

「いや、それじゃあ意味が無いだろ。」

 

 グレグに悪評が集まらないように俺がやるつもりつもりだったのにそれじゃあ意味が無い。

 俺がやらなければ意味が無いのだ。

 

「全てが終わった後包み隠さずここでのやりとりを公表致しましょう。私の口から全て説明致します。私が自ら申し出たとなれば陛下に悪評は集まらないでしょう。」

「……分かった。お前がそれで良いならそうしよう。」

 

 あまり強情に行っても意味が無いだろう。

 ならばここは首を縦に振ろう。

 あとはフレドだ。

 フレドがどういう状況なのかによるな。

 せめて無事であって欲しい物だ。

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