奇襲に次ぐ奇襲
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「くそっ!逃がすな!」
突如としてゴブリン共の首領が先陣を切って後背を突いてきた。
まさかの行動に部下達も混乱している。
更に目の前の火災を消火しなければならない。
完全に浮足立っている。
「落ち着け!敵は少数!臆する事は無い!」
しかし、彼らも歴戦の兵士である。
すぐさま体制を立て直した。
「くそっ!退くぞ!」
相手は不利を悟り退却し始める。
その辺りの判断能力は高いようで中々仕留められない。
「追え!」
その号令に部下達は追撃していく。
が、少し距離が離れていたこともあり、届くまでまだまだかかりそうだ。
すると、奴等は近くの森に入っていった。
「……何だ?」
奴らが入って行った森から火が上がる。
それは瞬く間に燃え広がり森は火に包まれた。
「やられた!追撃部隊は消火に当たれ!」
「はっ!」
伝令が走っていく。
奴等は最後に嫌がらせに森を燃やしていくつもりか。
だが、ならなぜ姿を表す必要がある?
しばらく考える。
……成る程、こちらの戦力を分散させ、各個撃破していくつもりか。
その狙いが分かればあえて乗ってやる必要もない。
そもそもこの大陸の森に思い入れがあるわけではない。
少し燃えるくらいは無視しても良いだろう。
「あれは罠だ!すぐに部隊を引き返させろ!」
「た、隊長敵襲です!」
「想定通りだ!追撃部隊を連れ戻せ!それで奴等は終わりだ!」
案の定この本隊に奇襲が仕掛けられる。
突然の奇襲に消火もしつつ対応していく。
敵を撃滅するのにこの数では心もとないが、追撃部隊が戻ってくれば
が、部下はすぐには動かない。
「そ、それが……。」
「どうした?」
「追撃部隊にも襲撃がありました。敵首領の部隊もでてきて挟み撃ちの形に……。ここへ引き返すのは厳しそうです。」
まさか、俺が狙いに気付いて部隊を引き返すことさえ想定してのこの策だったのか。
エルフとして森が燃えているのを見過ごせないというのを上手く使われてしまった。
それに全員が勝利を確信したので油断していたというのもあるのだろう。
「うろたえるな!消火は中断、全軍で敵軍に対応せよ!」
正直、戦況は最悪である。
敵も戦力を分散しているとはいえ、この本隊よりも数が多くなるように編成してきている。
相手には戦力の分析や策の立案について圧倒的に上の者がいるようだ。
ゲイルの裏切りによるゴブリンの参入やドワーフの裏切りをしっていなければ初戦で敗北していたかもしれない。
だが、ここの練度でいえばこちらが圧倒的に上なはず。
勝ち目はまだある。
「皆の者!奴等は我らが友である森を燃やした外道である!決して許すな!」
これで士気は上がるだろう。
さて、ここからが勝負どころだな。
少し、ゴブリンに対する見方を改めなければならないな。
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