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裏切り

 戦況は最悪だ。

 ゲイルの裏切りによって、かろうじて優勢だった戦場は一気に劣勢に立たされた。

 そのまま俺が率いていた部隊は瞬く間に壊滅し、仲間たちは散り散りに逃げていった。

 他の種族の状況が気になる。

 今は一人で森の中に身を潜めている。

 だが、このままでは敵に見つかるのも時間の問題だろう。

 

「そっちはどうだ!?」

「だめだ、いない。そっちを探してみよう。」 

 

 近くをエルフが数名通り過ぎていく。

 おそらく、戦況は他の者も劣勢なのだろう。

 エルフが捜索に出てきているということは、それほど戦場に余裕があるということだ。

 もしかしたら既に全軍壊滅している可能性もある。

 俺はエルフを甘く見ていた。

 クルシェから聞いた女神軍の快進撃は魔法による物なのだろうと予測していたが、それだけでは無かった。

 個々の練度、一糸乱れぬ連携、全てにおいて人間を上回っていた。

 どれだけ戦略を重ねようとも戦局を覆すには至らないのだろう。

 何か、致命的な弱点を見つけなければ。

 

「そろそろ場所を変えるか……。」 

 

 捜索の手が縮まってきたのが分かった。

 怪我こそしていないものの、体力は限界が近い。

 この人生、いやゴブリン生もこれで最後か。

 

「陛下、ご無事でしたか。」

「うわっ!ってゲイルかよ……。」 

 

 茂みの中から唐突にゲイルが姿を現す。

 そういえばクルシェの元へ出していたのだった。

 無事だったのか。

 

「他の戦況はどうなっている?」

「他の部隊も壊滅状態ですでに後退を初めています。」

「そうか……。」


 まあ、あの戦況なら仕方が無いだろう。

 せめて被害が少ない事を祈るのみだ。

 

「陛下、我々も退きましょう。こちらに手薄な箇所があります。」

「そうだな、行こう。」

 

 グレグがここまでこれたのだから彼についていけば脱出は出来るだろう。

 だが、その後だ。

 村を守らせていたゲイルが裏切ったというのだから、もしかするとフレドも裏切っているのかもしれない。

 考えたくはないが今回の相手が女神だと知り、良い顔をしなかった者もいた。

 その者達が反旗を翻した可能性は高い。


「この後、どうすればよいだろうか。」

「……陛下、ドワーフもリザードマンも人間も、目的は一緒です。陛下の味方なのです。今回の作戦に参加した者達も全員が死んだわけではありません。ガザード殿やドウラ殿がクルシェ殿の指揮の元、散り散りに逃げ延びたゴブリンを救出しております。」

 

 そうだったのか。

 少しでも生きながらえているものがいるのなら良かった。

 それに、仲間がまだいるのならそいつらを見捨てるわけには行かないしな。

 せいぜい期待に答えてやるか。

 

「分かった……。負けたままなのも癪だしな、最後に一泡吹かせてやるとするか。」

「……良いですな。協力いたしましょう。」

 

 さて、奴らにどうやって恐怖を味あわせてやろうか。

 奴等は勝利を確信している。

 こういうときこそ一泡吹かせられるのだ。

 今から楽しみでならないな。

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