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ドワーフ

「魔物に捕まるとは……。」

 

 拠点に戻り、皆と共に捕虜の処遇を考えていた。

 どうやら一目散に逃げ出したのはエルフだけのようで、ドワーフは最後まで戦っていたようだ。

 俺はドワーフ達を拘束していた、手を縛っていた縄を切った。

 それを見た仲間達も続いてドワーフ達の手縄を切っていく。

 

「別に殺すつもりは無い。話を聞かせてくれないか?」

「話だと?」

 

 まさか魔物から話を持ちかけられるとは思っていなかったのか、とても驚いている。

 まぁ、同じ立場なら俺もそうなるか。

 

「貴方達は何者なんだ?」

「……。」

 

 すると、そのドワーフは少し考えながら口を開く。

 

「……俺達はドワーフ。そして、共に居た奴らはエルフと呼ばれる種族だ。」

 

 向こうでも種族名は同じようだ。

 楽で助かる。

 古代ギリシャのスパルタは自分達の事をラケダイモニオイと呼んでいたそうだったので、もしやと思ったのだ。

 

「で、何故あそこに居た?」

「……貴様!先程から無礼だぞ!」

 

 すると、別のドワーフが急に声を荒げる。

 そいつはすぐさまアギョウとウンギョウに取り押さえられた。

 

「待て!よさんか!」

「いいえ、待てません!若!ご自分の身分をお忘れですか!?」

 

 なるほど、何か事情がありそうだ。

 聞いてみる価値はあるな。

 

「二人共、大丈夫だ。離せ。……失礼した。詳しく聞かせてくれないか。」

「……良いか!この御方は今は亡きドワーフ王国の王族の末裔、ガザード・アドス様であるぞ!」

「……。」

 

 ガザードと呼ばれた男は下を向く。

 ガザード・アドス。

 ドワーフの王族の生き残りということは西大陸にはドワーフの国が存在していたということだ。

 つまり、西大陸も一枚岩ではない。

 これはうまく使わなくては。

 その後、ドワーフ達から更に詳しく話を聞いた。

 どうやら、西大陸にはドワーフとエルフという二大勢力がおり、長年戦争を続けていたという。

 その他にも少数ながら獣人等も存在していたが、多くはエルフに国を滅ぼされ、ドワーフが西大陸最後の王国だったらしい。

 元々、ドワーフとエルフは同盟関係にあったらしく、そのお陰で最後まで生き残っていたらしい。

 そして、その縁で王族も処罰されずに生き残っているとのことだ。

 ……これは使えるな。

 

「……ガザード殿。」

「……なんだ?」

 

 彼らはまだ王族として諦めていないということは先程のやり取りから分かる。

 ならば、それを有効活用させてもらおう。

 

「先程までの無礼な態度、お許し下さい。お詫びと言ってはなんですが、一つ提案があります。」

「……提案?」

「ドワーフ王国の再興をお手伝いさせて下さい。我々が全力で支援致します。」

 

 この提案にガザードは少し驚いた様子を見せる。

 

「若!なりませんぞ!魔物の言うことなど信じては!」

「……黙れ!俺はドワーフ王国国王ガザード・アドスだぞ!貴様はいつから王に口出しできる立場になった!」

 

 よし、どうやら腹を決めたようだな。

 少しあの人が可哀想に見えるが。

 ガザードは立ち上がり、手を出してくる。

 

「こちらこそ、部下を含め先程までの無礼な態度、申し訳無い。その提案受けさせてもらおう。お礼として提供できるものは何でもする。」

「感謝します。では、このまま詳しく話を進めていきましょう。」

 

 ガザードと握手を交わす。

 これで、女神軍相手に有利に戦える。

 楽しくなってきたな。

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