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交渉

「こちらです。」

 

 グレグの案内の元、護衛とともにリザードマンの生息域である湖に訪れていた。

 やはり水位が下がっているのだろう。

 遠目にだが、所々水底が見えているところがある。

 予め向こうには通達しているので、問題は無く首領に会えるはずだ。

 村の事はフレドに任せてある。

 問題は無いだろう。

 まだ、な。

 

「……...何か心配事でも?」

「いや、大丈夫だ。」

 

 グレグが俺の不安を読み取ったようだ。

 部下を不安にさせない事も上司の大事な役目だ。

 気を付けなければ。

 



「お待ちしておりました。魔王陛下。」

 

 湖に来ると二人のリザードマンに挨拶をされた。

 が、いるのは二人だけである。

 

「出迎え感謝する。他の者は?」

「こちらです。案内致します。」

 

 二人のリザードマンに付いていく。

 先程から感じていたことだがやけに細い。

 見た目は想像通りのリザードマンだが、痩せこけている気がする。

 しばらく歩くと、湖の際にある洞窟へとたどり着いた。

 水の跡からここにも湖の水が流れていたのだと推測できる。

 

「お待ちしておりました。出迎えられずに申し訳ありません。」

 

 首長の間らしき場所へ通される。

 その奥には他のリザードマンより立派な体格の持ち主のリザードマンがいた。

 これが首領か。

 だが、痩せている。

 やはり、衰弱しているのか。

 というか他の者よりも痩せこけている気がする。

 

「首領殿、ここの状況についてお聞きしても?」

「私はドウラという名を持っています。お気軽にドウラとお呼び下さい良いでしょうお話します。」


 ドウラはリザードマンの近況について話し始めた。

 大体はクルシェが予測していた通りだった。

 やはり水位が下がったことにより、確保できる食料が激減。

 主に魚等を食べていたリザードマンはどんどんと衰弱していったそうだ。

 そして、まだ女神の存在には気づいていないらしい。

 そして、もう一つ重要な情報があった。

 

「息子殿が?」

「ええ。自らの手勢を率いてこの湖の上流、水源の様子を見に行っております。」


 恐らく、手練なのだろうが女神軍が相手では分が悪いだろう。

 なら、少し急がなければならないかもな。

 

「その水源の調査、ご協力しましょう。」

「いや、それには及びません。」

 

 まさか断られるとは。

 この返答に流石のグレグも困惑の表情を見せる。

 まぁ、俺もそうなのだが。

 

「これは我々の問題、魔王様のお手を煩わせるわけには行きません。」

「いやしかし……。」

 

 とそこで口を止める。

 恐らく、借りを作りたくないのだろう。

 借りを作っては後々が面倒になるからか。

 向こうとしては臣従したいというわけでは無いということだ。

 恐らく何を言っても協力することは難しい。

 

「……分かりました。ですが、何か手伝えることがいつでも言って下さい。対等な同盟者として。」

「……ありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。」

 

 さて、今回は成果は余り得られなかったが勝手に恩を売るようにしよう。

 息子殿は何処に行ったのかな?

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