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訪問者

 あれから数週間がたった。

 名前を名乗ることを公表し、魔王に一歩近づいた事で皆の忠誠心も上がった。

 食料についても少しずつだが何とか回るようになってきた。

 が、やはり問題というのはすぐに訪れてくる。

 

「人間?」

「は。冒険者らしき女が森の中を探索していると報告がありました。被害はまだ出ておりません。」

 

 俺はグレグの息子、ゲイルから報告を受けていた。

 自分が名乗ったので他も名乗っても良いだろうということで重要な役職についている者には名を与えた。

 そして、誰の息子かも分かるように、ゲイルには名字としてグレグを名乗らせた。

 つまり、ゲイル・グレグということだ。

 父親の名を性として名乗らせることで誰の家系か分かるようにしたのだ。

 と言っても父親の名があるのはゲイルのみなので姓があるのはゲイルのみである。

 他は姓がまだない。

 つまりは初代ということだ。

 まぁ、俺も姓は無いのだが。

 

「アギョウ、ウンギョウに部隊を編成させろ。それを護衛に俺が直接話をしに行く。」

「畏まりました。」

 

 アギョウ、ウンギョウとはゲイルと副長の反乱を未然に防いだ二人である。

 名前の由来は金剛力士像の名から頂戴した。

 二人には褒美として部隊長の任につかせた。

 アギョウ、ゲイルを捕らえた方には近衛軍大将を、ウンギョウ、副長を捕らえた方には攻撃軍大将を任じた。

 ゲイルは遊撃軍大将、グレグは軍事部門の統括者として任じてある。

 慣れぬ事務仕事でグレグは疲れ切っているらしい。

 兵も俺が魔王として統治してから志願兵が増えた。

 先の戦に諸々の理由から参戦出来なかった者が少なからずおり、その者らが兵となった事で兵力も増えた。

 ので、軍を複数に分けてみたのだ。

 弟には俺の側近として内政面等、全般を支えてもらっている。

 弟はかなり優秀で凄く助かっている。

 まぁ、それのせいで別の問題も発生してきているが、まだそれは大丈夫だろう。

 因みに爺は全く死にそうに無い。

 だうやら俺の名を伝えるために死んでたまるかと老いぼれのフリをしていたらしい。

 まぁ、老体であることには変わりないのでゆっくりしていてほしいのだが。

 

「あと、勢力圏が広がったことにより、別の魔物の生活圏と接触しそうです。」

「別の魔物?」

 

 考えてみればこの森で他の魔物はまだ見たことが無いな。

 森の中の魔物は基本的にはゴブリンだったし、他の魔物とは一体何者なのだろうか。

 

「それは何者だ?」

「は。リザードマンです。」

 

 リザードマン。

 あのトカゲのような奴か。

 

「この森の唯一の水資源とも言える湖に巣食っており、我々が勢力を広げる上で必ず接触しなければならないでしょう。」

「分かった。有事に備えてお前の軍の支度を整えておけ。」

「は。既に準備は整っております。」

 

 本当に有能だな。

 こいつの反乱が成功しなかったことを本当に嬉しく思う。

 だが、一つだけずっと気になっている事がある。

 

「ゲイル。お前はまだ反旗を翻すつもりはあるか?正直に言ってくれ。」

「……では、失礼して。」


 ゲイルは深呼吸をする。

 

「寝首をかかれぬよう、お気を付け下さい。」

「ははっ!面白い!」

 

 俺は席を立ちゲイルの肩に手を置く。

 

「ならば俺は寝首をかかれぬように魔王として君臨してみせよう。」

「は。」

 

 本来なら問題発言だが、これくらいの方が良い。

 上の立場に立てば立つほど寝首をかきやすくなるだろうから励んでくれるだろう。

 俺も自分を鍛えなければな。

 まぁ、今は冒険者とやらだ。

 さっさと支度を整えよう。

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