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逃亡生活の始まり

突然ですが、主人公の年齢を12から16へ変更致しました。

理由としては流石に幼すぎると思ったからです。

また、それに伴いセラの年齢も20へと変更致しました。

気付いたところは修正しましたが、修正のし忘れがありましたら教えていただけると幸いです。


「若。これからは如何するのでしょうか?」


 今俺達は敵の追撃から逃れるために取り敢えず帝国方面へと逃げ続け、今はその途中の山にて休息を取っていた。

 セラに今後どうするのかを聞かれた。


「まず、情報を纏めよう。残っている兵は?」

「はい。近衛衆62,侍女衆12名です。言われた通り、領民兵は兵役解除とし、希望者は近衛衆へ組み込みました。」


 兵役解除した領民たちはもう既に行きたいところへ行かせている。

 そして先の戦いでこちらもそれなりの被害が出た。

 勝利を収めることが出来たが、損害も大きい。

 正直、この状態で敵の追撃が来ればどうしようもないが、何故かまだ来ない。


「よし、ではこれからのことを説明する。」


 懐から取り出した地図を広げ地面におく。


「まずセラは新たに領民兵から近衛衆になった者たちをを引き連れ王国のアラン叔父上の元へ向かってくれ。」


 アラン叔父上は父上と不仲で有名であり、優秀だったが、弟だったので家督を継ぐことが出来なかった人物である。

 父も幾度となくアラン叔父上の命を狙っていたが、尽く失敗している。

 自分には良くしてくれていたので、頼ってみることにした。


「畏まりました。」


 セラの表情を見るとあまり嬉しそうな顔をしていない。


「すまない、母上の侍女であるセラを母上の元から引き離すのは出来れば避けたいんだが、今は人手がいないんだ。許してくれ。」


 頭を下げる。

 上に立つものが容易に頭を下げては行けないとも思うが今は下げる。


「顔をお上げ下さい。なんとも思っておりませんので。」

「大丈夫、セラにはアルの言うことには従うように言い付けてるから。」


 まぁ本人としては嬉しくないだろうが。

 ここは我慢してもらおう。


「母上は帝国へ行き皇帝陛下へご助力をお願いしに行ってもらいたいのです。」

「……えぇいいわよ。で、アルはどうするの?」


 少し間があったが、何か思うところがあるのだろうか。


「私は帝国の南、海を隔てた先にある島国、アナテル国へと向かいます。」


 アナテル国とはこの大陸の南に位置する群島を支配し、制海権を握る海洋国家である。

 一応、この国と俺は繋がりがあり、婚姻同盟によって帝国との安全を確保していた我が王国はアナテル国とも婚姻関係を結ぶべく交渉していた。


「あぁ、なるほどね、あの子のところね。」

「いえ、別にアレの元へ行きたいわけでは……。」


 ものすごいニヤニヤしている母上。

 楽しそうである。


「もー恥ずかしがらなくてもいいのにー。」

「……母上、ウザいです。」


 つい言ってしまう。

 ものすごいショックを受けている。

 だが、日常茶飯事である。


「セラ、アルが反抗期に……。」


 フラフラとしながらセラに抱きつく母上。


「フレン様が悪いです。」


 セラも冷たく突き放す。

 先程よりも強いショックを受けている。


「もういい、ちょっと一人になりたいから着いてこないで。」


 本当に悲しそうな顔で天幕の外に出ていく。

 少し罪悪感が芽生えてしまう。


「少し冷たくしすぎたかな。」

「流石に私も従者としてあるまじき言動でした。」


 セラと共に反省する。


「まぁ、一国の王女なんだからもう少し子離れしてもらいたいところではあるがね。」


 水をのみながら言う。


「ですが、それがフレン様の良いところでもあります。」


 笑いながら言うセラ。

 その笑顔に思わず見とれてしまう。


「如何なさいましたか?」

「いや、やはり笑うとより綺麗に見えてね。」


 顔を赤らめるセラ。

 顔を見られたくないのかすぐに顔を逸らす。

 その行動が余計に可愛く見えてしまう。


「ご、ご冗談を。」

「冗談ではないさ。」


 沈黙が流れる。

 誰も居ないところで二人きり。

 なんだかそういう雰囲気になってきている気がしてきた。


「あ、あの……。」

「アル!セラ!武器を!」


 セラの言葉を遮り、突如として母上が入り込んでくる。

 俺もセラも即座に気持ちを切り替え武器を構える。


「セラ、話の続きはまた今度。」

「は、はい。」


 しかしセラはまだ完全に切り替えられてはいないようだった。


「敵よ!あの武器は帝国の暗殺部隊、陽炎(かげろう)部隊ね。」

「帝国!?何故ですか!?母上!?」


 帝国がこちらを狙っているのだとしたら色々と予定が狂ってしまう。


「わからないわ。でも、もう既にこちらの手勢も数名やられているわ。」


 天幕の外では剣戟の音が聞こえてくる。

 恐らく我々はずっとつけられていたのだろう。


「早く離脱しないと包囲されてしまうわ、行きましょう。」


 最低限の荷物だけ持ち天幕を出る。

 そこには暗闇のなかまともに戦うことの出来ていないこちらの部隊とフードを被り、革製の鎧を着込んで、短剣で戦っている集団がいた。

 まるでアサ◯ンクリードのアサシンである。


「こっちです!」


 言われるがままにセラについていく。

 しかし先頭を歩いていたセラに敵が木の上から飛び降り、襲ってきた。

 セラはまだ気付いていない。


「セラ!」


 思わず飛び出そうとした。

 しかしそれよりも母上の方が早かった。


「危ない!」


 セラを突き飛ばす母上。

 しかしその背中から鮮血が飛び散っているのが見える。


「母上!」


 即座に背後ががら空きになっている刺客を刺し殺す。


「フレン様!」

「母上!」


 膝をついている母上。

 出血がひどい。


「母上、早く離脱して治療しましょう。」

「こちらです。」


 セラと2人で母上を支えながら進む。

 しかしその先には数人の刺客が待ち構えていた。


「若、フレン様を連れてお逃げ下さい。」


 母上を支えるのをやめ、武器を構えるセラ。


「馬鹿か!そんなことが出来るわけ無いだろ!」

「しかし!今後のためにもフレン様は必要なお方!ここは私が!」


 確かに母上は必要だがそれと同じくらいセラも必要なのだ。

 だが、この状況を打開する策も思い付かない。


「セラ、下がりなさい。ここは私が引き受けるわ。」


 まだしっかりと立ててもいないのに俺の支えを振り払い敵の元へと向かっていく母上。


「フレン様!お下がり下さい!ここは私が!」

「もう無理よ。私は助からない。」


 傷は決して浅くはない。

 当たり前だが出血は止まっていない。

 更にひどくなっているように見える。


「しかし!」

「これは命令よ!」


 武器を構える母上。


「早く行きなさい!この程度私一人で十分よ。」

「……セラ、行こう。」


 合理的に考えればそれが最善だ。

 非情だが、仕方が無い。

 セラは動こうとしない。


「セラ!」

「畏まりました……。」


 セラは悔しいのか拳を強く握っている。

 俺達は振り返り走り出す。


「アル!」


 しかしそこで母上の声が聞こえ、振り替える。


「1つだけ言いたかったんだけどね、私小さい頃から家族にいじめられて来てたの。家族の愛情も知らずよくわからない国へ嫁がされてそこで出来た夫からも嫌われた。」


 母上は帝国の姫であったが側室の子供と言うこともあり、周りからいじめられていたと聞く。

 唯一の味方である産みの親も早くになくなってしまったらしい。

 あの時の帝国に助力を願った際の母上の間はそういう意味だったのだろう。


「でもあなたが生まれてきてくれた。家族の愛情を知らない私があなたをしっかりと育てることが出来るのか不安だったけど強く、たくましく育ってくれた。」


 こちらを見る母上。

 その目には涙が、浮かんでいた。


「アルフレッド、生まれてきてくれてありがとうね。」


 悔しい。

 この状況をひっくり返す手が思い浮かばない。

 とても悔しいが逃げるのが最善の手である。

 母上の覚悟を無駄にしない為にも生き延びねば。


「セラ!なんとしてでもアルを守りなさい!命に代えても!私が育て上げた貴女なら出来るはずよ!そうすれば……そうね、アルのお嫁さんにしてあげても良いわよ。」


 笑顔を見せる母上。

 その額には薄っすらと汗が滲んでいる。


「……分かりました。命に代えてもアルフレッド様をお守り致します!」


 セラは覚悟を決めたようだった。

 そして、敵の方を向く母上。


「さぁ早く行きなさい!」


 もう既に立っているのだけでも辛いのだろうが、それでも敵と対峙している。


「母上!ご無事で!」


 俺達はその場を離脱した。

 まだ、他の騎士達も奮戦しているようで、こちらまで追っ手は来ていなかった。




「待ってくれてありがとうね、陽炎の人達。」


 フードの奥の顔は見えない。

 それでもこちらにわざと別れの時間をくれたことは分かった。

 彼らは帝国の人間である。

 それくらいの猶予はくれた。

 それか、それくらいの余裕はあると言うことだろうか。


「さぁ、何処からでもかかってきなさい、帝国最強の姫と言われた私の技を見せてあげるわ。」


 そう言うと同時に敵が2人襲ってきた。

 しかしその襲いかかってきた2人を即座に切り捨てる。

 本当に負傷してるのかという動きである。


「あまり女だからって舐めない方が良いわよ。」


 剣についた血を遠心力で払う。


「母は強しってね。」

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