表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/138

野戦 開戦

 両軍がこの森の中を流れる川を挟んで対峙する。

 川の水位は日照りが続いたおかげか低い。

 戦にはもってこいである。

 俺達は今回、急拵えで弓兵を編成していた。

 今回の戦場と今後の事を考えて、訓練させておいたのだ。

 見た所、敵には弓兵はいない。

 投石部隊はいるようだが、こちらにもそれはいる。

 この戦、勝てる。

 

「兄ちゃん。そ、その……。」

「おう、どうした?」

 

 本陣から敵陣を見ていると、弟が声をかけてくる。

 初めて部隊を率いる事が不安なのか、かなり不安げな顔をしている。

 恐らく、やっぱり自分が部隊を率いるのは無理だとでも言いに来たのだろう。

 俺は弟の頭に手を置く。


「お前は指揮官なんだ。もっと胸を張れ。」

「で、でも……。」

「お前は俺の自慢の弟だ。お前ならやれるって信じてる。」

 

 そう言うと、弟は自信を取り戻したようだった。

 

「……うん、分かった!やってみる!」

 

 そう言うと弟は本陣を去って行った。

 今回の部隊の編成は弟に一任している。

 編成については味方についてくれた各村長と連携してやらせたので、問題は無いかと思われる。

 

「陛下、そろそろ。」

「あぁ。」

 

 本陣に控えていたグレグが口を開く。

 確かに、対岸の相手も動き始めている。

 

「各々、作戦通りに動け!」

 

 

 

 戦が始まった。

 先制攻撃を仕掛けたのはこちらの方だ。

 新編成の弓兵隊と投石部隊による遠距離攻撃。

 これによる攻撃で慌てた敵は川を渡り始めた。

 向こうからも石は飛んでくるが、さほどの被害は無い。

 こちらは向こうと違い、防具をある程度はつけているので、被害が少ないのだ。

 そしてそのまま渡河を終え、こちらの陣に近づいてくる。

 

「今だ!」

 

 敵が川を上がり、こちらに来始めた頃を見計らって突撃を指示する。

 指示に従い、弟や反乱を阻止した二人、グレグの息子もそれぞれ部隊を率いて突撃する。

 川を渡り、疲弊した敵は甚大な被害を受け、たちまち踵を返し、川へ戻る。

 そして、俺は突撃していた部隊に停止を命じる。

 

「陛下。お願いします。」

「あぁ。」

 

 俺は前に立ち、魔法を使う。

 対岸に向け、無数の火球を投げる。

 実は訓練のお陰でかなり疲れるが、一度に放てる火球がかなり増えたのだ。

 そして、火も簡単には消えない事が分かった。

 それに加え、先程放った矢だ。

 実はあの矢は燃えやすい木を使って作られたものである。

 対岸はたちまち火の海となった。

 川の中の敵は退路を失った事で川の中で立ち往生である。

 

「聞け!」

 

 俺は川岸に立つ。

 川の中の敵は皆、こちらを向く。

 俺は先程の火球が俺が出したものだと分かるように、再度火球を辺りに漂わせる。

 

「俺は真の魔王として立つ!その証として俺は魔法が使える!今、降伏するものには慈悲を与える!それでも抗うという者には死の制裁を与える!さぁ、俺に付き従う意志のあるものは武器を捨て投降せよ!身の安全を保証しよう!」

 

 その言葉を聞くと、川の中の敵は戦意を喪失し、すぐさま武器を投げ捨てた。

 そして、我先にとこちらの陣に上がってくる。

 先程突撃を仕掛けた部隊が一人一人救助していく。

 

「流石だな、グレグ。」

「は。ありがとうございます。」

 

 だが、これでも戦力は拮抗しただけだろう。

 さて、この後どうするかだな。

 今ので魔法は使い切った。

 訓練を死に物狂いでやってわかったのだが、あまりやりすぎると突如として眠りについてしまうようだ。

 これ以上は、やばいと思う。

 もう魔法は使えないな。

 後は、俺の指揮の見せ所か。

では、評価や感想ブックマーク等お待ちしてます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ