仲間を求めて
その後、俺達は村に留まれば身の安全は保証出来ないだろうと言うことで村を離れた。
が、俺にはなんの当ても無い。
近くの洞穴で雨風を凌ぎつつ、今後について弟と話をしていた。
「にしても、あの魔法凄かったね!」
弟は元気なようで何よりだが、空元気ではないかと心配してしまう。
他のゴブリンに比べて賢いようだし、俺を落ち込ませまいと元気を装っているのかもしれない。
「まぁな。俺も偶然使えたんだよ。」
「……でも、魔法が使えるならあの人の所に行って見ても良いかもね。」
「あの人?」
どうやら弟には当てがあるようだった。
詳しく話を聞いてみると、真の主に相応しいと思える者が村長となるまでどこにも肩入れしない勢力がいるらしい。
それも、かなりの大勢力。
あの村の総人口よりも抱えている人数は多いらしい。
どうやらその勢力をまとめているゴブリンの先祖はその昔、魔王の側近だった者らしく、魔国が滅びた際に生き延び、相応しいと思える主が現れるまで何もするなという家訓を守っているらしい。
というか、魔物ってそこまで文化的な勢力だったのか。
俺が王の頃はなんの情報も入ってこなかったが、上手く隠れながら生きてきたようだな。
「じゃあ、明日はそこに行ってみようか。」
「うん!」
後日、弟の案内の元、その勢力の村へと向かった。
道中、さらに詳しく話を聞くと、どうやらゴブリンは歳を重ねれば重ねる程強くなって行き、寿命が近付くと一気に衰え、死ぬという。
つまり、爺はもうすぐ死ぬということだ。
そう言えば村長も大分衰えていたな。
それに、ゴブリンは長寿らしく、爺も魔王の時代から数えてたったの三代目らしい。
つまりは爺の爺ちゃんが魔王の時代を生きていたというのか。
俺らは五代目でこれから合うのは四代目らしい。
ゴブリンの寿命は軽く百を超えるらしいので、爺は一体何歳なのだろうか。
暫く歩いていると、村が見えてきた。
森の中に柵と門が構えられており、俺達の村よりも遥かに発展している。
「止まれ!」
門番らしきゴブリンに止められる。
人間の成人男性程の背丈に革鎧。
武器は槍を構えていた。
「ここのリーダーに合わせて欲しいんですが。」
「その肌は……。畏まりました。どうぞお入りください。村長の家は真っ直ぐです。」
俺達の肌の色を見るなり唐突に態度を変えた。
やはり、側近の家系というだけあって肩入れはしないが、魔王の血族には敬意を払っているのか。
俺達はそのまま村の中を進んでいった。
村の中では木の人形相手に訓練をしている者、集団での模擬戦を行っていたり、訓練をしている者が多数存在していた。
どうやら、戦闘能力は申し分無さそうだ。
そして、村長の家の前につく。
「村長に用事ですか?」
「はい。合えますか?」
村長の家の前にも警備がおり、門番の男と同様の装備をしていた。
すると、俺達の後ろに目配せをする。
その途端、背後に三人現れ、武器を構えられる。
防具は一緒だが剣や斧を構えていたりしている。
そこは統一されていないらしい。
「いきなりで失礼ですが、付いてきていただきます。父に合うのはそれからです。逆らうなら……。」
「……分かった。」
どうやらこの警備はここの村長の息子らしい。
というか、何故こんなことにをなったのだろうか。
弟も怯えてしまっているし、弟が落ち着きを取り戻すまで下手に事を荒立てない方が良い。
俺の魔法と弟の戦闘能力があればなんとか制圧出来るだろうが、弟がこの調子なら今は厳しいな。
まぁ、何にせよ実力を測るよい機会かも知れない。
どうなるかは分からないが、相手がどういう行動をとるのか、お手並み拝見と行こう。
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