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異世界転移して教師になったが、魔女と恐れられている件 〜王族も貴族も関係ないから真面目に授業を聞け〜  作者: 井上みつる/乳酸菌/赤池宗


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コートとローズ

15日(金)、2巻発売です!

場所によっては前日から買えるという噂を聞いております!

是非チェックしてみてください!





 謁見の間ではディアジオより許可がおり、更にそれを魔術学院や魔術研究室の関係者がしっかりと目撃した。これで私は誰に咎められることも無くメイプルリーフの魔術を学ぶことが出来るだろう。


 色々と質問してくる者もいて多少時間は取られたが、一先ずディアジオとの会談はそれで終了となった。


 アウォードやクラウンからは研究中の魔術について意見が欲しいと言われ、バルブレアからは学院の講義や魔法陣について助言を頼まれた。


 双方とも願ったり叶ったりといった依頼であった為、すぐに了承する。


 最新の魔術のみを求めるなら魔術研究室に通い詰めるべきだが、メイプルリーフの魔術の水準を上げる為には学院に行くのも大事だ。


 その為、翌日から魔術学院と研究室を交互に訪ねようと思い、食堂で皆にそう提案したのだが、皆は今日どこに行くかよりも気になることがあるようだった。


「……その、ローズ皇女様は、何故ここに?」


 エライザが恐る恐る尋ねる。すると、テーブルの奥でスープを口に運んでいたローズが顔を上げた。


「好奇心ゆえ、とでも答えたら良いかしら」


 ローズがそう答えてまたスプーンを片手に食事を再開すると、皆揃って顔を見合わせる。


 全員で食事をしている最中に突然ローズが現れたのだが、お付きの近衛兵達を斜め後ろに控えさせたまま、無言で椅子に座ってしまった。それまで私が話した内容をもとに各々雑談していたのだが、ローズの登場で全員が会話できる空気ではなくなってしまう。


「……どういうことだ?」


 ストラスに聞かれて、私も首を捻る。以前も私に対して興味を示していたような気がするが、このようなことをする性格には見えなかった。


 私が答えないからか、誰も言葉を発しないまま食事が進む。


 すると、ローズの方から声が投げかけられた。


「……貴方、どこかで会ったわね」


 ローズが目を細めて見つめる先は、コートだった。そういえば、ディアジオもコートのことを見知った顔などと表現していた気がする。


 ローズの言葉で皆の視線がコートに集中した。それにコートは苦笑しつつ、軽く会釈を返す。


「ローズ皇女。まさか覚えていただけているとは思っておりませんでした」


 コートが挨拶をすると、ローズは目を糸のように細くする。


「三年前のヴァーテッド王国で行われた各国の代表の報告会議。そこに、私や貴方もいたはず。将来関わり合いがある相手を忘れる王族はいないわ」


「これは失礼いたしました。ローズ皇女は相変わらず御聡明で……」


 コートが軽く頭を下げてそう言うと、ローズは片手をあげてセリフを止めた。


「それは嫌味? 貴方こそ、あの場に集まった後継者候補達の中で頭一つ抜けていたわよ。誰が見ても明らかだったから、比べられるのも嫌だったのを覚えてる」


 そう呟いてから、ローズは片手を顔の前に上げ、魔術を行使する。一小節で氷の魔術を発動すると、手のひらの上に氷の塊を出現させた。


「私が勝てそうなのは氷の魔術くらいだったから、子供心ながらに必死になって氷の魔術を学んで研究したわ。おかげでメイプルリーフ内では最も優れた氷の魔術師なんて呼ばれているけれど」


「すごいじゃないですか。その年齢でそれだけの評価を受けるなんて。陛下も鼻が高いでしょうね」


 コートが手放しで称賛の言葉を贈る。しかし、ローズの表情は特に変わらなかった。氷の魔術で作り上げた氷を手のひらの上で溶かし、顎を引く。


「さぁ……陛下は私に淑女としての嗜みを覚えてもらった方が嬉しかったようだけど。下手に宮廷魔術師よりも魔術が上手になったから、それからは何も言われなくなったわね」


 少し寂しそうにそう呟くローズに、コートが一瞬口を噤んだ。


 何となく気になった私は、静かになったローズに対して質問をする。


「……今の氷の魔術。水の性質を変化させたものではありませんでしたね」


 そう尋ねると、皆がガクッと肩を落とす。ローズもフッと小さく息を漏らすように笑った。


「……そうね。今のはそのまま氷を作り出す、私のオリジナル魔術よ。ほんの少し氷が早く出来るだけで特に意味はないけれど」


 自虐的にそんなことを言うローズに、私は首を左右に振る。


「いいえ、そんなことはありません。その魔術は、私がアウォードさんの魔術に対して言ったように、詠唱の可能性を探る為にとても良い研究材料となります」


 そう告げてから、私は椅子に座ったまま改めてローズに体の正面を向けた。


「ローズさん。フィディック学院に来ますか? もし良かったら私が魔術を教えますよ。そうすれば、ローズさんの悩みが解決するかもしれません」


「……私の悩みが?」


 困惑するローズに、私は力強く断言する。


「はい。メイプルリーフ聖皇国だけでなく六大国すべてでも知られるほどの大魔術師になれば、淑女としての嗜みなどそこそこでも結婚することは出来ます。売れ残りませんよ」


 胸の前で拳を作ってそう言うと、目を丸くして固まってしまったのだった。





異世界転移して教師になったが、魔女と恐れられている件

2巻が4月15日に発売します!

↓も是非どうぞ!

https://www.es-novel.jp/bookdetail/131kyoushimajo2_luna.php

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― 新着の感想 ―
ローズ皇女は婚活に苦戦してるわけじゃなかろうに(笑)
[気になる点] そうおっしゃる魔術を極めたアオイが、売れ残ってる件… いや、まだ若いから売れ残りは言い過ぎだし、アオイが結婚したいと表明すれば、魔力目当ての王公貴族や魔術師が列をなしそうだけど(  ̄-…
[一言] ローズ皇女は結婚問題で悩んでるの?。
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