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ミラクルワールドアドベンチャー  作者: タヌキモン
第1章 四人の少年冒険家
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第11話「ちっ……、追うか?」

 ヨーレヨ村三日目の朝。


「ニワトリゲッチュウウウウウウウッ!!!」


「コケエエエエエエエエェッ!!?(何故じゃあああああああぁっ!!?)」


 今日も朝早くに目が覚めたパワードは、鶏を捕まえて吊し上げていた。




「今日は薬草取りに行こっか」


「薬草?どこに?」


「グルクルヤの森。奥の方に良い穴場があるの」


 メオナに作ってもらった大量の鶏料理を食べながら、リイダ達は今日の予定内容を聞いていた。


「おお!良いねぇ。猪にリベンジだ!」


「いや薬草取りだって言ってんだろ。けど大丈夫か?妖精にまた迷わされるんじゃ‥‥」


 パワードが鶏肉の太もも丸々一本焼きにかぶりつきながら賛成。

 サブは森に入る時の問題を思いだしながら肉をナイフで細かく切り、口に運んでいる。


「それは大丈夫だってば。お菓子を撒けば妖精は悪戯してこないんだから」


「‥‥あ~、そういえばそだった」


 メオナが何度か話してくれた妖精の習性を指摘してくれる。

 妖精達は大のイタズラ好きだが、お菓子を与える事でイタズラをしないでもらえる様になるのだ。

 サブは、ぼんやりとその事を思い出した。


「それじゃっ、早く食べてとっとこ行きますか!」


 リイダが掻き込むように料理平らげ、他の三人もそれにならってすぐに食べ終わると、森に入る準備を始めた。

 メオナはのんびりと朝食を片付けた後、既に用意していたのかお菓子の入った袋を戸棚から取り出し、小屋の外に出ていく。


「先に森の入り口行ってるねー」


「待ってつかーさぁ~い」


 四人はそれぞれにかごを背負って、メオナの後に着いて行った。





 グルクルヤの森の中、お菓子を周辺の茂みに撒くメオナを先頭に、五人は一列の体制で進んで行く。


「うーん。なんか真っ直ぐ進めてる……気がする!」


「‥妙な気配も特に感じないな」


 辺りは木々が密集して暗がりが多いが、前回森の中を徘徊した時の怪しげな雰囲気は無くなっていた。

 今はただ魔物が出るだけの鬱蒼とした森である。


「あっ見てみて!遭難してる時にお世話になった角ウサギ!」


「ありゃ美味かったよなぁ。また捕まえて………逃げたな、マッハで‥」


 パワードが指差した先の所に、木の実を咥えた兎型の魔物[イッカクラビィ]が一匹佇んでいたが、リイダの視線に気づき身を強張らせた刹那、後ろ走りで駆け逃げていった。

 あっという間もなく角兎は視界から消えていき、パワードが舌打ちした。


「……ちっ、追うか?」


「止めとけ。離れたらまた迷子になるぞ」


 サブが追いかけ出しそうなパワードを嗜めた。


「今回は全員、菓子装備したから大丈夫っしょ」


 リイダが念のためにと全員に持たせた菓子袋を確認する。

 リイダとサブが腰横に付け、パワードがズボンのポケット、コウテツは背負ったかごの中にいれていた。


「随分素早く逃げたわねー」


 あまりに迷いの無い兎の逃げ足に、メオナは感嘆の声を小さく上げた。


「そういや異様に早かったな。なんでだ?」


「前来た時に狩り過ぎたからだろ…」


「何を言う。狩ったといってもほんの2、30匹くらいだろう…」


「いや十分過ぎるわ!」


 最初森に突入した時、見つけた魔物は片っ端から狩り倒していたリイダ一行。

 ご飯時は食糧にしたが、それ以外の時は土に埋め弔っていた。詳しい肉の加工処理や、日持ちさせるための知識を全く知らない四人だった。




「索敵発見!せりゃあーーっ!!」


「ギャゥウウッ!!」


「横からどおおおおおおぉんっ!!」


「ッシャガァア!?」


「こっち飛ばすなあ!!」


 目的の薬草地まで行く途中、何度も好戦的な魔物に遭遇して、それを撃退していくリイダ達。


 リイダは前方からかかってくる魔物を剣で斬り倒し、パワードは木の上から飛び出てきた魔物を大槌で横薙ぎに払い、サブのいる方向にぶっ飛ばした。サブはギリギリでそれを避ける。

 コウテツは後ろから来た魔物にタックルを食らった。


「ぐふぅっ…!」


「テッつあんっ!うおおおおっ!!」


ーーッズガアアアアン!!!


「ギャゲェッ!!」


 後ろから奇襲した魔物は、パワードが大槌を振るい地面にめり込ませた。


「テッつあん、無事かぁっ!?」


「…かご、は…無事……だ…ぜ………がくっ」


「テッつああああああああぁんっーー!!!」


「いや大袈裟すぎたろ。ダメージ無ねぇだろ?」


「…はい。わりと元気!」


「「だろうな……」」


「あっ、見えてきた。あそこが目的の場所!」


 そうこうしてるうちに目的の薬草地に辿り着いた五人だった。

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