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四話目 思い返す

 やあやあ、どーも小鳥遊唯だ、――まさかつい最近フルネーム分かったやつが語り手になるなんて誰も思うまい。

 とりあえずプロフィールから、現在高校1年生――誰がそう思ってるかは知らないけれど、高校にはちゃんと通っている、家がないというか……お金はある程度あるのに…家がない理由は、あーまぁ、親がいないからである。

 親がいたらこんなところに住んでいない、ボロボロで夏は暑くて冬は寒い、自然の通りであるんだけどなぁ……、特に寒いのがつらい、体温をあげる方法が運動くらいしかない、何か良い方法がない物か。

 ……そんなことはいいとして(毛布を持ってこよう)、因みに原因としては大体兄の所為で、こっちは完全にとばっちりだ。

 吸血鬼に会ってなったのもその兄の所為、何をするかは自由だけど、される自由はないと思うんだけどな。

 吸血鬼になったことに関しては余り話したくない、結局何をしても人間には戻れなかったし、研究家というか専門家というか趣味で色々やっていた奴に少し話を訊いているんだけど、簡単に手放せるものではいらしい、瀕死になると急に使えなくなるとかで、吸血鬼には無理だ。

 春夏冬は瀕死になってたけど、そのあと、使えているのだろうか…?

 あいつは日常生活でも使ってそうだからなぁ、ただ便利なものとしてしか見ていないだろうな、こんな不便なもの持ってても、仕方がないのに。

 使えなくなってたら、俺の所為ではあるんだけど、これも兄所為と言ってもいいと思う、赤石沢がいなかったら今頃また戦っているだろうな、今どこで何をやっているのだか。

 すごく気になる、俺に殺しに来るやつがいるから戦えとかなんと言ったあとすぐにどこかに行ってまった、実質、小鳥遊家は自分一人である、お金はあるからいいとして、無くなってもバイトできる年齢だし、高校生なのに保護者がいないのは困る、責任はすべて一人で背負えない。

 まぁ、でもいないのは仕方がない、親戚がいないわけでもないし。

 現在の状況、現状を話したところで何かしようというわけでもないんだけど、整理してみて、改めると、飛んでもない状況置かれてるな……、こんな状況に置かれてるいるのなんて日本中探しても俺くらいしかいてないんじゃないかな。

 じゃあ、じゃあ色々あった10月ころのことをはなさそうかな、衝撃的でもなんでもなかったけど、印象的ではあった。





 その日は9月29日、赤石沢から血を吸い始めて二か月くらいが経って、そろそろ慣れてくる頃だった、というか、実際慣れた。

 因みに、吸血するときは自分の口を噛み切って血を出しながら吸血しているので、赤石沢の血の量は変わらないし、怪我もしなければ痕も残らない。

 こんな感じの吸血をその辺りを歩いていた歩行人のもしていたんだけど、勿論、許可を求めても、許可されない、結果、気絶させることは強いられる、そんなことをするのが嫌だから空腹で苦しんでいたわけだがなぜか、本当になぜか、赤石沢が助けてくれた、そんな感じで空腹の危機はぎりぎり免れている……、逃れていると言ったほうが正しいかもしれないけど。

 そんな赤石沢がどういうわけか今日来てくれるはずなのにまだ来ない、約束していた時間は過ぎている、まぁ中学生だし、きっと部活とかあるのだろう、そんな部活をやっているという話は聞いたことないが、いつもなら遅れても5分くらいなんだけどな、1時間ぐらい経っている。

 あっ、来た、二階から見える、付け加えて言うと、俺は普段は二階居て、この廃校は三階建て。

「あっ待ったー?」

「そりゃあまぁ」

「いつもは早めに来てるけどこの時間帯は帰る人が多いからね」

 帰る知り合いの生徒に見つからないように来たから遅れたという事だろうか、確かにこの時間だと見つかるというか、見つかったら何か言われそうだよな。

「そういうわけだから、終わったらすぐ帰るからね」

「あーそうか、じゃあ、早く終わらせるか」

 そう言ってから、俺は赤石沢の首にかぶりりついた、これが吸血鬼の普段からの食事風景である。

 そして、食事が終わってから赤石沢はすぐに帰ってしまった、普段ならこの後、話とかするんだけど、もう時間が遅いしな。

 そういえば赤石沢は何で遅れたんだろうな……?



 その日の夜、夜っていうかもう夜だから、えー…、具体的に言うと1時になるかならいかくらいだったかかな。

 吸血鬼とは言っても昼は普通に動けるので、寝ても寝なくてもどちらでもいい体になっているらしく、この日は何となく起きていた。

 どうでもいいことだがついでに捕捉すると、睡魔さえ感じないが寝ようと思ったら直ぐに寝れる、感覚的には数時間が直ぐに過ぎてしまうので夜はやる事がなくなり暇になったら夜は寝ている。

 それはさておき、この時に何が起こったかというと――一人の吸血鬼が訪問してきた、訪問、まあ、ただ廃校に入ってきただけなんだけど、こんな時間に入ってくるかと思わなくはないけど相手は空を飛んできてガラスが無い二階の窓から入ってきたからなあ。

 そのせいでそいつと鉢合わせた、見た目は中学生くらいの女子である。

「えっあっ」

 相手はすごく戸惑っている、そりゃそうだ、誰もいないと思っていた廃校に一見人に見える奴がいたんだから。

「あー、えっと安心していいぞ、俺も吸血鬼だから」

「あ、そうなんですか…」

「何故、ここに?俺と同じで家が無いとかか?」

 彼女は家が無いんだ…、見たいな顔しながら答えてくれた。

「ちょっと、色々…とりあえず朝が来るまでここに居ようかなって…、だめだったら他の場所に来ます…」

「あっいや、ダメとかそういうのは一切なんだが、誰のものでもないし」

 誰かしらは保有してそうだけど、まあ、誰も近づかないから当分の間は何もされないだろうけど。

「ま、人は誰もいないけど自己責任でな」

 とかなんとか言いながら彼女と居た部屋を出た。

 そういえば、名前とか一切聞いてないな、ここに来た理由も濁してたしなー、でも朝になったら出ていくらしいし。

 んー、俺は何もできないかな、というかできることが一切ないよな、明日になったら丸く収まってるとかじゃないかな。

 問題は起きてからしか解決できないけれど、今のところは何もないし寝よ。



 朝、今日は学校に行かなければ――と、その前に一応昨日の部屋の様子を見ておこう。

 居た、何故いるんだよ、朝になったら直ぐにどこかへ行ってしまうと思っていたが随分余裕があるらしい。

 てっきり起きているものかと思っていたけど、座ったまま壁に寄りかかって寝ている(起きた後首痛いいだろうなあ)、起こしていいものだろうか…、この調子だと昼まで寝てそうだ。

「おい」

 起こすことにした。

「ん……」

「おーい??」

「ふあー、もう夜?」

「どんな質問だ」

 もう夜って、起きている奴の質問だろ。

「いや、朝だって」

「朝?んー、おはようございます?」

 まだ、寝ぼけているなあ…、おはようございますに疑問符は中々つけない。

「……!」

 何回か瞬きをした後、どうやら起きたみたいだ。

「あ、おはようございます」

「それはさっき言ってたぞ」

「えーとじゃあ、もう帰ります」

「ああ、気を付けて帰れよ」

 この気を付けては羽を生やして飛んで帰るなよ、という意味である。

 まぁ、訊いたら歩いて帰るみたいだけど。

「そういえば名前を言っていませんでいたね」

「ん、ああ、そうだな」

「海月和です」

「小鳥遊唯一だ」

 ここで初めて自己紹介をした、した後すぐにどこかへと帰ってしまった。

 さて、俺も学校に行くか…。


 10月15日、結構日付が飛ぶけれどこの日が一番衝撃的なことが起こった日、殺しあいをした日である。

 自分は春夏冬にそこまで詳細には伝えられてはいないが春夏冬は怪物とやらに脅されたらしい。

 俺はそういう脅されたわけでもなく、兄があの色々な原因の兄が俺に――

「お前、を殺しに来るやつがいる」

 とかなんとか言ってきたからだ。

 で、まあ、殺しに来るなら隠れても仕方がないとか言われて倉庫みたいな場所に行ったわけだ。

 そこで、

「弱そうだな」

 とか挑発してみたものの見事にやられ、不幸中の幸いなのか殺されはしなかったのだけれど、腕がなくなっていた、春夏冬が脅されていた怪物とひと悶着あった感じだろうか。

 そんな感じでよく生きていられたよな。



 そのあと、12月21日に学校の生徒に招待がばれた、衝撃的だけれど能力を持っていたからまだセーフ――だと思いたい。


「小鳥遊唯一くんだよね?」

 と、急に声をかけられた、同級生だから知らないということはないけれども、まったく接点がない、俺は名前すら覚えていない。

 ショートカットで制服姿の女の子……、これで眼鏡とかかけていればアニメに居そうなキャラクターデザインになるな。

 まあ、無視して歩き始めた、私は小鳥遊でありませんと言わんとばかりに。

「えっ、ちょっと、あっおっと、待って待って」

 おっとって、こけそうになっている。

 動揺しすぎだろう。

 ……。

「………」

 こけかけながら先回りされてしまった。

 こけそうになったやつに先回りされてしまった。

「なんだよ」

「ちょっと一緒に来てくれない?」

「説明不足だ…」

「じゃあもう、言っちゃうけれど」

 彼女は俺の耳元でささやくように言った。

「吸血鬼だよね?」

「ん、まぁ、そうだな」

「あれ、驚かないの?」

「前にも似たようなことがあったからなぁ、こんなことことあてずっぽうで聞いてくるとは思えないし」

 つまり、こいつは何らかの方法を持っているということになるな――と、格好つけて思って見たものの、方法が一切わからないから、どうしようもないんだけれど。

「それで、バラされたくなかったら付いて来い――みたいな?」

「いや、そういうわけじゃないけど……」

「というかまず、どこへ行くんだ?」

「行きつけの喫茶店かな」

「なぜだ」

 お前と何をしろっていうんだよ

「まぁまぁ」

「はぁ、わかったよ」

 同級生だから警戒心は無きにしも非ずって感じだが……ただただ、話をしたいみたいなことだろうか。

 何が理由にせよ、喫茶店に行くことになった、理由なんでも行ける場所だからな飲食店は。

「おっとー、そこだよ」

 ――なんて言われて、喫茶店に入った。

「えっと、何頼む?」

「あー、じゃあサンドイッチとミックスジュース」

「ミックスジュース……」

「いいじゃん、ミックスジュース」

「すみまーせーん」

 店員を呼ん注文をはじめた。

「えっとサンドイッチとミックスジュース、あと、ミルフィーユとコーヒーで」

 コーヒー飲めるから、ミックスジュースにあんな反応したんだろうか。

 注文が終わってドリンク類がきた後に話し始めた。

「さて閑話休題」

「その四字熟語の使い方は色々間違ってるぞ」

 話が早速つまずいた。

「さてさて、本題に入ろう」

「さっきつまずいた癖に何言ってるんだ」

「あー聞こえいないー」

「はぁ、その前に名前だけ聞いておきたいんだけど」

「えっ」

「え?」

「まぁ、いいや、菅井未來すがいみらいだよ」

「じゃあ、本題だな」

「あっうん、私たち以外にこんな人たちっているの」

私達ってことはきっと同じような能力持っているんだろうな。

「まぁ、いるな何人いるかどうかはわからないが」

「知り合いなの?」

「二、三人はな」

「そういえばお前はどんなの持っているんだ?」

「んー、質問をすると答えが返ってくるっていう感じ」

「なんだその便利そうなの、テストとか無敵じゃねーか」

「うん、そうなんだけどね、でも答えが一つに定めっているものしか答えとして返ってこないんだ」

「ん?」

「わかりやすく言うと、一つの質問に答えが複数ある場合、答えが返ってこないんだよね」

「ふーん、そんな制限意味がないような気もするが」

「うん、質問を絞り込めればそこまで意味がないね」

「じゃあ何か質問してもらっていいか?」

「いいよ」

「あーじゃあ、俺の現在の所持金は?」

「3891円だね」

「おお、待って数える、……あっ合ってる」

「すごいでしょ」

「生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答えは?」

「42だね」

「マジかよ」

 マジなのかよ。

「ところで、吸血鬼って具体的に何ができるの?」

「うーん、容姿を変えれたり、不老不死だったり」

「へー、便利だね」

「お前ほどではねぇーよ」

 吸血鬼って便利なことは本当にないな。

「次は、おっと」

 頼んでいた、サンドイッチとミルフィーユが来て机に置かれた。

「この時間帯ってお腹減るよな」

現在時刻は4時30分である。

「まぁ、そうだね、小腹がすくよね」

そのあと、サンドイッチとミルフィーユが届いてからは多少、春夏冬達のことを聞かれたが、大半がたわいの無い話だった。

「さて、食べ終わったしそろそろ、帰ろうか」

「いや、今日俺を呼んだの何だったんだよ」

「なんか、こう、仲間ってほしくなるよね」

って言いながら自分とは別の方向へと帰って行ってしまった。

仲間ね……、そりゃあ、こんなこと周囲に話しても信じてもらえないよな……、能力を持ったやつが他にもいることが質問で分かって、思わず会いにきたみたいなことだろう。

どうしようか、これからも絡まれるんだろうなあ、意図的に友達を作らないようにしてたのになあ。

廃校に住んでいることを知られたらどう思われることか。



さて、ここまでかな、今のところ話す事はオチがないので後日談とかでオチをつくろうかな。

後日談……何もないな、うーん、後日談ならぬ前日談で。

9月30日なぜか赤石沢の代わりになぜか臨時で春夏冬が来た日だった。

「いや、おい、赤石沢はどうした」

「用事があるって言ってましたよ」

「なぜ敬語なんだよ」

「いや、よくよく考えたら年上だなって」

「……いつも通りでいいよ」

「赤石沢は用事があるってさ」

「まあ吸血できればなんでもいい」

「こだわりはないんだ」

「こだわってたらここまで生きてねぇよ、早く腕を出せよ」

「首筋じゃないの?」

「男同士はヤダな」

「まぁ、俺もいやだ」

言った通り腕を出してきた。

「早くしてくれよ」

「はいはい」

カップっとかみついた――すると俺の腕が今までと比べ物にならないほど速く怪我が治っていった。

「お前かよ」

「え?何が?」

「いや……いいや」

 俺の血を使って怪我を治したなこいつ、それをもう一回俺が吸血したから治ったんだなきっと。

 あーそういえばこいつが俺を襲った張本人だったな。

これも同じく4話目にしました。

若干頭の中で固まっていたキャラ設定を忘れつつある

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